####内沼晋太郎『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版)
2017年4月29日
僕はいま土曜日のただなかにおりずっと暇だったが席は大方いつのまにか埋まっていって、またどこかの瞬間からほどけるように空いていくのだろう。先週読んだ滝口悠生の『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』はとてもよかった、とてもよかったというか、そこで見た景色であるとか出来事であるとかをこれから先まるで自分に起こった出来事の記憶みたいにうっすらと思い出すことがありそうな、そういうことだった。去年読んだ『死んでいない者』もすごくよくて、それで他の作品もきっとと思って取ってみたわけだけど一年前に一冊読んだそれしか知らない作家でも文章の手触りみたいなものがやはり通じているのか読み始めた途端に『死んでいない者』の感触を思い出したそういう文章だった。そのことを今、パソコンの縁のすぐ上に横たわったその小説を見て思い出した。その上には内沼晋太郎の『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』があった。昨日思い立って少し読んでいたところだった。明るいこの本が僕はとても好きだったことを思い出した。その上に青山ブックセンターのカバーを掛けられた『民のいない神』が置かれている。夜な夜な、少しずつ読んでいる。常に面白い。
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