読書の日記(8/5-11)

2024.08.16
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抜粋

8月5日(月) 

食べると部屋に戻って3時前まで。ちゃんと進むものだな、と思う。たくさんの情報がコンソールログに出るようになった。
布団に入って『百年の孤独』でどんどん出来事が起きていく。人はあっけなく脇に追いやられ、あっけなく死ぬ。でも不思議とここには作者のエゴを感じない。作者の都合で死ぬのではなく死んじゃったものは仕方がないという感じを感じる。

8月6日(火) 

調布に着くと雨はもう降っておらず、セブンでバターチキンカレーを買って平和に帰った。遊ちゃんは雷のせいで目が覚めてしまったみたいで本当にすごかったそうだ。
ご飯を食べてビールを飲むと今日はもう仕事はせずに布団に入ってくれた。『百年の孤独』を開き、今日もにぎやか。

8月7日(水) 

閉店するとキーマカレーとご飯の他にラペ、ごぼうのおかず、和え物をラップに包み、つまりキーマカレーセット一式をリュックに入れて帰り、家に着いてシャワーを浴びてご飯を用意すると再び活動して、スキャンをすると書誌情報をGoogleと楽天のAPIから取り出し、合流させ、整形し、表示する、ということができた。これまでもスキャン自体はできていたが、データベースと整合する形になったのが今回の変化。それだけのはずだが、なぜかスキャンの感度がぐっと上がった感じがしてサクサク読み取れるようになった。クロちゃんが何かを勝手にいじってくれたのだろうか。言いなりだから見落とす。

8月8日(木) 

それで夕方のプリ活が始まってFirebaseの認証のところで大変だった。一回できていたはずのものだが、それとデータベースが絡むとまた話は別なのか、大変だった。Postmanというものを使った。バックエンドの動作確認、ということだった。それが必要なことなのかわからないがバックエンドの何かを書き換えて別のテストをするたびにバックエンドサーバーを再起動させてXcodeでランし直す、ということをして、だから何度もラン、をしていて、ラン、ラン、としていたらビーチ・ボーイズのそんな曲が頭に流れてランランペペランアゲララーンと歌いながらランし、あとで調べたらそれはrunではなくroundで「Round, round, get around, I get around」だった。

8月9日(金) 

新宿に出、新宿西口駅に僕は辿り着けるのか、不安だった。慎重に、案内板を確認しながら歩き、駅構内は工事中らしくて仮囲いの白い壁が続くばかりでどこを歩いているのかわからなかった、と私は考えた。と書きながらベルンハルトが明るいのは、と私は考えた。何をどれだけ言ってもどこかに明るさがあるのは彼が呪詛に没入していないからだ。呪詛や罵詈を吐き続けながらも常にそこには距離があって語りと語られる憤りが一枚にべったりとはくっついていない。そう思っていると無事に新宿西口駅の改札の前に着き、ほどなくして遊ちゃんの姿が見えて無事に合流できた。大江戸線は今日も狭くてうるさかった。遊ちゃんは金曜の6時にしては混んでいないことを喜んでいた。

8月10日(土) 

昼番。開店前に氷のケースを落として大破させた。大きな塊の氷を抱えると『百年の孤独』の氷に触れる場面を思い出した。

8月11日(日) 

塩の補充とか、バックヤードから何かを取ってくるとか、必要だと気づいたときにそれを忘れないように目に見える位置、違和感を覚える位置に置いておく、ということをやっていて、それを今日もやっていたら『百年の孤独』で村中が物忘れをしていく病気にかかって対策としてあらゆるものに名前のラベルを貼っていった場面を思いだした。
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