読書の日記(9/18-24)

2023.09.29
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こちらは抜粋です。残り約13,000字のフルバージョンはメールマガジンかnoteで読めます。また、『読書の日記』の次作が12月先行発売に向けて制作中です。新作発売時、メルマガ3ヶ月以上ご購読で献本ということをやっているのですが、9月中に購読開始でこちらに該当するのでこの機にぜひ!

抜粋

9月18日(月) 

昨日は夜もだいぶ忙しくなったようで今日はやることがけっこうあった。10時半くらいから始動。テイラー・スウィフトを大きな音で聞きながらで、勢いづけてがんばりたいときはテイラー・スウィフトかイースタン・ユースという感じがある。

9月19日(火) 

目が覚めるとスマホを触って眠くなって寝てを繰り返していたら6時まで寝て驚いた。少し頭痛がするような感じがあって熱をしきりに測ったら7度1分がピークであとは6度台だった。眼圧とかが高くなっていそうな感じがして眼球を押した。シャインマスカットをバクバク食べておいしい食べ物だ。起き上がると自転車で銭湯に行って、ああ、今日は、久しぶりの、完全なオフになるんだ、と思うと驚く心地があった。1ヶ月以上ぶりだ。

9月20日(水) 

布団。NVC。知らん人の本の序文でさらに知らん人がその知らん人について称賛するのを読まされる気分はなんともいえないものだが、「妥協というフラストレーションを伴う方法ではなく、紛争の当事者が互いに敬意を払って解決をはかることをめざす。何を必要としているのかをお互いにたずね、感情を荒立てることなく先入観を排除し、相手と意思疎通をはかる」というのが尊敬すべきマーシャルがこの本で提唱していることっぽく、
「それは大事そうだなあ!」
と思う。

9月21日(木) 

店に行くと川又さんが働いていて僕は荷物を下ろすとずうっと使っていないスクエア型を洗って耐熱ボウルにチョコとバターと砂糖を入れてチンをして薄力粉を振るって油紙を折って切ってといきなりブラウニーをつくり始めて川又さんはなんだなんだと思いながら働いた。YouTubeで教わったブラウニーは簡単だった、最後はそのレシピとは無関係に刻んだクランベリーとローズマリーと粗塩を散らして、これはどういうつもりだったのだろう。粗塩に関してはあとで気づいたが昨日のアイスだ。パリパリサンド。改めて調べてみると「ロレーヌ産岩塩を使用したしっとりビスケット」とある。あれ、ビスケットはしっとりで正しかったのか。パリパリはチョコだったようで「ベルギー産チョコを使用したこだわりのパリパリチョコ」とある。なおベルギー産チョコについては「製品中1%に使用とある」。

9月22日(金) 

7時になって店を開けて少しずつお客さんが入り、本の購入も予約してくださった方に本を売ってサインを書いたりしていると始まりの時間で、久しぶりの感覚だが、いつも会話のない読書会の始まる前の時間はちょっとだけ緊張していて、ちょっとあいさつをするだけのことが僕には十分に緊張案件のようだった。だから今日も少し緊張しながらあいさつをして始まって、オーダーがどんどん入ってどんどんこなしていった。
初めて開催した会話のない読書会はアンソニー・ドーアの『すべての見えない光』で店には山口くんが立って僕は客席で体験した。あまりにいい読書体験で感動してずびずび涙を流した。注文もちゃっかりしてたしかカフェオレとオムレツのサンドイッチにした。その日のことを何度か思い出しながら、今日もいい景色だ。全員が僕の本を読んでいる。幸せな光景だ。

9月23日(土) 

途中で知らずに入ってきた二人組の方に「今日は通常営業はやっていなくて」と伝えると、愛想のない男が「あそうなんすか」と言って、一応読書会のこと説明しようかな、でも必要ないかなと思いながらも外に一緒に出ようとしたところ、僕が後ろにいることに気づいていなかったのだろう、さっきの男が階段を下りながら「わけわからん店ばっかりだな」ともうひとりの人に言うのが聞こえた。「ちょっと待ってよ! 何をもってわけわからんと言っているのか知らないけど、うちに比肩するようなわけわからん店が他にあったっていうこと? 今夜この店ほどわけわからん店なんて初台に存在しなくない!? 祭りの日に街の喧騒をよそに集まった人全員が店主の分厚い日記本をただ黙々と読んでる空間と同じだけわけわからん店なんて、なくない!? 雑な論評しないでよ!」と思った。

9月24日(日) 

だんだん花火の打ち上がる根っこが近づいてきて、これ、どこまで行けるんだろう、追い越せるかもしれない、花火の裏側まで行けるのかもしれない、そう思って歩いていったらネットで仕切られたところで止まることになって、ここより先は有料観覧エリアということらしかった。なるほど。なのでその手前のところで僕たちは晴れて立ち止まって花火を見上げ続け、終わりの直前、座っているこの人たち全員が立ち上がってすごい人だかりになる前に離れようと踵を返して元の場所へ歩き始めた。だから最後の花火には背を向けて歩くような格好になって、すると花火を見上げる人たちを見る格好になり、これもまたよかった。全員が同じものを、顔を上げて、見る。楽しい、緩んだ、いい顔が、花火の明かりを受けて少し明るむ。最後の最後は振り返って、もう線路はくぐっていたので、線路の向こうにたくさんの大きな花火が上がるのを見て改めて歓声を上げた。遊ちゃんは空いているトイレを見つけてトイレに行った。それで花火は終わり、僕らは屋台エリアまで戻ってフランクフルトを買った、たこ焼きも買った。まだまだ列はあるのに調布市の強行なのか屋台の明かりは消されて、闇営業というふうだった。
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