日記屋 月日インタビュー|人が日記を書き始めるのを知ると、自分のことのようにうれしくなる

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本屋さん×フヅクエ連携企画「本の読める日」参加書店へのインタビュー企画。今回は下北沢の日記屋 月日の店長・栗本凌太郎さんにお話をうかがいました。(取材・写真=フヅクエ・阿久津隆)

誰にとっても関係のないお店ではないっていう感じはしますね

阿久津
最初は月日について教えてください
栗本凌太郎さん(以下「栗本」)
そうですね、月日は日記の専門店ということで、日記を書くこととか日記を読むこととかの魅力をより多くの人に届けるためにつくられたお店です。僕は店長で、内沼晋太郎さんという、本屋B&Bも経営しているしバリューブックスの取締役でもあって、という方が店主です。お店をつくった理由が、内沼さんがもともと日記に興味があって、NUMABOOKSっていう出版社の中でも日記の本をつくっていたりというのがあったり、日記好きの人が集まれる場所というのがなかったし、あったらいいよねっていうので拠点をつくりたいっていう気持ちからお店をつくったと聞いています
阿久津
ありがとうございます
栗本
ていうのと、日記の専門店という側面と、ドリンクスタンドを併設していて。このお店がボーナストラックっていう商業施設の中にあって、ボーナストラックが下北沢駅と世田谷代田駅のあいだにあって、けっこう住宅街の中にあるので、通勤の方とか通学の方とかがよく通るところにあって、その人たちの日常にも溶け込んでいられるようなお店っていうのもあって、毎日飲めるようなコーヒーとビールっていうのをコンセプトに、ドリンクスタンドも一緒にやっています
阿久津
日記と日々のドリンクスタンドっていい組み合わせですよね
栗本
まあ、なんていうか、ただ、本屋をやっているわけじゃないというか、日記屋っていうと非現実的な感じがするというか夢の話がする。「日記屋ってなんだ?」みたいなことは多分まわりからも思われているだろうし自分たち自身も、模索しながらやっている。日記屋っていうのはどういうふうにありたいかみたいな。という側面がありつつ、コーヒースタンドっていうと街のどこにでもある形態なんで、自分たちも想像がついているしお客さんも「コーヒースタンドね」っていうわかりやすいものとしてあって。だからただただ日記屋だけをやっていたら出会わないようなお客さんたちと出会うきっかけになっていると思うし、自分たちも、お客さんと接して、日記のことを考えるみたいな時間もやっぱりあって、だからそういう意味で言うと日常のグラデーションていうか、生活の中に地続きになっている、接点になっているものとしてコーヒースタンドの部分がわりとあるのかもしれないなみたいなのは、思ったりしますよね
阿久津
たしかにいきなり日記屋って言っても、なかなか日記屋に用事があるっていう人もいないですもんね。コーヒースタンドがあることで関われる人の数がめちゃくちゃ増えますよね
栗本
そうなんですよ。それにお客さんから「奥になんか本いっぱいありますね」みたいな話になって、「日記屋なんですよ」みたいな話になると「え、日記屋ってなんですか」みたいになるんですよね。向こうから問われる。けっこう毎日のように。それを考える。「日記屋ってこういうことなんですよ」って自分たちから言っていかなければいけない、っていう状況になるんで、自分も「日記屋ってなんだ」って考えることになる。それがすごいいいなって思う。日記屋ってどういうもんなんだろう、こういうことなのかなあ、あでも違うのかもとか。まわりからどう見られるかとか、自分たちはこうなんですとただ言うだけじゃない感じというか
阿久津
ちなみに、今、栗本さんの中で日記屋って、今日の答えはなんですか?
栗本
あはは今日の答え? そうですね、今日の日記屋、なんですかね、うーん、まあ、今日は雨が降ってて、あんまりお客さんがいなかったんですけど
阿久津
うん
栗本
難しいですね
阿久津
難しいですよね
栗本
今日の日記屋は、うーん。なんか朗読しようかなと思ったんですよね、お客さんがいなかったんで。日記の朗読でもして配信でもしようかな
阿久津
ほえ〜、いいですね
栗本
それは「雨の朗読会」って一応、雨が降った日に朗読しますみたいなことは、言ってはいるんですけど、あんまりできていなくて
阿久津
へ〜いいですね、なるほどなるほど、いいですね、で、ごめんなさい、さっき聞いた質問、あの、最後まで言わせちゃったんですけど、そういう意味じゃなくて
栗本
はい
阿久津
今の時点での栗本さんの「日記屋とはなんですか」と問われたときの答えって何になってる感じですかっていう
栗本
今逃げようと思ったんですよ
阿久津
あ、なるほど、うそ! 今、わざと、え! そんな小賢しいことをしたんですか!
