月1冊、リクエストされた本を渡しておしゃべりをする「今月の福利厚生本」。今回は初台・下北沢の山口くん。今月は文芸誌のご所望。なんで読みたくなったのか、うかがいました。(聞き手:阿久津隆 )
・・・
柴崎さんの選評が
うん
めちゃめちゃ厳しくて
へ〜え
なんか読んでて、すーごーと思ったというか、こんな、技術で書いてるんだなーって思って
へ〜え
柴崎さんと町田康と、古川日出男と、あと誰だっけ
はいはい
なんか、柴崎さんだけ、柴崎さんが先頭だったんですけどその選評の
ふんふん
きびし〜と思って、読んで、
ふ〜〜〜ん、どういうことが書かれるの
なんかだいたいみんなおんなじようなこと言ってるんですけど、柴崎さんだけやたらすごいこう、テクニカルに、技術的にこういう問題があるみたいな、逐一全部説明してて
へ〜、親切だね
なんか、まずそもそも、応募作全体に対して言えること、みたいなとこで書いてたのが、
うん
誰も他人のことを考えてないみたいな、ことを書いてて、た、他者がこう、表面的には誰かと喧嘩してたりとか、こう、葛藤があったりとかっていうことを書いてる人はいるけど、その、本当の意味で自分以外の人が、他者が存在する、ていう作品がそもそもなくて、なんか、残念でしたみたいな、すごいこと書いてるなって思ったんですけど、もっと予期せぬ、他人のことってなんか、わかんないんだよってことから始まって、なんか、
うん
最終候補作が4作あって、当選と、優秀作と、なんだっけな、もう一個優秀作か、でもう一個だけなんでもない、やつがあったんですけど、そのなんでもないやつが、なんか、子どもが産めない体の女性、と、なんか、
うん
なんか男の人がセックスするシーンがどっかにあるらしくて、まあ掲載されないんで読めないんでわからないんですけど、
うん
なんかそれ特にボロクソ言ってて、なんか、でも多分小説上では、女の人はセックスをしたいって思ってて、男の人は、それをやることによって女の人が、満足したみたいな話らいしんですけど、なんか、作者が、むいし作者の無意識の部分、でなんか、なんて書いてたかな、でこう、人を、操作している、みたいなこう、ことを自分が思い通りに動かしてそして話の内容がこういうことだったんで本当に辟易しましたみたいなこと書いてて、うわ、そう、ほえーと思ったんですけど
へ〜
あとなに書いてたっけな、なんかかわいい子犬を拾ってきて、暮らしてたらその犬が結構、最初は人に怯えてて、どう、もうな性格みたいな、かわい、まあ、ていう子犬が、どんどん成長していくごとにけっこうお金が掛かったりとか、犬のお世話とか現実的にこう、主人公の生活を逼迫してくるみたいな、小説が、なんか優秀作にあって、それに落ちがこう、逃がすらしいんですけど
へえ
で、その、それに対してどの、誰の選評も最後の、落とし方が、あんまりよくなかったですみたいなことを、書いてたんですけど柴崎さんだけなんでよくないのかを、めっちゃ書いてて
ほ〜ん
なんかその、なんだっけな犬を野生の状態に戻す野生にその、返すっていうことを、一個の終着点に落とし込む、ってことを多分、とにかく意図が見えるのがあんまり好きじゃないみたいで、その、話をまとめようとした、先、ていうのがすごい見えてきたし、なんか、多分本当にその、人と犬の生活が、作者の手から離れた次元にあるんだったら、なんか、それまではすごいよかったのに最後だけ作者が急にぽんって出てきたっていう感じがして、
あー
なんか、そうじゃなくて他人の存在を考えることっていうのは多分冒頭で言ったんだけどそうだと思うんですけど、それと、そういうふうに、した、結末だったら、これがいち一等賞でしたみたいな
へ〜
