年末なんて再来年くらいまで来ないんじゃないかという気がしていたのだけど、11月に入りましたと言われると途端に年末の近づきを感じる。今年ももう終わり。寒い。外でて煙草吸う時に半袖だとしんどくなってきた。
『ストーナー』はそんな季節に読みたくなる一冊というか、なんというか、人に薦めたくなる小説なのか、「おすすめは?」とか聞かれたときにわりと何度も「これとかすごく」と言っていた。お客さんに対してもそうだし取材のときとかもそうで、OZマガジンのときも店主おすすめの一冊みたいなので誌面で紹介されていた記憶があるし、今度載っけていただく予定のやつでも原稿を読んだら「おすすめはストーナー」みたいな文言が書かれていた。そういうわけで『ストーナー』は「いいよ、いいよ」と触れ回っている一冊というか。なのでいよいよというか。
ただ、この小説は帯にある通り日本翻訳大賞の読者賞受賞みたいな感じでたくさん読まれているみたいだし、重刷も何度も掛かっているみたいだし、僕が店でわざわざ売ることもないとも思ったのだけど、「いいよ、いいよ」と触れ回っている本なんだから扱ってもいいというか、避けては通れない…!みたいな感じというか。
避けては通れない中で11月から売り始めたのは、この小説はさっきも書いたようになんか寒い季節に読みたいような気がしたからで、一人の男の一生を綴ったお話だから季節の限定とかないはずなんだけどそんな気がして。再読したら「ほんとこれは寒い季節に読みたくなるはずですわ」と腑に落ちた。なので今月から。
もともとこの小説のことを知ったのは
この記事に書いているように人のツイートを見てだったのだけど、「これは私のための物語になりうるやつだ」という言葉を見、「そんなん読みたくなるに決まってんじゃん!」みたいに思って読みたくなったので読んだのだけど、読み始めてすぐに「あ、これは私のための物語になりうるやつだ」となり、読み終わった感想は「あ、はい、これは私のための物語です」という感じだった。読者賞というやつもそういう人がいっぱいいたということの証左なのだろう。もうね、なんていうかね、最高なんですよ本当に。
僕が紹介しても最高くらいしか言えないので、ちょうどいいのがあったのでリンクを貼っておきます。
ちらっと読んだら「そりゃあ読んでみたくなるわ」となるんじゃないかと思う。あとこれはネタバレというかあらすじというか出来事がわかっちゃうかもしれないのでという警告はしておくのだけど(togetterもよく読んでないけどきっとネタバレ感想たくさんあるだろうけど)、僕はこの感想がいちばん「わー」って来たというか、「いやーほんと」と思ったというか。
まあ一番とかいったけど人の感想探して読みに行ったりとかしてないのでほとんど目にしていないというのはあるのだけど、それにしても。「あーまったくもって」というか。これだけでもう一回泣きそうになる。
もうなんかほんと、「あーこのなかにじんせいぜんぶあるー」みたいな、「じんせーひきこもごもー」みたいな、なんかそういう感じになりますよねというか。
そういうわけで『ストーナー』を売り始めたという話でした。今回もご購入の方と「持ってるよ!」の方に僕の読書感想文というか何かそういった感じの文章のやつをお渡しします。