チョコレート菓子を焼いている。
1回目はガトーショコラもどきの薄っぺらいものができて、パウンド型を買ってきて作った2回目は、そこにスコッチとピスタチオを入れてみた。
3回目の今日は「脱ガトーショコラ」をコンセプトに、ブラウニーのレシピを探して焼いた。ベーキングパウダーがないので卵をよく泡立てるので勘弁してもらえませんか?という態度でやった。また、くるみの他、ミックスナッツオールスターズの面々にも出動要請をかけ、ピスタチオ等のナッツにも参加してもらった。僕はどうも、ピスタチオさえ入っていれば何かちょっとよいものになる、と思い込んでいるフシがある。
で、さっき焼き上がった。テラテラしている。明日食べるのがやたら楽しみ。しかしブラウニーってなんなんだろう。きっとパウンド型で焼くもんじゃないんだろうな。これじゃチョコレートパウンドケーキにしか見えない。スクエア型を買うべきか。
ところで別段、甘いもののバリエーションを増やしたい、増やさないとならない、という強い気持ちはない。ただ、いくつかの「チョコ系のケーキが食べたい」というご要望がそういえばあったよなと思い出して、それで最近、チョコレート菓子を試作している。
それに伴い、土曜、日曜と立て続けに行ったお菓子屋さんでもブラウニー的なものを購入し、そして夜中それを食い、目を見張って「うまっ!」とか言っている。美味しいチョコレート菓子を作るためには美味しいチョコレート菓子を知らなければいけない、そのために食べている、そう、そのためにやむなく食べている、というわけだった。
本当だろうか!と今日焼きながら初めて思ったわけなんですよね。
俺がチョコレート食うための口実でしかないんじゃないのこれ、全体的に、っていう。
友達から来たメールでも「元気?どうもチョコレートホリックみたいだけど」みたいな指摘があって、それは正しい指摘で、チョコレートを食べ続けないと動かない体になってしまっている。ずーーーーっとチョコを食ってたい。何度も何度も冷凍庫を開け閉めしている音が、客席にも聞こえているだろうか。チョコレートがまとうビニール包装をもどかしげに脱がせようとする音が、聞こえているだろうか。ずーーーっとずーーーーーーーーーっとチョコ食ってたい。
そういうわけだから、チョコレート菓子を焼くことは「試食」と称したチョコレート消費を後ろめたさなしにおこなうためのカモフラージュでしかないのではないか。
お菓子屋さんでチョコレート菓子を買うのも「作るために美味しいものを知る」とかそんなのは後づけで、ただ食いたいだけなんじゃないか。
「チョコ系のご要望があったな」とか思い出したのも、「どうしたらチョコレートを食べられるか」を考えた末に引っ張り出してきただけなんじゃないのか。
今日、それを初めて思ったわけなんですよね。
そういうわけで明日、ブラウニーらしきものを食べるのがすごい楽しみです、という話でした。