南後由和『ひとり空間の都市論』(筑摩書房)

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5月19日(火)
ポトフがおいしく煮えたのでバクバク食べて3日と思っていたが明日にはなくなるだろう。寝るまでは『ひとり空間の都市論』を読んでいた。隣室の男性が今日は酔っ払っているらしくへべれけの調子で大声で延々と歌っていた。
「ひとり空間」とは、一定の時間、ひとりの状態が確保された空間を指す。ここに都市の「ひとり空間」という限定を付け加えるならば、それは、一定の時間、ひとりの状態が匿名性のもとで確保された空間を指すことになる。
「ひとり空間」は、「状態としてのひとり」の身体を通して経験される。それは、あらかじめ存在しているものではなく、「状態としてのひとり」になることを通して出現するものだ。言い換えるなら、「状態としてのひとり」は、つねに空間をともなっている。「ひとり空間」とは、人のみを指しているのでもなければ、空間のみを指しているのでもない。それは、人と空間の関係を内包している。 南後由和『ひとり空間の都市論』(筑摩書房)p.47
12時半ごろ、隣の部屋のチャイムが鳴るのが聞こえた、ガールフレンドだろう、彼はあんなに酔っ払っていて今ごろ眠りこけているのではないかと思い、こんな時間にやってきて帰ることになったら気の毒だからもう一度鳴ったらオートロックの扉を開けに行ってあげよう、と思って、どうやったらぎょっとさせるのを最小限にしてそれをできるだろうか、と考えていたが彼はちゃんと起きたかそもそも起きていたらしく扉が閉まる音が聞こえた。
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