オープンから6年

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毎年、10月14日だったような気に一瞬なるのだけど実際は17日で、だから17日で6周年を迎えた。
2014年の10月17日に初台でひとりで始めたフヅクエは6年経って2つめの店を下北沢にオープンし、働く人は9人になった。
6年。就職した会社は3年で辞めて、辞めて始めた店も3年で離れた。僕はわりと3年周期の人間なのかなと危惧していたがその倍の6年になって、まったくこれを辞めようという気になっていない、まったく飽きていない、続けていく気しかない、というのはとてもうれしいことだと思う。今も変わらず、この場に集まった本を読む人たちが作り上げる光景を新鮮に美しく感じられているし、一緒に働いてくれるスタッフたちがもっと楽しく働けるようにするためにはどうしたらいいのか真剣に考え続けられているし、フヅクエというものが持つ様々な可能性に思いを馳せ続けることができているし、やりたいことや実現したい状態は無数にある。いい仕事を見つけたものだな、と思う。
とは言え、現在は、きっと多くの店や場がそうだろうけれども、かなり厳しい、苦しい状況で、なかなか大変ではあって、這いつくばって泥水をすすりながら、ゴクゴク飲みながら、あまりこの味に慣れちゃいけないな、と思っているところです。泥水、最初は抵抗あったけど、意外にいけるかも、みたいな。そうなっちゃいけない、ちゃんと状況に抵抗して、立ち上がって、前に進まねば、と思う一方で、でも今年に関しては潰れずに年を越せそうであるならばそれで自分を褒めてあげていいんじゃないか、という気持ちもあって、そのあんばいが難しい。あんまり自分に厳しくなると苦しいし、甘くしすぎてもあとで割りを食いそうだし・・・
というところで、なかなか今年は、例年以上にグラグラした気持ちを抱えながらやっておりますが、ひとまずこの6年についてはちゃんと言祝ぎたい。
6年続いて、さらに店舗が増えて、ということは、6年のあいだ店を維持しそこで働く者が暮らし続けるだけの金銭をいただいてきたからだし、店を増やしたいと思うだけの手応えを受け取ってきたからだ。ありがたいことだと思うし、本の読める店を必要としてくださる人たちや支持してくださる人たちに対しては、本の読める店がちゃんと続くような世界でよかったですよね、と言いたい。世界は捨てたものじゃないですよね。
今はなかなか威勢のいいことを言えるような状態でも気分でもないけれども、今の2店舗をよりよいもの、より確かなものにしていくとともに、3つめ4つめのフヅクエが生まれることを真剣に目指していきたい、本の読める店がもっともっとたくさん、普通に、そこらじゅうにある、そんな世界の実現に与したいと思っています。
フヅクエをよくわからないすぐに消えるイロモノだと思っている人たち、これまでにあったものしか認められない諦念家や冷笑家たち、悪いけどフヅクエが真打ちだよ。
みたいなことは開店してからずっと思っていることなんですけれど、その、苛立ちなのか怒りなのか抵抗なのかやってやるぜ精神なのか目にもの見せてやるぜの感覚なのか、わからないですけど、それは今も変わらずずっとあって、僕はいつまでもTHA BLUE HERBで言えば1stアルバムの場所にいる人間だから、なんかこう、今に見てろ、のし上がってやるぜという、ハハハ、威勢のいいこと結局言ってるな、虚勢も張り続けたら真実になるからさ。という、そんなわけで7年目もどうぞよろしくお願いします。
・・・
お祝儀を受け取る準備はできている!!