勝手に今まで、柴崎さんの本読んでて、なんか、なんだろ、いやでも技術で読まされてたんだなあって思いましたね、すごいこう、淡々と、してるように見えて、
でもその技術ってさ、技術っていうか、なんていうかなんていうか、わかんない俺それ、今聞いてて思うのは、技術、俺は読んでないからあれだけど、技術の話ていうよりは、なんか、禁欲、する話というか、
うんうん
その、作者が自分の都合で小説動かしてるんじゃないよみたいな話な気がして、その、なんか、さ、書いててそのなんての、ま小説、とは、物語とは、こうあるものだみたいなさ、規範みたいなさ、そういうものから、完全に自由になって書くことってなかなかできなかったりするじゃないですかいつ、いつでも、自分の中の小説観みたいなものが
そうですね
手ぐすねを引いてさ、自分の書き方を引っ張ってくるみたいなさ、なんかそこに抗えよみたいな
ははは
なんか、ことなのかなと
うん
ことなのかな、わかんないけど、小説らしさみたいな、ものに、なんていうか、身を委ねるていうか、
柴崎さんのってたしかに、ずっとなんか、うっすらずっと不気味じゃないですか
いやすごい怖いと思う、
怖いですよね、それ多分なんか、ハンドル握ってないからなんだろうな
あ〜、ね、あーそっか禁欲であると同時になんか、ハンドルを握らない勇気を持てよみたいな、叱咤みたいな、ことを、
めちゃくちゃ難しいけどなあ、でも、すごいよなあ
いやー、
書こうとしちゃうもんな、なんか
うーん、でもなんかでりけー、と、深く感銘を受けたのは、それは限りなくよわ、く感じたからなんじゃないかなって気は、ずっとしてるけどね
あー
そういえば新島さん、に、こないだ相談に行って、
はいはい
まあ自分の気持ち的には、もう作ろうかな、ってその、書店さんに置いてもらうのは、大変だろうけどまあ、どうにかがんばるか一人でっていう気持ちで今はいますけど
うんうん
それで、読み直してるんですけどなんか恥ずかしいですねやっぱり、デリケート
うんうん
しかも書いてるときの感覚で言ったら、一回も推敲してないもんなあ
そそあれの、美徳、というか、は、なんか山口くんが書いてるというよりは書かされているふうに、
うんうん
見えるところ、なのかなーっていうふうには、
逆にプロットとかをめちゃくちゃ作り込んだら、そうなるのかな、話を考えながら書いてると、こう、よくないんだろうなよくないっていうか、
うん
普段ツイッター読んでたりブログ読んでたりするのじゃ見えてこない柴崎さんのなんか、それもそれでガチな一面が見えて、すごい
いやーかっこいいよね
やっぱりすげえんだなあって思いました
いやーもっとね、いい加減、に、流すことはいくらでもできる、ことを、かっこいいよね、
うん
そうっすよね、うーん、しょうせつを、書く
でも結局みんないろんな人をつくったりいろんなものプロットを、つくったりしてるけど結局、結局それ、あなたがつくったんでしょってことを柴崎さんはすごい突いてて、そうそれがなんか、これは、小説書いてる人、みんな読んだらいいなって思いながら
うんうんうん、そんな、山口くんに、オーバーヒートですよ
へへへへへへありがとうございます
ほーい、これはもう、オーバーヒート、目当ての
そうですね、マジックミラーも読んでなくて
はいはい
ていうか最近ほんと全然相変わらず読めてなくて、そもそも本を
はいはい
まあでもなんか、ちょっと前までは、やばいやばいって思ってたんですけど、今は、もうなんかなんともないというか
うん
ていう、状態になって、でも、千葉さんの新作は、気になるなあっていう、
いやー今の話と、すごい通じる気がするっすよ、僕は
読みましたか?