栗本
いや逃げようっていうか時間稼ぎしようと思ったんです
阿久津
あはははは! なるほどなるほど。あはははは! え、すごい、完全に僕、なんだ、問いをちゃんと伝えられなかったのが発生したなって思ってたら
栗本
いや、そういうわけじゃないんです。話していくうちに出てくるかなと思って
阿久津
すごい、びっくり、え、けっこうすごいなそれ、あははははは! あそうですか、すごいですね、すごいテクニック
栗本
そう、言えるとしたら
阿久津
うんうん
栗本
「関係ないお店じゃないんだよ」っていうか、誰にとっても、ていうことだと思いますね。日記をつけてない人でも、日記に興味がない人にとっても、生活してるってだけで多分日記屋のお客さんになり得るっていうか、誰にとっても関係のないお店ではないっていう感じはしますね
阿久津
ああいいですね。最初にドリンクスタンドは親和性いいなあって言ったのとも通じていて、特にコーヒーなんかはそうですけど日々接するものと日記ってすごい、地続きじゃないですか。いやそうですね「誰も関係なくない」ってほんとそうですね、日々の生活のたとえばレシートだけでも日記ってありえるし、カメラロールに溜まっていっている写真だって日記ですしね
栗本
そうですね、まとめてないだけで、というかその人が日記だと思っていないだけで、日記になるものは多分、その人の中にはあって、どこかしらには
阿久津
ありますよねえ
栗本
だけどお店自体は異質なものとして見られている感じはあって、それは面白いなと思ったりもするし、自分は日記とは無関係だと思っている人と日記をつなぐものとしてコーヒースタンドがあるっていう感じはすごくしますね
阿久津
たしかに「日を記す」っていうのは、たぶん一般には「日を書く」っていう、執筆みたいなものに限定された印象があるのかもしれないですけど、全然それだけじゃないですよね
栗本
そうですよね。この店で何を日記とするかっていう定義は一応定めてはあって、それは買い取りとか選書とかの問題で設定はしているんですけど、それはロゴにもなっている、何月何日っていうのがそれぞれの文章に入っているものを日記と呼んでいて。でもそれ以外にも日記っていうのは多分あって、その人本人が読んだときに、日付のない文章であっても「あ、これは、何月何日に書いたやつだ」ってわかる形態になっていたら、それは多分その人にとって日記になっているっていうのもあるだろうし、日付じゃないその日の区切り方っていうのも多分あって、たとえばお母さんとかだと生後何日とか
阿久津
あ〜!
栗本
一万九百何十何日みたいなことだけをずっと書いていっても、それは日付ではないけれど、その人個人の日を区切る数字ではある、固有の数字ではあるとか、ていうのはお店のトークショーとかワークショップを行っていく中でわかっていって。だから、なんか日記を日付のあるものとして定義はしているけれど、実際は日付がなくても日記になるっていうのは十分にあって、ていうのは思ってますね
阿久津
日記は面白いですね
栗本
日記は面白いですよ。日記のことを考えてると、生活のことを考えていくことになるし、人間みたいなことを考えていくことにもなって、なんか、日記のことを考えようとすると日記が逃げていくんですよ
阿久津
おお
栗本
あれ? いま日記のこと考えてたのにいつの間にか人生のこと考えてるみたいな
阿久津
ほえ〜!
栗本
でもそれと逆に、生活してる中で「これって日記のことなんじゃないかな?」みたいなこともある。「日記ってどういうことなんだろう」って考えてるとどんどん日記じゃないことを考えてるのに、生活してると日記のことについて思ったりするみたいな感じが、いいですねそれが
阿久津
すごいなあなんか、面白いです。あ、思ったより日記のこと話しちゃった
栗本
日記のこと話しましたね
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本が好きで本屋をやってるわけではなくて、日記が好きでやってるんですよね

阿久津
お店のことに話を戻すと、開業のあたりの時期に内沼さんから「今度日記好きの人が入るんですよ」みたいなことをたしか聞いてて
栗本
それは知らなかったですね
阿久津
それが栗本さんなんですけど、そうそう、入ったあたりのときの話をうかがいたいんですけど、オープンのときからでしたっけ
栗本
そうです、あの、
阿久津
オープニングメンバー
栗本
オープニングメンバーのアルバイトの一人だったんですよね、でもそれは、フルタイムで入るアルバイトの一人って感じですね
阿久津
それまでって学生でした?
