「『若い藝術家の肖像』に一人で盛り上がっている記念」の特集としてアイリッシュウイスキーの飲み比べセットみたいなことを始めようということで、まずは自分で飲み比べてみよう、ということで昨夜、飲み比べがおこなわれた。
写真がそのときの様子なのだけど、なんか飲み比べっぽい感じがして、どうですか、こんな風情でオッケーでしょうか。
15ccずつをショットグラスに注ぎ、並べ、銘柄を書いたテープを貼り、いざ、というところで。
銘柄はジェムソン、ティーリング・ウイスキー、レッドブレスト12年、カネマラの4つ。買ってきたのはこれともう一つポティーン(なんとなくポチーンて言いたくないのでポティーンにしているのだけど、発音的にはポティーン寄りって認識でこれ合ってるのかな。ポチーンって、という感じがするのだけど)なのだけど、ショットグラスが4つなので4酒類として、ちょっとポティーンには今回は外れてもらおうかな、ということで外された。
手元にあるウイスキーのムック本を開くとテイスティングの方法が書かれていて、それによると「見る」「嗅ぐ」「加水する」「嗅ぐ」「飲む」という感じだったので、その通りにやった。メモを取りながら。
俺の鋭敏な鼻と舌が今、花開く。
見た。濃かったり薄かったりするなーというのがわかったが、客席のオレンジ色の光の元だと違いがあまりわからなくなった。
嗅いだ。順番に、こんな感想が書かれた。
ジェムソン「アルコール」、ティーリング「アルコール(なんか違う)」、レッドブレスト「アルコール(さっきのとも違う)」、カネマラ「スモーキー、消しゴム、ラフロイグとも違う」
何かが違う、ということだけがわかったらしかった。
同量の水を足し、また嗅いだ。ジェムソンとティーリングに関しては何も書かれていない。レッドブレスト「バニラ、甘い」、カネマラ「文具」
飲んだ。ジェムソン「平板」、ティーリング「おいしい」、レッドブレスト「船、通学路」、カネマラ「癖あるなー」
やはり気になるのは文具とか船とかで、自分でもまったくわからないのだけど、これは要は嗅いだり口に含んだりした瞬間に何かしらの記憶が惹起される、一瞬その映像が浮かぶ、みたいなそういう感じで、「通学路?でも通学路のどれっていうかそれ一体なんの話?」というか、ふいに浮かんだ記憶のなかの景色をつかまえることができないまま手元からするするとこぼれていく砂、みたいな、そういう感じで。
船に関してはつかみ損ねもいいところで、船にまつわる記憶なんてそもそもほとんどないというか、ほぼ乗ったことないし。あ、あるいはもしかしたら、ジェムソンで使った「平板」という文字で「甲板」が想起され、なんとなく船乗りっぽいモードになっていたのかもしれない。
そういうわけで飲み比べた結果、「それぞれ違う」ということがわかった。あと飲み比べがとても楽しいということもわかった。
近々「こういうことやってます、楽しいよ」みたいなの印刷してメニューに挟んでおくので、よろしければお試しください。楽しいよ。