いやまだ途中ですけど、めっっちゃおもしろい
あーそうなんだ
すーごい、もーほんと、めっちゃおもしろいなあと思いながら、すごい、もう、すごい、
マジックミラーって、あれですよね
ことばと
ことばとに載ってたんですよね、阿久津さん読んでますか
うん読んだ、いやー、オーバーヒート、
240枚
うん、
あ、全然ってもう21回なんだ
全然、ね俺1月号なくしちゃって、続きを読めない状態になっちゃってて、どうやったら新潮なくせるんだっていう
あははは
どうしても、どうしても見つからない、もうこれいい加減買ったほうがいい買い直したほうがいいな、やだなーアマゾンですげー高くなってたりしたら
なってそう
なってんのかなーー、2800円かーーー! やだなーーー!
あそうなんだー
なんだよこれ、あ、でもなんか300円のやつもある、あれ、どういうこと、もともと2800円だったの? そんなことはないよね
あ、1月号だからですか、なんか最初は、分厚く
いやでもさすがに2800はないと思うんだよね、まいいや300円のやつ買お
へへへ
いやさすがに買わないと全然を続けられないから、あ、229ポイントあるからこれ全部使おう
あはは!
はははは! へへへ、はい、確定〜
この写真って三宅唱さんって言ってませんでした?
あこんげ今月そうらしいね
へ〜、すごいコラボだ
多分この、号全体の写真ていうか、全体ていうか
あそうなんだ
わかんないなんかちょいちょい写真、
入ってますね
入ってる、多分、そうなんだと思うよ、しかしどーしてどうやったら新潮なくせたんだろうなあ
ははは
よかったやっと買えた
そうだピンチョンの新しいやつが、出るんだ、それも楽しみだなあ、ブリーディングエッジ
えそれのなに何が載ってるの
えっとー、上田たけひろ、さん? が、それを読んだ、
あ、へー
読んでなんか書いてます
あなんか抄訳とかじゃなくて、感想とか書評的な、あ、へー
載ってます
やー、ほんとオーバーヒートっすよ、オーバーヒートですよかわからないけど、やー、オーバーヒートしてるよ
タイトルかっこいいな、デッドライン、めちゃくちゃおもしろかったな
ねえ
デッドラインもあれでしたね、福利厚生で、買ってもらったやつ
そうだよね、そうだったね、そうそう俺はなんか、多和田葉子の、文法に、思考を譲り渡すなみたいな言葉が、なんかすごい、
へー
あの人その、ドイツ語と、日本語とのあいだで、なんかいろいろ、なんかその、日本語の文法ではできない、できないていうか制限される思考みたいなものも、ドイツ語の中では、考えられるみたいな、こととかもあると思うんだけどまあ言語によってそういうのあると思うんだけど、なんか俺はそれを今の柴崎さんの話でも小説に思考を譲り渡すなというかなんというか、小説観みたいなものに思考を譲り、渡すなよ、みたいな叱咤なんじゃないかなみたいな、こうな、こうなってたら小説としてダメでしょみたいなことに、引っ張られるなよみたいな、ことなのかなーと、思って、聞いていたんだけど、
うん
千葉雅也はほんとにデッドラインもそうだけどほんとに、今一番そこを突き破ってる人な気がする、今一番とか言っていろいろ読んでるわけじゃないから知らないんだけど
デッドラインなんであんなにおもろかったんだろうな、ってたまに、たまに思いますねすごいわけわからない面白さだったなって
なんかやっぱのびのびとしてるんじゃないかななんか、なんか野蛮だなていうか野蛮、野蛮だなって感じがなんか、なんか行儀がよくないていうか、行儀、小説、書くのに行儀よくなんてなってんなよみたいな
ふふふ
なんかデリケートがそう、だと思ったんだよね
あー
なんか行儀が悪いと思ったんだよねすごく
たしかにあの状態には、なかなか戻れないなって思って
そうだよねあそこに、意図して戻ろうとするのも嘘だと思うんだけど
そうなんですよね
そうそうだから、なんていうんだろうな
なんか今ゲームにずっとハマってるのもあれこれ逆にいいかもなって思ってるんですよ、なんかこう、ずっと、書くこととかかわ、り、考え続けてても、一回離れて、強制的にリセットさせるみたいな
いやー大事すごい大事なんか大事なんじゃないかなーって気がするなー
でも難しくないですか上達、なんかやってこれを、上手になりたい極めたいって思った時に、それに対して深く考察したりとか、関わる時間を多く増やすみたいなことってなんか、やるじゃないですか、何にしても
うん、ごめん俺今Notionのこと考えてた
あははは!
