####せきしろ『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(双葉社)
山口です。ラジオネームは「ファイヤーダンス失敗」です。2013年秋から2016年秋までの三年間、少しおかしな量のメールをラジオ番組に送っていました。その当時のことを書くと自己陶酔の空気が多めにフェードインしてきて吐きそうになるので書くのが難しいんですが、あれからたくさんの時間が経った今、あの頃の無我夢中さを取り戻したいな〜と思うことが増えました。好きな芸人さんに名前を呼んでほしいというただそれだけが生活の全てで、でもそれって正しい欲求のあり方なのか?とも思います。欲求に正しいも正しくないもないのかもしれないけど、人から好かれたくてメールを送っていたから、友達や恋人ができて満たされてしまいました。あれ、俺は芸人さんが好きなんじゃなくて自分のことが好きでメールを送っていたんだな、と悲しくなりました。それは言い訳する出口が全く無い、あまりにもそれでしかないことでした。ただ、それでもどんな理由だろうと、無我夢中で、無人島で火を起こすような必死さで、あんなにもたくさんの文字を書いて、孤独から自力で匍匐前進で這い出したこと、俺だけは褒めてあげよう。自信過剰にならない程度に。頑張ったな。
この表紙の写真は、今までのハガキ職人全員が見てきた、ラジオを聴き終わったあとの朝焼けです。それはせきしろさんも絶対に見ただろうし、僕も見ました。午前五時の相模大野のアパートで。
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