読書の日記(7/31-8/6)

2023.08.11
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抜粋

7月31日(月) 

10時半ごろ、もう今日は諦めだな、と思っていたら新たなお客さんがあり、ブラックブッシュのハイボールとミックスナッツを出すと、僕も読書の時間とすることにした。といっても日記。日々の時間の過ごし方がずうっと下手で、ずうっと何か間違えているように感じている。
「本ができて、CDもできて、下北沢店もできて、スタッフもみんな一人で立てるようになって、そうなったら、どうなるだろうか。それは来年の5月くらいだろうか。そうなったら、どうなるだろうか。
今よりも店に張り付いていないといけない時間が短くなって、読書日記を淡々と書き続けて、コンスタントに『読書の日記』の続刊を出して、やることはそれだけ、というような暮らしになったら、もっと気楽に、快適に暮らせるだろうか。」
涙が出そうになり、天井を見上げた。「来年の5月」というのは2020年の5月だ。どうなるだろうか、ああなったんだよ。驚くよね。なにそれ、感染症って、そんなおおごとなの? 知らなかったよねそんなの。想像できないよね。

8月1日(火) 

調布。松や。回鍋肉定食。ご飯は特盛り。並盛りと同じ値段。
寝る前は『星を継ぐもの』の解説の続きと、床にあったプルーストを拾って読む。

8月2日(水) 

今日はもうひとつ任務があってライムミントシロップのメニューの試作だ、だから荷物をまとめると店に行ってもう閉店していて川又さんが片付けをしている。その横で試作。まずはライムミントスカッシュで、これがもう抜群においしかった。ライムとミントの爽やかさが爆発するようだった! 大喜びで飲み、次がライムミントジンジャーエールでシロップをライムミントとジンジャーで半々でつくるやつで、川又さんにも半分あげた。これもめちゃくちゃおいしい。そこからはお酒で、ここからは佐藤くんが用意してくれたレシピには従わないで量や作り方を調整してやっていく。用意されたメニューはモヒート、ジン・ジュレップ、マルガリータで、どれも激烈においしく、川又さんもとってもおいしそう。僕は大感激。過去最高のシロップができたんじゃないか。

8月3日(木) 

改装されてからは初めてで、紀伊国屋書店のビルの横に初めて見る細長い建物があった、こんな細長いスペースはかつてはあったっけか。ずいぶんスタイリッシュな雰囲気のココカラファインが入っていた。
フロア構成は変わっていないのか2階が小説で、フロアの中はずいぶん様変わりしていた。以前は2階に上がったら右に折れるというか、通りに面した側に向かう、そうするとそこが外国文学がぎっしりと詰まった棚になっていたわけだが、そこは今は何か特設的な、明るい雰囲気の場所になっていて、外国文学は、かつては何があったところだろうか、ノンフィクションとかは前も今もここだった、では何が減って、そこに入ったのか、とにかくそこで、すぐに目当てにしていたものはあってエレナ・ポニアトウスカの『乾杯、神さま』だった、幻戯書房。手に取ってからいくらかうろうろし、そういえば、と思って私の本はあるだろうかと探したら見つけられず、検索をしたら場所がわかり、そこにいくと日記が3つあった。紀伊国屋書店本店に自分が書いた本がある、というのは、改めて考えてみると、感慨深いというか、感動する感じがあった。そういえば『読書の日記』の2の3刷が決まったそうで、これもうれしい話だった。

8月4日(金) 

移動するたびにたくさんの汗をかいて、一日でいったいどれくらいの量の汗を出しているのだろうか。それはどのくらいの水や塩を摂ったら補完できるものなのか。駅まで戻る通りは古着とケバブとお香の匂いだった。
初台に戻って時間までエクセルシオール。働く。6時に交代していい感じの金曜日でうれしく思いながら、閉店まで座る間もなく働き続ける。考えてみたら今日は朝から晩までで、これは疲れちゃうなと思う。

8月5日(土) 

清々しい気持ちで寿司をつまみながらエレナ・ポニアトウスカを読み、生活、と思う。ひどい生活だ。生活をしたい。布団に入って続きを読むもすぐに眠気に追いつかれ、1時くらいにはおそらく眠った。

8月6日(日) 

大河内さんにはひたすら洗い物をやってもらう感じに。いくらやってもなくならない洗い物、という感じで大変だった。大河内さんは昨日の夜の東海道線の故障に鉢合わせてしまって電車の中で3時間、タクシー待ちで3時間という過酷な時間を過ごしたらしく、今日は暇そうであれば早く上がってもらおうと思っていたがとても早く上がってもらえそうにはなかった。出席した結婚式の帰りで一緒に行った人たちが一緒だったのは救いだった、これがひとりだったらと思うとゾッとする。僕だったらどうしているのだろうか、読書だ読書だ、と思って本を開くのか。最近は行き来は自分の日記を読んでいるから本が入っていないことも多く、そういうときだったらつらいし深く後悔しそう。その場でKindleとかで何かを買うのだろうか。漫画を読みそうな気もする。
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