奥山淳志『庭とエスキース』(みすず書房)

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7月28日(火)
僕がケーキを食べ終わると、橋本さんから指令されていた、お店にお渡しするポップをつくる、ということをやった。小さい色紙を渡されて、そこに書店名、なにか一言、名前、みたいなもので、たしかに、そういうのあるよなあ、とは思うが、普段まともに読むこともなかったので、どんなふうなことを書いたらいいのか、全然わからない、丸善ジュンク堂の渋谷店、僕の大好きな書店だ、そこのポップは、考えすぎて、「MARUZEN→FUGLENが、好きなコースです、という本です」というよくわからない言葉になってしまった、言っていた時間になって、橋本さんはもう現地ということで、それでMODIに向かった、ここからMODIはこんなに近いのか、と思いながら、人が多いとも少ないともわからない渋谷の交差点を渡った、HMV&BOOKS SHIBUYAだった、一人用のエスカレーターを6階まで上がって、橋本さんが見当たらなかった、5階ということだった、下がって、橋本さんの姿があった。最初3人で『百年と一日』のフェアのところを見ていて、『百年と一日』すごいですね、という話をしながら見ていた、そこに『庭とエスキース』があった、ずっと、気になりながら、手が伸び切らなかった、そこに『百年と一日』というこれはすごい小説だという小説を読んでいるタイミングでそのフェアの一冊として置かれているのを見て違う光が明確に当てられた感じ、あ、今だ、と思って買うことにして、それだけ決めると『本の読める場所を求めて』や、あれは何コーナーになるんだろう、あれはもう、阿久津隆コーナーなんじゃないか、というような、『本の読める場所を求めて』や『読書の日記』が山になった島、孤島みたいなところがあって、そこに至った、『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』や『公園へ行かないか? 火曜日に』や『My Little New York Times』やつげ義春の日記っぽいものとかもあった、『アルジャーノンに花束を』があってなんでだろう、と思ったらこれも日記形式ということだった、しばらくすると棚の担当の鈴木さんが来られてご挨拶をした、名刺交換をして、あ、名刺交換というものをするんだな、と思いながら、財布に入れているはずの名刺を見たら、5枚くらいあって、足りるだろうか、と思った。それでしばらく、お話をして、思い出して書くことについて話した。昨日は柴崎友香さんが来られたとのことで、なんでそうなったのか、柴崎さんが『本の読める場所を求めて』を持って正面を向いて立っている写真を見せてもらった、この写真はいったいなんなんだろう、という面白さがあった。柴崎さんが『埋もれる日々』を読んでいるということを知った橋本さんが言葉を失って、目をパチクリさせて、あからさまに動揺していた。
フェアをどうぞよろしくおねがいしますと言って、『庭とエスキース』を買うと辞した、出ると、タワレコのビルの横に新しくなったという宮下公園があった、ミヤシタパークというらしい、宮下公園の名前を残してもよかったんじゃないか、と思いながら、坂を上がり、坂をくだり、ダイソーがあってすしざんまいがあった、東急百貨店に久しぶりに入った。丸善ジュンク堂、それからナディッフモダン。話のついでというのか図々しさで『music for fuzkue』の話をする、ナディッフに置いてもらえないかと思っていた、本部の担当の方を教えていただく、ぽつぽつと雨が降り出し、傘をさすほどではなかった、渋谷を進んで地下に入って電車に乗った、書き方について話した、横書き、縦書き、エディタ、車内は騒然としていた、窓が開いていたから。
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