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2014.12.08
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ウィスキーのことを知りたいので『Pen』のウィスキー特集を身近に置いた、シングルモルトとはなんぞやということがこの雑誌を開けば書かれているはずなので次はこれを開く、というところまで書いた。
確かにとても近くにあって、今の僕の手元から20cmか15cmくらいのところにある。ただそれは現在、区から送られてきたと思しき「しぶや わたしの便利帳」と表紙に書かれた冊子と、「衆議院議員選挙公報」の間に立っており、というよりは新聞的に折られている「衆議院議員選挙公報」それ自体にやや挟まれてもいるため、いっそう身動きが取れない状況にあるといってもいい。『Pen』を取ろうとすれば、まず「衆議院議員選挙公報」をどうにかしなければならない。
そういった状況に嫌気が差したからとも即座には断言し兼ねるが、本屋さんの前を通るたびに見かけていた『& Premium』のコーヒー特集を買ってしまい、それが今、「しぶや わたしの便利帳」『Pen』「衆議院議員選挙公報」の横に並べられた。より手前側にある、そしてより取りやすい『&Premium』をめくってみれば、少しは『Pen』に、そしてウィスキーに近づけるだろうか。
と、めくる前に驚いた。薄いオレンジ色の表紙に書かれた「& Premium THE GUIDE TO A BETTER LIFE」の横に「1」という数字がある。『& Premium 1』っていう雑誌だったのかな、と思ったけどそうじゃなくて、それはどうやら1月号の1ということらしい!1月!2015年!なんということだ!びっくり!
それはいいとして、そのオレンジの下、紙質がオレンジとは違うツヤツヤしたやつで、表紙で2種類の紙を使うことってあるんだな、立派な作りなんだろうな、と感心してそこに配置された写真を見ると、真上に近い角度からカメラを向けられた女性と思しき人物が右手にコーヒーカップを持っている。カップ&ソーサーだけどわりと厚手のカップだ。それはコーヒーらしき黒い液体で満たされている。並々と入っていて、縁の部分も綺麗なままだからまだ口をつけられていないのかもしれない。写真左下には黒い液体の入ったケメックスのコーヒーメーカーがあり、もう1杯か2杯は楽しめるぞ、というつもりなのだろうが、冷めてしまわないかが心配だ。
ともあれ、モノクロームのその人物は左腕を使って開いた本を押さえている。置かれた腕によってページは上の1/3程度が見えないようになっているから、豪快な押さえ方だと言って差し支えはないだろう。読んでいるのはどうやらフランス語の本のようだ。目を凝らして見てみよう。
Qu'il devait faire bon là-bas! Quelle fraîcheur sous la hêtrée!
『ボヴァリー夫人』の一節だ!「あの辺まで行けばどんなにいい気持ちだろう!橅の林の木かげはどんなに涼しいだろう!」なんたる偶然!
そういうわけで引き続き蓮實重彦の『「ボヴァリー夫人」論』を読み進めようと思う。