今日の一冊

ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』(木村榮一訳、新潮社)

2018年11月28日
ソビエトの人たちは、自分が無一物になろうとも、とばかり余りに気前よく贈り物をするので、うっかりしたことは言えなかった。価値のあるものだろうが、役に立たないものだろうが、お構いなしに進呈してしまう。ウクライナのある村では、人ごみを掻き分けてこちらにやってきたひとりの老婆が、小さな櫛のかけらをくれた。とにかく人に贈り物をしたくてならないのだ。 ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』(木村榮一訳、新潮社)p.117

こういう様子、なんだか既視感があるよなあ、と思って読んでいた、ドストエフスキーとかだろうか、そういうなにかあげたい老婆、みたいな、熱狂する老婆みたいな、あるよなあ、と思って、どうもしかし僕が思い出したのは『ボヴァリー夫人』の農業の共進会の場面のようで、あの場面で、老婆がなにをしたんだっけか。
そのあと、スターリンとレーニンの遺体のある霊廟に毎日2キロの長さの行列ができているということが書かれ、それを見に行く、そのくだりでこれまでもチラついていた武田百合子の『犬が星見た』をはっきりと響き合って、武田夫妻がロシアに行ったのはガルシア=マルケスたちの10年後の1968年だったっけか、そのくらいだったはずで、そのときも変わらず行列ができていた。
モスクワの新聞社の人に、と、家に帰ってから読んだところにあった、モスクワの新聞社の人に広告について説明するも、広告という概念がどうしても理解できない、しまいには大笑いし始めた、という話が書かれていて、カフカの一場面のようだった、よかった。

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