あれこれNotionの話かなみたいな
いやNotionを、Notionをめっちゃすごいページをつくりたいなって思ったら、Notionずっと触っちゃうじゃないですか、でなんか、そこを、そこでなんか、でも阿久津さん最初、なにも知らずにNotion触ってたときのほうが、のびのびでしたよって言われたら、なんか困りませんか?
うーん、
のびのびでしたよってか、最初に、こう、Notionの触り方知らずに、触ってたNotionのほうが
うんうん
なんか、みんなにとって
へへへ!
使いやすいものでしたよみたいな言われたら
うーん、そうだねみんなにとって使いやすいーーーていうーーーのはーなんかあれだよなー
Notionややこしいな
そうだね、ちょっとね、
なんか僕、短歌、の、眠らない樹の
うん
なんか短歌やる人はこんな書き方しないって言ってもらえてたのがすごい嬉しかったんですけど、ただやっぱりなんか、えじゃもっと上手になりたいってなったらなんか、なんていうんだろうなまあ、他の人のやつたくさん読んだりとか、
うん
こういうほうほう、論とかを吸収しようとしたり、するじゃないですか
うん
なんか、なんか、それが難しいなって思って
やそうだろうね、
なんか、
それは難しいよねえ
なんか友だちにジャズにすごい詳しい友だちがいて、あの、人たちってめちゃくちゃ練習、するんですねなんか普通のロックミュージシャンとかよりも
ほうほう
でめちゃくちゃ練習して、ステージの上立ったら全部それを忘れるっていうことを心がけるらしいんですよなんか、それ、それなんかなって思ってるんですけど
や、俺もその可能性は俺もあると思うよだからなんか禁欲ってのはそういうことなのかなとか
なるほどなるほど学ぶのは学ぶとして、
うん、うんうん
なんか、やるときには、まさに文体に、思考を譲り渡すなみたいなことなのかな
うんうん、なのかなー、なんか、そうそうなんか、本当に素直になるみたいな
うんうん
なんか、うーん、
本当に素直になるなるほど、いい言葉だなあ
へへへ、でもそれはさすごい難しいことですよね知れば知るほど、知っちゃえば知っちゃうほど、多分、きっと難しいんだろうなと思うけどきっとなんか、そこに飛び込むみたいな、ことがきっと大事なんじゃないかなーって思いますよねー、
いやー本当に素直になるってめっちゃむずいな嘘の世界の中で
うーん、そうだねえ、だからなんか、
なんか一回きょぼすぷ、書いて阿久津さんに見てもらって、一回、これなんかプロットができたんじゃないのって言われて、もっかい頭から書いたことあったじゃないですか
うん
あれめちゃくちゃ、すごい、なんか、たぶんああいうことだったんだよなーほんとに、なんか、阿久津さんに見せた段階のやつ書くのに3,4ヶ月かもっと掛かってて、でもその、もっかいゼロから書いたときってほんとに多分一週間も掛からないくらいで、
ああ、へえ〜