栗本
いや、あの、もうフラフラしてたんですよね
阿久津
あ、へ〜! ふんふん
栗本
フリーターみたいな感じっていうのと、フリーランスみたいな感じで働いてて、動画編集とかウェブデザインみたいなことを家で業務委託でやってたんですよね。もともとは名古屋の美術大学に通ってて、卒業したあとに東京のウェブデザインの会社に就職するために上京したんです。でもそれはその会社に行きたかったからっていうよりかは、ずっと東京に行きたくて、東京で生活したかったから、東京の会社に就職したんですけど、まあ合わなくてすぐ辞めたんですよね
阿久津
どのくらいで辞めたんですか
栗本
いやもうマジで一瞬です一ヶ月も経たないくらい
阿久津
一ヶ月も経たないくらいえへへ
栗本
それで日雇いのバイトとかをしながら最初はなんとか生活して、アルバイトとかを探して、やってたんですけど、それでちょっとずつ、まともな生活ができるようになって、学生時代にやって覚えた、技術として持ってた動画編集とかウェブデザインみたいな仕事を探しながらやってた時期なんですよね
阿久津
へ〜。なんなんでしょうね勝手な思い込みって。僕は栗本さんは東大の学部4年で、卒業のタイミングから月日に入ったっていう勝手な思い込み
栗本
なんで東大なんですか
阿久津
なんか東大だと思ってたんですよね
栗本
あははは謎ですね
阿久津
なんか日本文学研究してたみたいな
栗本
へ〜
阿久津
でも院に行って研究の道に進むことはせず月日に入ったみたいな
栗本
そんないい感じじゃないですね
阿久津
それがいい感じなのかは全然わからないけど
栗本
なんていうのかそんなきらびやかな感じではなかったですね
阿久津
ははは、この、思い込みってマジでなんなんでしょうね、これ言うまでもなく内沼さんからそう聞いたわけではないはずで
栗本
え、それってどのタイミングで思ってたんですか? 服装とか、出で立ちとかを見てからそう思ったのか、話を聞いた段階でそう思ったのか
阿久津
ねえなんか、何かが混ざって。でも出で立ちとかではないですね、最初からそう思ってたから。最初に見たときに「あ〜この人が東大出身の日記好きか」って思ったから。あははすいません
栗本
いや、ありがとうございます、面白いです
阿久津
えっと、それで、その入った時点で日記好きという属性は確立されてたんですよね
栗本
そうですね。日記好きになってたのは、大学を卒業したくらいのときに、ちょうどちょっと生活がやばいってなってたときですね。そのときに大学のときの友だちが、ネット上で鍵付きで日記を書いてて、そのURLを僕に急に送ってきたんですよね。僕しか見てない状態だったんです。それが日毎に毎日更新されていって、それを毎日読んでて、なんか、「なんなんだこの感じ」っていうのをすごく思ったんですよね。そういうのもあったし、大学のときも卒業制作とか毎日制作があって、それはでも課題とか、「こういうテーマで」とかがあって作ってる状態で、それはそれで面白かったんですけど、ずっと違和感があって、なんかしっくりこない、何をつくってもあんまりしっくり来てない感じ、その制作じゃない制作をしたい気持ちもずっとあったんですよね。それがその友だちの日記を読んでいたときに「あ、これだ。日記ってすごくいいんじゃないかってな」って思った。ていうのがひとつで
阿久津
ふむふむ
栗本
その人の日記を毎日読んでるってこと自体が、すごく救われてる感じというのか、なんでもないことしか書いてないのになんでこんなに感情が動くんだろうっていうことの不思議さとか、なんかそういういろいろがあって、どんどん日記ってすごいんじゃないか、自分がこうやって感情が動いている理由がなんなのか知りたくなっていったんですよね。ただの日記なのに、こんなになんか、どんどん夢中になってる自分みたいな。ちょうどそういうことを思っていたときに、日記屋をつくるんでアルバイト募集しますっていうのがツイッターで流れてきたんですよ。あ、日記のことを、好きって言ってる人なんているんだ、お店までつくっちゃう人がいるんだ。そのときは働きたいなとは思ったんですけど、単純に内沼さんっていう人と日記について話をしたいなって思ったんですよね。なんかその人と話せば自分がそうやって毎日思ってた日記ってなんなんだろうとか日記ってすごいなってことを、ちょっと共有できたりとか、すっきりするんじゃないかなって思って、とりあえず、働けるかどうか以前に、この人と話してみたいなって思って、応募したんです
阿久津
へ〜〜〜。いい話
栗本
えへへ! いい話ですか
阿久津
いい話ですね。面接ではどんな話になったんですか
栗本
これまで何してきたんですかみたいな話になって、大学でこういうことを勉強してて、そこから東京に来て、仕事すぐ辞めて、アルバイトみたいなことしながらフリーランスみたいになって、さっき話したような、仕事と、なんで日記が好きなんですかって話になって、好きになっていった経緯とかを話した感じですね
阿久津
へ〜〜、いい話だなあ
栗本
だから、このインタビューって本屋さんの話を聞く感じだと思うんですけど、僕って本が好きで本屋をやってるわけではなくて、日記が好きでやってるんですよね
阿久津
うんうんうん
栗本
本にすごい特別な思いがあるわけでは多分、ない。本は好きですけど、書店員とか、そういう意識はまったくない
阿久津
あ〜、へ〜!
