朝のおわり。まあなにかといえば「
あさふづくえ今月で終わりにしまーす」です。ちょこちょこ来てくださっている方にはすでにだいたい伝えてあるのだけど、まだ伝えられていない方もおられるようなのだけど、そういう感じです。9月はちょうど最後の平日が金曜日なので、30日金曜日で終わりという感じで。
あさふづくえ、わりとことあるごとに僕は人に言っていたけれど、というかフヅクエのことよりもシンプルに誰にでもという感じで推せるところがあり、いかなる屈託もなく「朝はとてもいいよ」と言ってきた。朝はとてもよかった。光が、光が、という感じで朝はとてもよかった。おだやかでいい時間がガチガチに流れていた。とてもよかった。それはたぶん来てくださった方は感じ取ってくださったはずだし、あさふづくは
当初掲げていたように世界の穏やかさの総量を増やすことに、微々たるものだけど貢献してきたはずだ。とてもよかった。
のだけどあまりに採算が取れなくて。利益を出そうとは最初から考えていなくて、トントンになったら最高最高と思っていたのだけど、まあまったくそこに到達しなかった。トントンになった日はたぶん1日2日で、それも「朝どれどれ」という感じで夜来てくださる方が来てくださった感じの、始まった当初のどこかの1日か2日だけで。よくなっている兆しが見えればまた話は少し変わるけれど、どこにも広がる気配もなく。
「まだ半年でしょ?」という向きもあろうけど、僕もどこかの店が半年で閉めたら「半年で??」と思うのだろうけど、外から見た半年と中にいて日々居合わせている半年って長さ全然違うんだなーというのを今回感じた。全然短いという感覚がない。
そしてここはやっぱり「どうしてもやりたかったフヅクエ」と「やってみようかのあさふづくえ」の違いが大きく出るところなんだろうなと自分の気分を見ていて思うところで、「どうしてもやりたかったフヅクエ」には僕はやっぱりしがみついているわけなんだけど、「やってみようかのあさふづくえ」を無理して、ボロボロの財布から僕からすればそれなりに多量といえる量の血を流しながら続けるような理由は見当たらなかった。
理由は一つだけ見当たっていた。それは
朝をまかせているひきちゃんのことで、「いやいやひきちゃんの雇用は守らなきゃダメでしょーそれは責務でしょー」というところで。だからひきちゃんがここを辞めていくであろう来年の3月までだなと、3月までやっておしまいにしようと、思っていた、そんなある日、8月の月末、ふと思い立ったんですよね。
僕は以前も何度か書いているように「フヅクエはできたらだいたい毎日開いているのが世界にとってよいこと」「僕というろくでもない個人の都合とか体調とかに左右されて開いていないとかなんとなくバカらしい」「どこかのタイミングで人を雇って僕が立っていなくてもフヅクエは営業できるという状態にしたい」「僕が何かで斃れたとかのときに続くような格好をできたら作りたい」「斃れるwww」「斃れたくはないwww」とそのように思っていて。
ただ現在はまだまだ特に平日は目を覆いたくなるような暇な日ばかりなので、ちょっとまだ雇えないよな、というふうに思っていて。ここのあたり、やりたいことは「だいたい毎日開けたい」なのにやらない理由は「収支」で、そのやりたいことって強烈にやりたいわけじゃないんだね、あくまで損得勘定のあとの発想なんだね、という感じがするけれど、まあそうなんだろう。というか目先の利益は貴重すぎて、おそろしすぎて、余裕というものがあまりにないよね。という。弱さ。
で、思い立ったんですよね。「はて、これひきちゃんを夜にコンバートして今稼いでもらっている分くらい入ってもらったら、どうなるんだろう」と。
そんで大好きなExcelちゃんにカタカタ相談してみたところこんな答え。「同じくらい採算が取れないね」
同じくらい採算が取れない。無理して続ける理由の見当たらない朝と、だいたい毎日開けるというやってみたかったことをやってみる夜で、同じくらい採算が取れない。であれば、やってみたかったことをやってみて同じくらい採算が取れない方がいい採算の取れなさなんじゃない?という。
とはいえ、それやるとひきちゃんの働き方がずいぶんと変わることになるしそもそも物理的に可能な入り方なのかわからないので僕が決められることではないので、ひきちゃんにうかがいを立ててもし乗り気だったらそっちにして、無理だったり朝の方がいいっていうことだったら朝をこのまま続けて、ということにしようと思った。で今月の頭とかに聞いてみた。すると「可」だった。
というわけであたらしい夜のはじまり。10月から週2日くらい、ひきちゃんがフヅクエに立っているようになる。
なんというか、フヅクエの時間を人に任せるということを考えはじめたときに、どんな人だったらいいのかな〜なんかうまくイメージできないんだよなあとか思っていたのだけど、ひきちゃんだったら全然ありだなーというか初めてフヅクエを人に任せるというこちらにとってもわりといろいろ未知なことをやるときに、一番信頼できてなんといってもその接客の雰囲気とか人となりというかその存在がすごい好きという存在にやってもらえたら、それは一番いい気がする、というところで超OKな感じで。
ひきちゃんには「僕じゃないフヅクエに立つ人間」第一号としてお客さんに「あ、この店はあのヒゲと帽子の男じゃなくても全然この店なんだな。店としての説得力は薄らがないんだな。いやむしろこっちの方が…」というのを知らしめるべくほっこりしっかり働いてもらう所存。
そんなわけで新体制というか微ニューアルなフヅクエを今後ともよろしく願います。微ニューアルって今とっさに出てきて「もしかしてこれ発明かな?」と思ったらググったら13,500件出てきたので残念だった。