頭からケツまで行ったんですよ
へ〜
なんかそれが多分、あんまり考えてなかったもんな構造のこととか
うんうん
うわー、これ話せて、よかった
あはははは、やー、いやでもなんかこう、こうなんか、すぐに楽になろうとしちゃいけないよね、
うんうんうん
いやすぐに楽になるってわかんないけどなんか、俺は今毎日Notionのこととかさ
あはははは
えへへへ考えてるわけなんですけどあの、もう、ほんとに、今日の帰り道とかも多分そうなるけど、データベースのこう、つながりみたいなものをさ、こうかなこうかなとか考えながらもうずーっと頭の中で持ち歩きながらさ、考えながらさ、あーこうかもな、あでもこう行くとこの道が塞がるみたいなことをさ
あはははは
ちょっと詰将棋みたいな感じするんだけどさ
そうですよね
いやでもこうかもって思って、こう、すげーこう、なんかぶしブルシットジョブみたいなことを、するわけなんだよねなんかほんと、チマチマチマチマみたいな
うん
なんか、まあ、それこそひとつのプロパティにずーっと店舗を振ってくみたいな、その、こう手を動かしている途中でさ、なんかずーっと頭の中は動いててさそれは多分、与えられたものじゃなくて、自分が、何かを目指して、やってるからってのが強いと思うけど、なんかそのブルシットジョブ、の、なんかこうすごい単純作業の中で思考がずっと駆動してて、なんかやってる、触って、手を、ポチポチポチポチ、なんか、やってるだけでも、あ! みたいな瞬間がこう、
うんうん
訪れるんだけどやっぱりそれにどこまで付き合うかみたいな
あー、なんか、あっていうのはなんかいいアイデアがみたいなことですか?
あそうそうなんか、いいアイデアっていうかなんか、新たな仮説っていうか、こっちかもっていう、新しい、試してみる、道みたいなのが見えて、で試してやっぱりダメだったりもするんだけど、ははは、ちょっとだからなんかね、小説も頭からお尻まで、書いて、おしまいなんていう、覚悟じゃあはははいけないというか、やっぱ手え動かさなきゃいけないんでしょうね
そうですねえ
まあでも手、そこにねレビューというか、きょぼすぷで言えば俺の、無責任な一言がぴょろっと挟まるとかでなんか、もあるから、
もうほんと、自動筆記モードみたいな状態、を多分作れ、作るまでがほんとにきついんだよな
なんかね、きょぼすぷもそうだったしデリケートもそうだったと思うんだけど山口くん、今の山口くんにっとてはその状態がけっこう、最上のアウトプットにつながりやすい状態
そう、ですね
だと思うから、そのきつさを引き受けるのか、どうかっていうなんか、
うわー、いい話、できて、よかったなあ
これどこまで文字に起こすんだろうって今思いながら
ふふふどこから録ってたんですか
えっとね柴崎さんの話を始めたところ
あ、え、なっが、あそうなんだ
長いよね、34分
34分やば
いや疲れちゃうな
デッドラインから2年
ん?
