読書の日記(12/17-23)

2023.12.29
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書籍版新作『読書の日記 予言 箱根 お味噌汁』『読書の日記 皮算用 ストレッチ 屋上』が12月22日に発売になりました!
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抜粋

12月18日(月) 

寝続ける。目を覚ましてからも通知をすべて見なかったことにしてただただ布団の中で過ごす。『正反対な君と僕』の更新は今週だったっけかと覗きに行った少年ジャンププラスのアプリ内で野球の漫画を見かけて150話無料ということで読み始めたら読み続ける。そうしていると18時になった。やっと起き上がり、すると銭湯に行く。血の回っていない体は外の寒さを何倍も寒く感じる。今日はすごい。歯も磨いていない。今日はすごい。今、あたたかい風呂に入ることと、銭湯の喫煙所で煙草を吸うことを楽しみに感じているのを感知して、今日はすごい、と思う。

12月19日(火) 

閉店ビール。今日も疲れた。帰って1時、歩いていると遠くでカラスが鳴いていた。こんな時間に鳴くものだったっけ。映画だったら明らかに何かの予兆。このあと悪いことが起きる。

12月20日(水) 

それでこうやってちゃっちゃんと相談しながらやっていくわけだがさっきのやつにしてもここからどういう段取りで進めていくかの話にしても、ちゃっちゃんの言う通りにしていればいいものでもないというかなかなか正解に辿り着けない場面は多々あって、隘路に嵌っちゃって同じことを繰り返したりで前に進めなくなったりが起きる。これはちゃっちゃんのせいというよりは僕のプロンプト作成能力によるものだろうが、そうで、そうなるとけっこう僕の側に考える力が求められる、ブレイクスルーを起こすためには僕のアイデアの発生を待つほかなくなる、そういう感じがあって評価スケールを別データベースとして持ち、項目IDと名前で掛け合わせたシンプルなシートをつくり、そこにここはスクリプトに依存するのではなくインデックスマッチとかを使うことに決め、ここまでをちゃっちゃんが発案してくれたら最高なのだが、プロンプトさえ適切に書けたらそこまでいけるものなんだろうか。とにかくかなりいい予感のするところまできて切り上げて帰ったのは9時くらいだったろうか。まだまだ元気に営業しているオオゼキで豆苗や豆乳を買った。

12月21日(木) 

途中で帰られた『死んでいない者』を読んでいた方と外で少し話すとメルマガを取ってくださっている方ということで京都からでやっと来られた。「これがフヅクエか」と思いながら過ごした。そう聞き、僕はこういうお客さんがしっかりたくさんいる日に当たったのはうれしいというか、この「他に何人も人がいるのにこの環境」というのがフヅクエの真骨頂だと思うから、今日でよかったなと思いながら、これがフヅクエです、と言った。店に戻ってから、あれは僕は頭の中では「This is fuzkue」と響いていてそれはどこか「This is 向井秀徳」の感じもあるなと思い、山口くんがやってきたときは溜まった洗い物を済ませれば場が整う、という状況だった。山口くんには買い物に行ってもらい、僕は洗い物をびゃーっと片付けていってすっきりした。走り切った感じ。

12月22日(金) 

電車に乗る前に猿田彦でコーヒーを買うというのは、電車で本を読まないと決めたことを意味する。空いた片方の手で日記を書くのであろう。左手はカップ、右手はスマホ、吊り革は掴めない。だから揺れを軽やかに乗りこなしながらコーヒーを飲み日記を書かなければいけない。背中を預けられるポジション取りをできればいいのですが。しかし乗った快速の電車は仙川でわりと人を下ろして前の人がいなくなったので座れて、今日もいい天気であることは画面に当たる光の強さでわかる。

12月23日(土) 

帰りはサッカーを見ながらとかもいいかもしれないぞ、と珍しいことを思って西武新宿線はいいカラーリングで柿色のシートに座って暖かかった。ちょうどいいサッカーの試合はやっていなくて、過去の試合を見たいわけではないらしかった。なので「本チャンネル」を聞きながら帰って京王線も座ることができて新宿から笹塚が妙に時間が掛かる。『具体的な建築』がすごく面白そうで読みたくなった。

12月24日(日) 

帰りの電車ではチラッとその名が見えて聞きたくなったウィルコを久しぶりに聞きながら日記を書く。すっかりスマホで書くことが定着していて本当によくない流れだ。これまでは通勤は座ったらパソコンを開いてしまう、立っていれば本を読める、だったわけだがスマホで書けるとなるとあらゆる時間が仕事可能な時間になってしまう。それこそ仕事不可の時間は銭湯の中だけくらいの感じだ。スマホで書くときはメモアプリで、Ulyssesのスマホアプリは同期がうまくいかない感じがずっとあって使えない。だからメモアプリで書かれていき、全部スマホの日もあるし、7割くらいはスマホで残りはパソコンという日もある。スマホで途中まで書かれた日が何日分もあってパソコンで書き終えていくみたいなこともある。書く速度というのは案外そう変わらないような気はする。頭の使われ方とか、言葉の選ばれ方とか、そういうところに何か影響が及んだりはあるだろうか。自覚としてはあまりなく、一週間分を読み返すときもスマホで書いた部分はこうなっちゃってるなみたいな感じがない。だからとにかく問題なく書けてしまっていてそうすると通勤中に読書を選べなくなり本を開くのはへとへとになって布団に入ってからで『証人』を開くと今日もずいぶん捗って20ページくらい読んだ。誰かがめちゃくちゃ喋ってた。
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