読書の日記(10/30-11/5)

2023.11.10
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抜粋

10月30日(月) 

店着き、アイスコーヒー、引き継ぎ、鶏ハム、納豆、開け、明日で10月も終わりだ。 お客さんはわずかで、仕込みとかをしながら過ごし、お客さんはゼロになり、今週やるべきことを考えるためにタスクリストを眺めているとわけがわからなくなり、「頭混乱〜」とオリジナル曲の一節を歌った瞬間に扉が開く音がしてビクッとした。それからまた働き夕方に山口くんが来ると八百屋に行った。野菜の値段は本当に刻々変わる。夏のほうれん草の値段は本当に異常だった。赤かぶが立派。

10月31日(火) 

大谷翔平がダイヤモンドバックスへの入団を決めたというニュースを見てびっくりしたし、なんか大谷らしいというか、誰も思っていなかったような判断を、したなあ! とうれしい気持ちで思う、そういう夢を見て起きたあとも夢か現実かちょっとわからなくなる感じというか、それだけ妙な納得感があった。

11月1日(水) 

眠りが浅く、ほぼ現実みたいな夢をいくつも見た。セミドライにしてオイル漬けにしたトマトを見ながら「あの大きさのトマト使うとこういう大きさになるんですね〜」と榮山さんに話しかけたり、そういう夢。

11月2日(木) 

館に行く前にくまざわ書店に寄って漫画のコーナーに直行すると、『正反対な君と僕』の5巻が今日発売のはずだった、それと、もう完結ということで買うのを恐れていた『氷の城壁』の5巻を、と思ったら6巻が出ていて、裏表紙を見たらまだ続きそうな言葉も置かれていて、全然5巻で終わりじゃなかった! 快哉を叫んだ。Amazonで商品情報を見たときに「全5巻」みたいな表示を見て5巻で完結すると思い込んでいたのだが、今のところ5巻まで、という意味だったのかもしれない。それに、物語のペースを考えると、あと1巻でどういうことが起これば完結できるのか、どういうスピードで一挙に話が進めば終われるのかまるでイメージが湧いていなかった。なにも収束させずに終わるとも思えなかった。とどこかで感じていたことが、6巻が出てまだ続くとわかって初めて言葉として浮上して、それまではぼんやりとした違和というか不思議という状態だったようだ。だからホクホクとした心地で3冊の阿賀沢紅茶を買ってくまざわ書店の紙袋を小脇に抱えて入館し、しかし漫画を読みに来たわけではないので、一生懸命働いた。

11月3日(金) 

ビールを頼んで今日はふたりの誕生日お祝い会で、僕のすぐ左がトイレの扉だったので、お腹が痛くなったらトイレのドア越しに話そう、「出たよ〜」とか言って、と言ってから、「出たよ〜」とか満面の笑みで言うとか、38歳がこんなに幼稚なままだとは思わなかったねえと言ってから、保存される幼児性というか、家の中だけとか、家族の前でだけ出る幼児性みたいなものについて話して僕がいつも思いだすのは『なすの輝き』で干した布団に倒れ込む伊知子が「おひさまの匂いだ〜」みたいに言う場面で、大好きな場面で、こういうものをフィクションで読んだり見たりする機会って実はほとんどないように思う、ということを言った。

11月4日(土) 

あれこれ真面目に準備して開店しててきぱきと働き、2時から前田さんが来て引き続きテキパキと働き、しかし特別忙しいというふうにはならず、夕方に榮山さんとバトンタッチをすると出た。帰りの電車は座れるつもりでいたが存外に座れずに『グロサ』を読み、雑に読んじゃっているな、と思う。どこかでもう放棄してもいいような気持ちもありつつ、でも、ここを耐えたいというか、耐えて通り抜けた先に何があるのかを見てみたい気持ちがある。

11月5日(日) 

ビールを飲んで遊ちゃんが今日こしらえたという切り干し大根のトマト煮とキャベツと玉ねぎのクタクタと、買ってきたハンバーグとキムチとリヴァプールとルートンで晩ご飯。ルートンのホームスタジアムはやっぱり小さくて、カメラの位置も他のスタジアムよりも近くて、臨場感があるというか練習を見ているみたいな感覚になるのはどういうことなのだろう。リヴァプールの選手は何度もシュートを枠外に飛ばして切り干し大根もキャベツもとてもおいしかった。満腹。
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