デッドラインから2年経つ
2年経つの!? ええ!? はやっ、
はや、
え〜、やー、しかし、
どういうふうに書いてんだろう
ね、やー難しいね、なんか俺ちょうど最近武田さんも今、私小説を書いてて
あーはいはいなんか、ツイッターで見ました
なんか、夜中に、なんか、LINEが来てそれでわーっと話したんだけど、なんか同じ話な気がしてなんか、なんか小説らしさ、なんか、自由に書きたいんだけれどもみたいななんか、なんかわかんないんだけど全然正解じゃないかもなんだけどなんか、自分にとって嘘のない、文章だけを、書けたらいいんじゃないかみたいな気がして
うん
でその嘘じゃないっていうのはたとえば自分にとってほんとに素直な書き方が、とても小説的な書き方に近づくんだったら、それが正しいし、だからなんか小説、いわゆる小説らしいっていうの自体が忌避するべきものじゃなくて、それはなんか、余計なものに要請されているかどうかのジャッジを自分ですることがなんか大事のような気がしてて
うんうん
別になんか小説らしさを、壊せばいいとは思わないというか
うんうん
そうだからなんか、誰もが保坂和志みたいな形で、書くのが自然だとはまったく思わないっていうか、けどもはや小説ってこういうもんだよなみたいな、みたいなものはなんかゼロにしたい感じはするよね、
うん
あそうか遠慮だよねなんか、それはなんか千葉雅也と保坂さんのトークイベント、なんか2年前くらいに、見に行ったときに、保坂さんが開口一番で小説に対して、千葉雅也の小説ってのは遠慮がないみたいな言い方してて、なんかそれが、なによりだよなー、って気がしてて、千葉雅也も、保坂さんも、滝口さんもそうじゃないかなって思うんだけどなんか遠慮、をちゃんと、丁寧に捨ててるというか、デッドラインのそれは言われたのは、小説の冒頭でなんかお冷って言葉を千葉雅也が使ってくる、みたいな
ほうほう
なんか、小説への遠慮があると多分、水とかになると思うんだけど
そうですね
それがお冷っていうなんか、ものすごく千葉雅也の、身体感覚というか、千葉雅也の言葉の使い方がそのまま出てる言葉みたいなのがそのまま遠慮なく使われてるみたいなのをたぶん多分というか保坂さんは言ってて、なんかそういう、ことな気がするね
いやー、そうだよなあ、自分もなんか僕、自分もそうだったように、デリケートが何も、知らずに、小説のルールとかわかんねーしとか思いながら書いてたから、それで言うと別に、小説的な、型とか書き方みたいなものって、多分、それって、フヅクエラジオのエッセイ書いてるときもそうなんですけど、全然本来、こう、自分の考え方と合っていないはずなんですね、そこに迎合しようとして、なんかいかにここと、うまく混ざれるんだろうってことを考えてたんですけど
うんうん
たぶん混ざらなくてよくて
いや混ざらなくていいよね、いやそれは思うそうっすよきょぼすぷで俺が多分指摘した、なんか多分思弁的な、部分とかが、無理してるんじゃないってことだったと思うんだけど、それとか混ざろうとしてる、努力、っていうふうに見えたんだろうななんか、その努力はきっと要らないみたいな、まあそれはわかんないそれは、完全に一緒かわかんないけど、それはちょっとそれこそテクニカルな、指摘だった、気もするけど、この方向で努力してもけっこうきついんじゃないみたいな話だった気も、するけど、難しいよねいやだい大事いや大事それが、商業的に大事なのかはまったくわかんないけどねー
うん
まあでも保坂さんが読書の日記とか読んで、いいじゃんいいじゃんとか言ってくれたのはそういうことというか、こういう書き方ってできないんですよみたいな、怖くてみたいな、ことをなんか、できる、といいよねなんか、
またなんか、そこに、迎合しなくていいんだと思ったら、ずっと距離を意識しようとするのもよくないですよねずっとひっつ、ひっつこうとするのもよくないし、離れようとしてるのもよくないし
うんうんなんかそんな気がするなあそうだね
だからもうほんとに距離のことを考えない、その小説らしさみたいなものと自分の距離を考えることなく本当に素直な状態を多分つく、らないといけねえんだよなあ
そうだよねえ、そうだねえ、そうだねえなんか、ねえ、
考え、その考えないことってめちゃくちゃ難しいもんな、考えちゃうもんなどうしても
そうだねえ、どれだけおもむくままに、できるか、
なんかずっと、野球やってて、小学校野球やってて、中学校、あの、ソフトテニスやってて、で楽器やって、
うんうん
