読書の日記(10/7-13)

2024.10.18
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抜粋

10月7日(月) 

夕方になると少し切り替えるためというのもあって家を出、郵便局で住民税を払ってから無印に。タオルケットを買うためだった。遊ちゃんが一人暮らしのときから使っている、そして今は僕専用になっているタオルケットの破けが看過できないレベルになったので。寝具コーナーに直行したがタオルケットが見えず、まさか、まさか、と思うが見えないのでお店の方に聞くと倉庫にあるかもということで、タオルケットが季節ものだなんて知らなかった。明らかに通年必要なのに。信じがたい気持ちで待っていると少しすると戻ってこられ、少し離れた倉庫にひとつだけあって、それはダブルサイズのピンク色のやつだ、ということで、オンラインだと普通に買えますかと聞くと買えるということだったのでオンラインで買うことにして出た。

10月8日(火) 

疲れた。夜に電話して明日の鍼灸の予約をした。高尾山温泉にも行きたい。明日か明後日か。休みたい、でも進めたい。進めたい、でも休みたい。そのせめぎ合いをなだめられない。なだめたらどうなるということなのだろうか。そんなせめぎ合いなどなかったかのように疲労困憊の体のままプリ活をするというのがせめぎ合いをなだめられた状態だろうか。だとしたらせめぎ合わせていたほうがまだよさそう。

10月9日(水) 

必要そうなAPIエンドポイントを列挙してもらうと今日はおしまいにし、明日は休めそうだ、と思いながら布団に入ってインデックスファンドのやつ。ウェリントンというところにいたジョン・ボーグルが合併後の内紛で会社を追い出されるような形になって怒りに震えながらバンガードを創設して、という流れで面白さのギアが一段上がった感じがあった。

10月10日(木) 

風呂は気持ちよく、いつまででもいられそうだった。炭酸泉の小さな気泡を体中に集め、たまにこそげた。ぬるく、いつまででもいられそうな気持ちよさはあったが風呂だけでは体が芯からあたたまらない感じもあったので最後にサウナの時間を入れ、するとポカポカした。食事処に戻ってビールを頼み、今度は『トリリオンズ』を読んだ。しばらく読むと出、高尾山口で発車を待つ夜の電車の中にはいつでもびっくりするくらいの静寂があった。本を開いた。ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズの人びと。
シンクフィールドもシカゴでさほど変わらない家に住んでいたが、少なくともグラント公園の真向かいのサウス・ミシガン・アベニュー八番に小さなオフィスを構えていた。ただし、最初の一年は出張続きでほぼ居つかず、格安航空便で移動しては安めのホテルに宿泊していた。ミネソタ州ミネアポリス郊外に本拠を置く製造業コングロマリット、ハネウェルを同僚と二人で訪問した冬のことだ。大きな雪の吹きだまりを乗り越えて到着したホテル、レッドルーフインのフロントで、二人は防弾ガラス窓のわずかな隙間からクレジットカードを差し出すという経験をした。「稼げるようになったら、こんな宿にはもう二度と泊まらなくて済むんだぞ」。その晩、シンクフィールドは同僚に語った。 ロビン・ウィグルスワース『TRILLIONS(トリリオンズ) [物語]インデックス・ファンド革命』(貫井佳子訳、日経BP 日本経済新聞出版)p.222
まだ認められていない、しかし「これこそでしょ」と思うものの開発と普及に努める人たちの姿を見て、帰ったらアプリやろ、という気持ちが強く湧くのを感じた。なんせ僕もまだ認められていない、しかし「これこそでしょ」と思うものを開発している身なので。この感覚はやっぱりフヅクエを始める前と同じだなと思う。どんな言葉にも揺らがないというか、世に問うてみない限り再検討なんてできない、という確信がある点で完全に同じ。

10月11日(金) 

昨日休んだことによって体が弛緩してしまったのか、起きられず、いつも以上にまっすぐに寝続けた。起きても眠く、遊ちゃんの『百年の孤独』がないらしく、昨日から探しているが見つからなかった。僕が自室に持っていってしまったのだろうかとも思ったが、僕の部屋にあるのは僕のやつだった。小町娘のレメディオスのように昇天してしまったのだろうか。

10月12日(土) 

セブンでカツ丼を買って帰り、今日はてブでセブンイレブンがだいぶ悪しざまに言われているのを見た。容器の底上げとかで不評を買っているみたいだった。でも不評を買えば骨までみたいな感じで味も前まではセブン一強だったが今では見る影もなく、みたいなコメントも散見された。もしそれが本当だとしたらコンビニには明るい未来しかない! と思うほどセブンが突出しておいしいと思っているのだが今ではファミマやローソンはこれを超えているのだろうか。

10月13日(日) 

ふと思い出して『正反対な君と僕』の最新話を読みに行くと谷がやっと弱音を吐けて感無量で、うん、うん、と聞く鈴木の姿も素敵だった。いつもは鈴木からする「充電」を谷がする姿に胸が熱くなった。胸を熱くさせて読んでいるととんとんと時間が進み、その中でニッシが山田の家で山田の親御さんとともに過ごしているコマが見えてほっこりとし、しかしとんとんと進み、「それぞれが冬を乗り越えて」とあり、そして「季節は春へ」となって終わり、下のところに「次回卒業式回」とあるのを見たら「ええ!?」と大きな声が出ちゃい、寝室から「どうかした?」と聞かれたので行き、顛末を伝えていたら「ぞじたらじかいそづぎょうじきがいっであってうええええ」みたいな、泣きべそをかきながら話すことになった。大笑いした。
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