栗本
僕音楽は好きなんですよ。それは自分でも言えるっていうか。好きってなると自意識が出てくるじゃないですか、「その音楽知ってるんだねいいよね」みたいな感じとか、なんかあると思うんですよね。だから自分はその書店員とか本好きっていう意識はまったくないんで、その、なんて言うんでしょうね、全然本を読んでないですけど、読んでないことに後ろめたさを感じてないっていうか
阿久津
うんうん
栗本
自分は日記が好きでここにいるみたいな感じ、それでやってる感じはすごいして、だから大丈夫かなっていうのはあるっていうか、このインタビュー
阿久津
ああそうですか、いや全然
栗本
本屋さんの話だけど、僕はたぶん、本でいるわけではないから
阿久津
いや面白いです、むしろそういうのも聞きたい感じもあるというか。でも、なんか、だいたい、なんか、ああでもそこまでけっこうスパッと割り切れてる人って珍しいかもしれないですね。なんていうか、「いやあ自分本なんて詳しくなくって」みたいな、こう
栗本
なんか謙遜として言う人はいると思うんですけどそういう感じではないんですよね
阿久津
そういうことですよね
栗本
そうそれすらないんです
阿久津
そのパターン珍しいしなんかヘルシーでいいなって
栗本
だからそうなんか、教えてもらったら素直に受け止められる感じはあって、「これ、こういうことが書いてあって、いいんですよ」って言われたら「あ、じゃあ読んでみようかな」って普通に思えるっていうか、なんか、それすごい楽っていうか、自分でもヘルシーな感じはしますね
阿久津
うんうん。なるほどなあ、そうかなんか、じゃああれですか、物としての本に対するフェティッシュみたいなものもあんまりなかったりします? つまり、別に読めたらブログでも紙の本でも体験としてそんな変わらないなみたいな
栗本
や、それは違いはあると思いますね、メディアの違いは絶対あると思ってるんですけど、だからといって本の形だけにすごいフェティッシュがあるとはあんまり思わないというか、ブログでのよさもあるなと思うし、ウェブ上で読む文字の入ってき方みたいな。でもこの文章は本で読みたいよなみたいなのはやっぱり、わかる感じはするんですけど
阿久津
ちなみに大学時代、制作についていろいろ考えているときにその友だちの日記を読んで「これだな」ってなったとき、自分でも何かつくったんですか?
栗本
そうなんですそれで、その友だちの日記読んだあとくらいに、その友だちと別の友だちで、誘ってっていうか、なんかグループみたいなものをつくって全員で日記を毎日書いて読み合って、それをウェブ上で公開するってことと、あと本の形にするってことと、あと曲にして、日記から歌詞をつくって、
阿久津
ほえ〜
栗本
曲にするっていうことをやってます。制作っていうか遊びっていうか
阿久津
なるほどなるほど
栗本
それはすごい楽しいですね。なんか、生み出すわけじゃなくて自然と出てくる感じというか、普通に生活してるだけで何かをつくっていることになるっていう。だから曲作りも「作品をつくるぞ」って感じじゃなくて、「今度一緒に家で遊ぶとき、なんか楽器弾いてみますか」みたいな、そのときに出てきた曲っぽいものを、ちょっとまとめて、完成させるくらいの感じなんで、それがすごいちょうどいいっていうか、「こういうことを表現したいんだ」とか、そういうことがない、ないっていうか、ないんで、そういうことがなくても、作品みたいなものをつくれる感じ、ただ生活をしているだけで
阿久津
それは、わかるなあ〜、僕も日記はなんか排泄って感覚
栗本
あはは
阿久津
あの、ふふふ、なんていうか、そういう感じがありますね
栗本
排泄。すっきりするんですか?