で今、ゲームやってるんですけど、どれも、なんてんだろ、なんか楽器もそうだったんですけどなんか、けっこう答えがあるじゃないですかそのこういう状態のときはこうすればいいみたいな、そのスポーツとかもそうだしゲームとかも特にそうなんですけど、こういうふうなミス、こういうふうな状態のときに負ける、ということはこういう対策を用意しておくみたいな、なんか、それってどんどん、矯正、していくものじゃないですか自分を、ていう、なんか、なんか矯正していくってことがイコールなんか上達とか、いいものができクオリティが高いものができるっていう思考になってるから、たぶん小説たぶん小説逆なんですよね逆というか、なんか、だって、ボール打つときって体重をこっちいってこっちいって移動しながらこういう手の動きでみたいななんかそういう、美しい形にずっと嵌めようとしてたのに、なんか急にいや違う、お前の、お前の打ち方で打てって多分、言われ、てるから、いや俺の打ち方ってなに、ってなってるんですよね
そうだよね、いやなんか、スポーツはなんか、競技になると正解とかあるのかもしれないけど楽器とかどうなのかねなんか、お前は次は本当はなんの音を鳴らしたいんだみたいな
はははははそうそうそう、そうなんですよね
そこに、わかんないけどデレク・ベイリー、また保坂さんだけど、俺も、俺もというか、保坂さんよく名前出すけどデレク・ベイリーって好きで、ま即興の人だけど、なんかデレク・ベイリーってなんか次どの音鳴らすのが自分にとっていいんだろうなーっていうのが検討されてる感じがするけど逐一
ピアノですかその人
ギターだね
へー、あ、たしかになんか、保坂さんのなにかでけっこう読んだことある気がする
そこが気持ちいい、ちゃんと迷われてる感じというか、いや難しいねそれ、最初のほうにしゃべってた、お前の意志、みたいなものじゃないんだよっていうなんか、だからそれは小説の声を聞くってことなのかな、難しいねちゃんと登場人物が話してる声を聞くみたいなのも一方であるじゃないですか、
うんそうですね、まあでもそれも最終的に判断するのは自分だから、だから、お前の鳴らしたい音はなんなんってことなんだろうな、でもそれって多分いろ、いろいろ鳴らしてみないとわかんないですよね
そうそうそうそれもそうすごいそう思う多分、そんな気はする、だからなんか勉強みたいなことの意味は、勉強ていうか、えっとね、あるよね、いやー、いやーそだよねーほんとに、なんか今日下北で、俺なんか、水まきをしてたんだけど、途中
あへー
今後週1くらいでやるんだけどさ
うん
途中でこう、なんか、教わった、水やりってのは、木の根の近くとかに、ホースを置いてこう、5分とかやるっていう
あへー
そうしないと、地面の下まで行かないからみたいな、こうしゃーってやるのは水まきでしかなくて、それはなんか表面にしかいかないから水やりをしてくださいって言われてるんだけど、で水やりひと通りやったあとに、水まきもしたいなと思ってなんか、葉っぱにしゃーしゃーってやったんだけど、なんか超気持ちよかったんだけどさ、なんか明確にカンバセイション・ピースを思い出すんだけどさ
そうですね
へへへへへへ
あのめちゃくちゃ長いところですよね
40ページくらい水まいてるやつ、いやー、なんかねー
いやすごいなほんとに、水まいてるところがこんなに人の記憶に残るなんて
へへへほんとだよね、やー、40ページ水まく、勇気
ははは
いやー、難しいですね、
難しいですね
難しいですね難しいよねー箍を、なんか箍を外せって話だと思うんですよ箍を外すのって別に羽目を外す、なんつかわちゃ、うぇいうぇいするのとはまったく違って自分を〜、自分を〜コントロールしようとする〜自分の中の規範意識みたいなものから、い、を、いしじから自由になるというか、わかんないなんか、その始まりは規範意識を意識することから、だと思うんだけど
んーんんん
なにに自分は囚われてんだろうみたいな、わかんないねなんかげん、わかんない、なんか、それはなんか、もしかしたらげん現世的な幸せみたいなものなんか、社会的成功みたいな、話、で言うときはんいしき規範のなかでなんかうまいこと振る舞うのが、なんかあれかもしれないけどね、正解なのかもしれないけど、
んーんんん
て思うとなんかね、あーかん、ないけど、なー、なんかのびのびやりたいじゃん、ひー、ふー、
短歌その、森奈ちゃんに読んでもらったときに、その、すごい印象に残ってるし多分本当にそうだろうなと思った言葉、を言われたんですけど、なんか、まったく、書いたこともなくて普段読まない山口くん、が多分こう、野球で言うところの、超スローボールを投げた、みんなが、豪速球で競ってるところに、山口くんがすっごい超スローボールを投げて、空振ったけど次投げたら打たれるよって言われたんですよ
うあはははははへ〜!
