読書の日記(4/1-7)

2024.04.12
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抜粋

4月1日(月) 

帰ると今日は新年度というところで出勤していた遊ちゃんが帰ってきていて部屋でぺたっとしていた。よく働いてよく疲れたそうだ。僕は早々に布団に入って『2666』を読むが眠気が一向にやってこない。数字を見続けたあとは頭が冴えるのか、眠りの予兆もない。そうしているうちに遊ちゃんも布団に来て庄野潤三をしばらく読むと眠り、僕はまだ寝れない。明かりを消して目を閉じて、だいぶ経ってから徐々に眠りに近づく感じがあってスプレッドシートとサッカーとサンタテレサが混ざったような夢を見た。

4月2日(火) 

喉に麻酔が噴霧される。そのあとに口に胃カメラを通せるようにプラスチック製の感じのやつを咥えさせられる。マステで固定されようとして、ヒゲが少し邪魔なようだ。胃カメラは僕は岡山にいたときに一度受けたことがあって、あのときはなんで受けたのだろうか、何か不調があって病院に行ったのだとは思うがどういう不調なのかは覚えていない。そのときはゲーゲー苦しくて、ひたすら苦しい記憶だった。でも今日は鎮静剤で眠れると期待している。10秒だ。もう一度麻酔が喉に噴霧され、そのあと点滴の接続しているやつが変えられて、そこに鎮静剤がセットされたらしい。今から鎮静剤を入れていくということが宣言され、今から鎮静剤が入れられていくんだなと思う。10秒だと思う。鼻から吸って口から吐く。今から10数えてみようと思う。鼻から吸って、口から吐く、10、鼻から吸って、口から吐く、9。
目覚めるとすべてが終わったことが何によってなのか知れた。

4月3日(水) 

今日は一日シフトでがんばる日。ご飯食べ、店を開けるとブラウニーを焼いてチーズケーキを焼いてショートブレッドの生地をつくって何かと製菓な日だった。雨だったがお客さんはちょこちょことあってよかった。楽しい場面もあった。ブラウニーは今日はカットを小さくすることを試してみたら小さくなりすぎた。材料は砂糖をグラニュー糖から原糖に変え、くるみを増やした。コクが出た感じ。おいしい。どこでよしとするか迷う。

4月4日(木) 

玉ねぎとキャベツをチンするとシャワーを浴び、上がるとリゾットとオーブン焼きをやりながらラジオを少し進める。できあがったのはホワイトアスパラガスのリゾットと鶏肉玉ねぎ春キャベツのオーブン焼きでリゾットはミルクを入れようかと思っていたが冷蔵庫にあったオーツの飲み物がなんなのかよくわからなかったのでやめておいた。チーズは多めに削った。それでシティとアストン・ヴィラの試合を見ながら食べてグリーリッシュがボールを持つたびに地響きみたいなブーイングが起きた。

4月5日(金) 

店じまいをすると先週酒井さんがお母さんとやってきたときにお母さんがお土産でくださった長野の栗羊羹をいくつかもらって出、電車に乗る前にひとつ開けて食べたら開け方が悪くて手がベタベタした。おいしかった。帰りの電車でまた涙が出てきて歯を食いしばっていたら頬が痛くなった。

4月6日(土) 

それにしてもというか、予期した通りにオールナイト営業に関して僕が手伝うべきことは何もなく、店に入ったのは自分が飲むコーヒーを淹れに行ったそのときだけだった。コーヒーを淹れると小山さんにも羊羹をあげてからハウスに移ってそこでコーヒーとお菓子を置いて『2666』を読み始め、少しするとオアダイさんがハウスにやってきて晩ごはんを食べて、少し話し、そしておやすみなさいと言った。『2666』はインゲボルクがアステカ族についての長話をしているところだった。それからロシアで戦争の時間を過ごすライターは何度か死にかけ、そのあと小さな村に送られた。丸太小屋で生活し、そこでかつての住人のユダヤ系ロシア人のボリス・アンスキーの手記を見つけてずうっと読んでいた。

4月7日(日) 

ペデストリアンデッキに上がると下の道が見事な桜並木になっていた。味の素スタジアムに入るところには東京ヴェルディの文字と緑色がいくつか見え、今日はもしかしたら試合があるのかもしれない。今年は味の素スタジアムにサッカーを見に行ってみたいと思っていた。少しだけ近づいてからまた戻り、それでデッキを歩いていくとバスケットボールはWリーグという女子リーグで、そのプレーオフのセミファイナルということが知れた。会場の武蔵野の森スポーツプラザの入り口近くにはフードトラックもいくつか出ていてビールを飲みたくなった。建物に近づいて中を覗くと物販のコーナーが見えて、どこかのチームのではなくプレーオフのTシャツが見えた、折りたたまれたそれは「LAYOFF」となっていて、Pが隠れると解雇になるわけだ。
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