####トム・ハンクス『変わったタイプ』(小川高義訳、新潮社)
2018年9月14日
昨夜、寝る前、トム・ハンクス。次が「グリーン通りの一カ月」でその次が「アラン・ビーン、ほか四名」で、「アラン・ビーン、ほか四名」は最初に発表した作品だとどこかで目にしたのか、それともそのタイトルに惹かれたのか、どうも読みたくて、だから、「グリーン通りの一カ月」を読んで、それから「アラン・ビーン、ほか四名」を読んで、寝よう、と思って読み始めた「グリーン通りの一カ月」がこれまででいちばん好きだったというか、グッとたくさんきた。
エディはベッドに飛び乗った。「あれが宇宙なのかな、よくわかんないけど、望遠鏡で見せてもらった。月が見えた。それが、何というか、太陽の影が月にかかっていた」
「ママは大学の先生なんかじゃないけど、それを言うなら地球の影だと思うわよ」
「でも変なんだよね。自分の目で空を見ると、月はすぱっと切り出されたみたいだった。望遠鏡で見ると、切られたとこがまだあるんだ。それが赤っぽくて、クレーターとか、全部そうなってた。その望遠鏡を手作りしたんだって」
「どうやって作るのかしら」
「ガラスの玉を磨く。ずっと磨いてると、つるつるに光ってくるんで、そうしたらカーペットを巻く芯みたいな筒の先っぽにつける。そしたら、のぞき穴の部品みたいなのを買ってくる」
トム・ハンクス『変わったタイプ』(小川高義訳、新潮社)p.144,145
この子どものセリフの訳がなんだかすごくよくて、よかった、それからもとてもよくて、感動して、とても感動した。いくつかの情景を、これからも忘れないというかたまに思い出したりしそうな気がする、そういう気になった。
それからお目当てだった「アラン・ビーン、ほか四名」を読み出すと、最初のやつの四人組の話で、それでニヤッとして、それから荒唐無稽な話になって、ニヤッとして、眠たくなったので寝た。
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