読書の日記(8/12-18)

2024.08.23
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抜粋

8月12日(月) 

「ゆるコンピュータ科学ラジオ」のターミナルの回を見ながらご飯を食べ、水野さんの飲み込みの早さに舌を巻いた。「lsコマンドはフィラー」という話に感動した。手癖のように打つらしい。『ソーシャル・ネットワーク』で困難に直面したザッカーバーグのパソコンの画面上にも律儀にlsコマンドが打たれているらしい。いい話。基本的なコマンドとしてls、cd、grep、wcが紹介されていて僕はcdしかわからない。あと打つのはtouchとmkdirと、最近はkill -9も覚えた。ls使うとどんないいことがあるのだろう、明日打ってみよう、明日の楽しみがあるというのはいいことだ、と私は考えた。

8月13日(火) 

開け、6時までノンストップで働いて、めちゃくちゃ働いた。完璧な仕事ができた気がする。最近はふたりの日が多いのでこういう働き方は久しぶりで、ひたすら集中して働くこの感じはやっぱり楽しかった。見事だった。

8月14日(水) 

目を覚ますと外の強い雨音が部屋全体に満ちていて、真夏は網戸のまま寝るというのも知らなかったことだった。外の街灯の明かりがうっすらと部屋にも流れ込んでいて、真っ暗ではなかった。音は雨音だけではなく、各部屋に置かれた扇風機、廊下のサーキュレーター、それらの音も合わさって、よりいっそう大きな分厚いものになっていた。時間を見ると10時半で、しゃきっと目が覚めた。ふすまも開けっ放しだから完全に地続きになった隣の部屋を見ると姪っ子が目を開けているように見えた。目が合ったような感じがあった。僕も姪っ子も何も言わなかった。眠れない不安な夜を過ごしているのだろうか。
立ち上がって部屋を出ると音がそのまま続いている。どこもかしこも扉は開け放たれ、窓はすべて網戸という状態なのだろう。雨音が家全体を包み込んでいるようだった。

8月15日(木) 

みにすることを決め、新幹線が止まるというのは見ていたが、湘南新宿ラインまで止まることを知り、明日は本当に移動できなかったわけだ。もうここまでの予報や報道がつくりあげた雰囲気の中では、仮に台風が想定よりもずっと弱くなったとしても、あるいは急激に進路を変えてなんにもならなかったとしても、人はもう家から出ないだろうし、スタッフの通勤の大変さとか、天気どうなるんだ電車どうなるんだみたいな不確かさとか、そういうことを考慮すると明日営業する理由はもう持てなかった。ボーナストラックの他の店舗も少しずつ休みを宣言しているところだったのも後押しになった。

8月16日(金) 

夕飯は豚肉とピーマンと人参としめじと玉ねぎの炒め物と遊ちゃんがこしらえたキャベツのおいしいやつ。「本チャンネル」のフィンランドの出版業界事情全般の話の回、そのあとオーディオブックの回と続けて見、オーディオブックという存在は面白い。頭に入るかどうかは別として目で読んだほうが圧倒的に速いはずで、この時間の奪い合いの時代、ショートコンテンツの時代に、ただでさえ遅い遊びである読書をさらに遅くさせるオーディオブックがしっかり定着しているというのはすごく興味深くて、人は本当はもっと遅くありたいのかもしれない。

8月17日(土) 

休憩回しで1時間入り、いくつかオーダーをこなして洗い物をして、手が空くと『百年の孤独』を読んで過ごした。その20分とか30分とかの読書の時間がずいぶんよくて、すっと頭が静かになるようだった。
4時にひとやすみでB&Bに入り、椅子に座ってじっくりと本を読む人たちがちらほらいて、外のアウトドアチェアで読んでいる人もいる。静かで広々としていて素敵な空間だった。事前予約はフヅクエの席から埋まっていって、フヅクエ経由でオールナイトを知った人の中にはB&Bの席以外が売り切れと知って残念に感じた人もきっといたのだと思うけれど、ここで一晩過ごすのもめちゃくちゃよさそうだなと改めて思った。フヅクエでさっき紅茶を出した方が本を買いに来ていた。いい夜。

8月18日(日) 

最終的にはお客さん数はギリギリ及第点という日になってお盆が終わった。大田原の仏壇もいつもの仕様に戻っただろうか。カレーとおかずをもらって帰り、シャワーを浴びてご飯を用意すると続き。また次第に絡まっていく感じがあり、プロフィールスクリーンを別に用意するのではなくそれを拡張して使い分けるという方針にしなければよかったのかも、と思うのは翌日で、この日はただ絡まったまま、無防備にクロちゃんに従いながら進めた。さすがにすぐに眠くなったので2時には切り上げて布団に入った。 アウレリャノ・ブエンディア大佐がマコンドに帰ってきた。戦争はやっぱり明るくなく、もの悲しい気持ちで読んでいる。
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