####今月の福利厚生本(山口くん)椎名誠『哀愁の町に霧が降るのだ』(小学館)
閉店して山口くんと夕飯を食べるのはカウンターの席で伝票に書く席番号でいう4と5で僕が4で山口くんが5というのが決まりになっている。その位置取りは最初の面接のときからそうだったからよほどそうなのだろう。それで話したり何も話さなかったりしながら夕飯を食べるわけだけれども山口くんが先月の福利厚生本で買った近藤聡乃のエッセイ集で近藤聡乃が高校時代にこればかり読んでいたというので挙げているのを見て読み出したという椎名誠の小説のことをしゃべりだしてここのところは人に会うたびにこの本のことを話していてとにかく人に勧めたいという自分にとっては珍しい本であるということを言った。そう言われたら読みたくなるもので「ほう、ほう」と言いながら聞いているとどうも聞き覚えがあってもっと聞いていたらやはりそうだったと思い至って一年以上前に友人の武田さんと飲んでいたときにやはりこの本のことが話されていてそのときは台湾料理屋でカウンターで並んで座っていて目の前には紹興酒の赤い瓶がたくさんあったが紹興酒は頼まなかった。
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