でもそれそうだよねと思って、なんか、それほんとにそうだなとなんか、でも、こう、なんかそれをすごい今の話と通じる気がするっていうか、自分が、いや素直になるってほんと難しいな素直になるって難しい
でもさー、いや全然そこに乗っかる意味が、意味もわからないけどさ、投げてる山口くんのさ、ほんとの素直なところはさ、なんてのなんていうかいかに、いいホームランを打たれるかで競ってるかもしれないじゃん
ははははははっ! なるほどなるほど
ね
はははは! めっちゃいいなあ
ふふふ、ふふふ、そもそものゴールが違う可能性があるよね
んーーーいやでもそうなんですよたまたま投げた好き勝手えーいでスローボール投げたらあ、こんなゆっくり投げたら空振り取れるんだって意識しちゃうじゃないですかそうなると一球目の感じじゃないスローボールになるんですよね
へへへ、へへへへへそうだよね、自分、への報酬があたかも三振、空振りであるかのように錯覚するとかあるよね
そうなんですよねえ
そうじゃないかもしれないもんねえ、でもそれも、わかんないけど打席、にバッターがある状態で投げ続けて、自分、にとって一番心地がいいのはそもそもなんていうか、まあ一球投げてそれでさん空振りが取れて、でなんかそっから投げなかったら、自分にとって一番気持ちいいのが空振りを取ることなのか、スローボールを投げることなのか、ていう、ことすらも憶測でしかできないから
そうなんですよね
なんか投げ続けると、あれーなんか、スローボールを投げかつ、ホームランを打たれること、こそが至上なんだって思うかもしれないし
ははは
スローボールで、空振りを取りたいんだって思うかも知れないしそれってなんか投げつづけなきゃけっこうわかんない、星野しんいちですよ、へへっ、星野しんいちはオリックスで、俺が、しょう、中学生くらいのときに、エースだったピッチャーで、左の、直球と、超スローカーブと、フォークでやってたピッチャーで、超スローボールは多分8,90キロ台とかなのかな、直球も128キロとか、それでね、なんだっけな清原とかを、もってして今までで一番速く見えたみたいな
あ、へ〜
人なんだけど、星野しんいちですよ
スローボール一回見せることによってそのストレートがめっちゃ速く見せるってことなんですか
うんそれもあるしあとはすごく、なんか、いわゆるボールの出どころが見にくい、フォームとか、だからなんていうの
あ、へ〜
ここから、放たれて見えるのと、ここから放たれて見るのでは、距離が違うでしょ
うんうん
そういうことでもあると思うんだけど、なんか、ホークスの和田とかもずっとそういうこと言われてたんだけど
ふーん
あの人今、40とかになって、逆に146キロとかなんか、ビーンみたいな、なんだけど
ふーん
だからその、遅いんだけど速く見えるっていうのもすごくロマンがある感じするけど
いやロマンありますね
でも別にそれを自分が望んでいるかどうかは別というかね、やっぱり150を投げたいんだっていう、のもあるしね、でも星野とかは勇気を与えてくれる感じするなー、128キロとかってなんか努力したら投げられそうじゃない
ははは投げられそうですよね
さん、3年くらいトレーニング積んだらははは