今日の一冊

辻元力編『生活考察 Vol.06』(タバブックス)

2018年12月20日
仕込みもだいたい済んだので僕はドトール待機を今日もすることにして、ドトールに来た、それで昨日の日記を書き、それから『生活考察』を開いて柴崎友香と滝口悠生の散歩対談を読んでいた、高田馬場のあたりから、二人は歩いた。
日無坂と富士見坂のY字路の写真を見たらなにかぐっと掴まれた感じがあって泣きそうになった、夜で、坂の上がったところから始まるY字路を見下ろす格好で撮られた写真で、真ん中には「Y」の「∨」のところに沿った形の古い屋敷みたいな家があって敷地内なのか建物の後ろ側には高い鬱蒼と茂った木の葉の影が黒くべったりと、『イレイザーヘッド』の髪型みたいな形と濃さでべったりとあってその上が空で、坂の向こう側にはそれぞれビル群があって、坂のわきにはぽつぽつと明かりがあって白くなっていて、それを見ていたら、そしてこれは2018年の7月27日収録ということで、その7月の一日、夏の夜がたしかにあって、たしかに二人(というか編集者含め三人)がたしかにこのときこの道を歩いて、歩いてというかいて、いたということ、そのとき僕もたしかにどこかでなにかをしていたということ、それがなにかブワッとやってきて、感動した。そもそも夏の夜というものに僕は弱い。あの暑かった日々が、そのことをリアリティと遠さとともに思うと、それだけですでに感動している。
それから歩いたあとにタイ料理屋に場所を移してというか腰を落ち着けて話が続けられて、読んでいたら、よくて、読んでいたらそういえば昨日の夜に遊ちゃんと話しながら、ほとんど口論という形の会話をしながら、僕は何度かうっすらと『茄子の輝き』のことを思い出していたということを思い出した、会津若松で車の中で交わされたやり取り。日記の簡潔で豊かな記述。そういうそれらを思い出していたそれを思い出した。なんというかそんなときにまで思い出される小説というのはそれはなんというかすごいことだよなと思う。大切な小説ということだろう。
それから岸本佐知子の日記。笑いをこらえながら読む、姿勢を変えたり顔の角度を変えたり息を止めたり目をそらしたり四苦八苦しながら読む、プスッ、プスッ、と笑いが漏れる。それから、ペラペラとしていたら「はてなダイアリー」という言葉が見え、「はてなダイアリー」という言葉に僕は弱いため、読む、栗原裕一郎。

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