読書の日記(5/27-6/2)

2024.06.07
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抜粋

5月27日(月) 

交代し、夜はやっぱり暇で、夜だなあと思う。真面目に働く。終わるとビールを飲む。ビールを飲まないとね。
夕飯を迷いながら店を出ると外は煌々と明るくて道路工事をしていた。ガールズバーのガールズが工事の横に立っていた。メレディス・モンクを聞きながら『あらゆることは今起こる』を読みながら帰り、美瑛のあたり。ハラハラする。夕飯はキーマカレーでもつくるかなと思いながら歩いて帰る。

5月28日(火) 

シャワー浴び、運動したら元気が大復活して目が爛々となったのでひと仕事。イラレ。2時過ぎて布団に入りベルンハルトが今日はカトリックをこき下ろしているところで、やっと100ページを過ぎた。今日も4ページくらいで眠くなったので明かりを消して目を閉じてうとうとし、おしっこに行きたくなって起き上がるとまた明かりをつけてもうしばらく読んで、そして寝。

5月29日(水) 

家を出ると日差しが強いので信号待ちは日陰で過ごした。そういう暑さだった。『あらゆることは今起こる』を読みながら下北沢に移動。店に行くと瀬崎くんが働いていてずいぶん忙しい日のようだった。え、もうこんなに、という。わからないものだ。アイスコーヒーの抽出実験をして飲み、しっくり来なかった。

5月30日(木) 

調布に戻るとなんとなくでくまざわ書店に行った。『みどりいせき』があるのかを見たかったのと、あとは何か読みたくなるものと出会えたら、という気持ちで、ぶらぶらし、目についたどの本も読みたいような別に読みたくもないような、という曖昧な気持ちを起こさせた。サッカーの面白いノンフィクションとかを読んでみたいのだがネットで調べていてもあまりわからない。何かないかな。『みどりいせき』はなく、代わりに『恐るべき緑』は平積みされていた。『みどりいせき』が今日なかったのはよかったことで、買っていたら明日は『消去』そっちのけになる可能性があったから。今日唯一、これを次読もうかなと思ったのは「金融ノンフィクション」と帯とかに書かれた『TRILLIONS』というやつでインデックス投資をめぐるノンフィクションなのだとか。登場人物はウォーレン・バフェットとか、運用会社のバンガードの中の人とか。インデックス投資という穏やかな凪の世界に見えるものにどんな波乱やスリルがあるのかまるで想像できないが、その登場にあたっては何かスリリングな攻防があったのかもしれない。面白そう。

5月31日(金) 

着替えて本とかだけ持って食事処に下りてビールとおつまみ。漬物とポテトフライと海鮮サラダ。腹ペコだったがやはりご飯ものとかを食べる気にはならなかった。あとでピザを頼もうかなとは思った。それでお気に入りの隅っこの席が空いたのでそこに座ってビールをごくごく飲みながら読書を始めた、するとすぐに「予告通りガンベッティにヴォルフスエックを描写する代わりに、フラミニア街道を北上し、そしてふたたびフラミニア街道を戻り、またふたたび逆方向に歩き、今度はまた逆に向かってポポロ広場に至るそのすべての道程で、私はずっと、ガンベッティの許容限度をはるかに超える大声で右に述べた文章をがなりたてて、彼の神経を参らせ、一言もしゃべらせなかった」とあって許容限度をはるかに超える大声でがなりたてていたことは初耳だったので吹き出したが、それはそれとして、これだよこれ、こういうやつ、移動、歩行、こういう動きがほしかったの! というものに当たったので喜んだ。フライドポテトと海鮮サラダの出来上がりをブザーが知らせてきたので取りに行き、小皿にケチャップを、サラダにドレッシングを。席に戻ると、読みやすさと食べやすさを兼ね備えたポジションを丁寧に整えた。

6月1日(土) 

閉店すると日ハムの話をし、閉店作業もつつがなく終え、広場はまだ少しお客さんが残っていたがロープを掛けて帰った。またいで帰ってくれ。『消去』を開いて母の不貞についての話を読みながら帰り、西友で鶏肉。

6月2日(日) 

初台着、オペラシティ、くまざわ書店をうろうろと歩き、読みたい気持ちになる本はいくつもあるが、今読みたいのかと問うとわからないものばかりで、目当てのものがありそうなところは人が立っていたので迂回して、なんとなくビジネス書のところに行くと『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』があって家にもあってまだ読んでいないやつだ。1はすごく面白かった。でも2こそがいいらしい。なんとなく目次を眺め、明日大田原に持っていくのはこれがいいのかもしれない、ともちょっと思う。しばらくして人がいなくなったので行ってみると『TRILLIONS』の背表紙を見つけて、これはきっと面白いだろうなと思う。面白く読む。それは面白いことだ。だけど今するべきことは面白がることなのだろうか。という考えがやってくる。飛躍の法則を知ること、飛躍について考えることなのではないか? そう思って再度『ビジョナリー・カンパニー2』のところに行き最初のほうを読んでみると「善い会社から偉大な会社になるためには」みたいなことが書かれていて、善い会社ですらないときに読んでも意味あるのかな? という気持ちになった。
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