11月の売上はワーストを記録した、こんなに落ちるのかと愕然とした10月とほぼ同じ水準、それよりも少し下回ったというわけだった、去年そうだったように10月から持ち直してくれという、その願いはまったく叶えられなかったということだった。
しかし暗い気分は持っていなかった、暗い気分を持つだけの余裕がなかった、11月はひたすら店をよりよくするぞという動きに費やされた、おかげでまったく読書がはかどらなかった、頭は常に店のことに向けられていた、あれはどうしようこれとかどうにかできないか等々に持って行かれていた、いっしょけんめい働くというのもよしあしだなあと思った、しかしいっしょけんめい働くことは楽しいことだった。
と、いって何をやっていたのか思い出そうとしたのだけど、看板を作り変えたこと、えーと、あれ、あとなにやったっけ、パン焼き始めたのって10月だったっけか、や、全然11月だった、看板を作り始めた、あ間違えた、パンを11月は焼き始めた、あれ、それくらいだっけか、看板、パン、あとは、ショップカード久しぶりに作った、というのに伴ってこれが一番大きな、なんというか僕のなかでは劇的な出来事といって差し支えのないことだったけれど、「本の読める店」になった、この名乗りはなんというか引き続き抜群にすばらしく気持ちいいというか最高だった。
看板を作り変えた、パン焼き始めた、ショップカード作った、「本の読める店」になった、なんだろうな、あとは内部的なものだったろうか、厨房内の使い勝手をよくしようといろいろ収納できるようにしていろいろ収納して使い勝手をよくしたり、あれこれのルールがいろいろ定め直されたり、3人で情報をちゃんと共有できるように仕組みをととのえたり、そういうことをしていたんだっけか。ひたすらあれこれ買い物をしていた気もして、思い立ったら思い立った分だけポチリポチリポチリ、とにかくたくさん買い物をした、毎週ダンボールがたくさん溜まった、お金はだいぶ使った、なんというか、売上が悪い、お金が減っていく、そういうとき、それじゃあ、この機会にもっと使っちゃうか! みたいなモードに僕はなりがちで、今回はまさにそういう感じだった。とにかく「未来に向けて未来に向けて。来年から来年から。来年になったら全部解決!」みたいな無根拠な楽観というか悲壮な楽観をもって生きている。来年といわず、今月から復活してほしい。それにしても、今年はあきらめた、来年来年と10月くらいから言っているけれど、この秋は暇だったことがなんというか、とても意味のあることだったような気すらする。立て直すという意味では、店として前に進むという意味では、この暇は非常に有効な暇だった。暇だったからこそいろいろと取り組めた。とてもよかった。そういうわけで準備はだいたい整ったはずだ、来年といわず、今月から復活してほしい。
10月11月と、あれこれこうするぞああするぞとやってきて思うのはよりよい未来明るい未来を眼差す姿勢を持てさえすればわりと楽しく幸せでいられるということだった。現実から目をそらしていることとどう違うのかわからないといえばわからないが。目を背けてみたところで現実の惨状は変わらないのだが。まあでも、できることをやっていくしかないので あれ、なんか暗くなってきたのはなんでだ いやそんなはずはない 全然暗くない 楽しい とっても楽しい こうやって書けば書くほど、おこなっていない犯罪の嫌疑を掛けられて話せば話すだけ幻の罪に追い詰められていく、自分が嘘をついている気になっていく、そういう気分になっていくのだけど、だからよせばいいのだけど、だからよしてまとめますが、とにかく11月は総じてあかるい気分で、前向きな気分で働いていました、とてもヘルシーでした、フヅクエはどんどんいい店になっていく。なんか確固たる、強い店になっていく。