阿久津
や、そういうわけではないな、なんか、出して、なんていうか、
栗本
日々の営みの中で毎日することの
阿久津
うーん
栗本
で出てきたもの
阿久津
出てきたものって感じかな、なんか意思で出してるものではなくて、出ていくもの
栗本
そうですよね、自分たちの態度や生活からものが生み出される、出してるんだっていう態度はあると思うんですけど、その作品自体に、こういう思いがあるんだみたいな感じはないっていうか
阿久津
そうですね、なんか出てきたものを、意思を持ってつくっていない、ていうのはきれいに言えることではないとはいえ、わりとこう、今週はこれが出てきたんだみたいな、なんか、どっか他人事で出てきたものを見るみたいな楽しさみたいな、のはあるかもしれないですね、だからつまんないのも面白いっていうか
栗本
うんうん、そうですね
阿久津
今週つまらないな! みたいな、調子悪かったんだなみたいなははは
栗本
いい悪いってなんか自分で制御できないから、なんかもう認めるしかない感じ。あ、なんか、ありますよね作った曲とかも、なんかあんまりいい曲じゃないけどこれが出てきたしみたいな感じというか
阿久津
そうなんですよね
栗本
これはこれでけっこういいんじゃんみたいな
阿久津
そうそういい曲が出てこなかったことの、面白さみたいな
栗本
多分それ単体じゃなくて他があるから。日記っていうのが、日毎で区切られてるとか、数がやっぱりあるんで、その、比較ができちゃう、この日とこの日とか、まったくその日が、疲れたしか書いてなくても、なんかその前後でなんで疲れたのかとかがわかったりとか、「疲れた」としか書いていない文章になんの面白さもないかもしれないけど、前後の文章があることでその「疲れた」っていうことの面白さがすごい引き出される瞬間とかもあるし
阿久津
ありますねえ
栗本
こんだけ疲れたからこれだけしか書けなかったんだみたいなことを想像できたりとか
阿久津
ね、そうなんだよな。そうそう
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阿久津
いやいや、日記は危険だな
栗本
危険、ふふふふ、いい側面のことばっか言っちゃいますね
阿久津
いや、というか、単純にあの、日記の話しちゃうなっていう
栗本
ああそういうことですね
阿久津
そそ
栗本
止まらなくなっちゃう
阿久津
止まらなくなっちゃう。へーでも、なんかははは、日記が好きだっていうのはうかがっていたけどほんとに好きなんだなって思って
栗本
いやほんと好きですよ。なんか人が日記書き始めるの知ると、なんか自分のことのようにうれしくなるんですよね
阿久津
うえ〜! すごい
栗本
それに最近気づいて
阿久津
めちゃくちゃ日記屋の店長ですねえははははは!
栗本
それはなんか最初からじゃなかったです、だんだんそうなっていきましたね。「僕日記書き始めたんですよ」ってそれが、それは自分のこととか関係なしに、日記屋の店長やってるとか関係なしに、その人が日記をつけ始めたってことだけで、「続いてほしいな」ってすごい思うっていうか。なるべく、長く続いてほしいなとか、なんかそれを続けて、この人が何か日記について思ってくれたらいいなって思っちゃう、なんか応援したくなる気持ち。それはあるんですよね
阿久津
なんか、それ、楽器屋のお兄ちゃんとかとまったく同じ喜びなんじゃないですか
栗本
あ〜、たしかに
阿久津
お〜それ買うのか、練習してこいよみたいな、超いいですね、へ〜〜〜、あじゃあけっこう気持ちとしてはあれですか、お客さんに対して、なんていうか、日記に触れるっていうよりも、読むっていうよりも、書くとかのことへのエンパワーメントしたいみたいな感じがあったりします?
栗本
や、その人にとっての日記との関わり方を見つけてくれたらいいなっていう感じです
阿久津
うんうん
栗本
書かなくても、その、毎日人の日記読んでるのもすごい面白いんですよねってことでもいいと思うし、僕はそれで入ってるし、
阿久津
そかそか
栗本
最初は書いてなかったんで、だから、それでも全然いいと思うんですけど、毎日日記書くことってけっこうすごいことだと思うんですよね
阿久津
けっこう異常ですよね
栗本
はははだから、それをやろうって思ったことって、すごいなっていうか、なんか、始めようと思ったんだ、でも長く続く人ってやっぱり少なくて、やるって言ったあとに。だから長く続いてほしいなと思うし、続かないにしてもその人の日記の書き方を見つけてくれたらいいなって思うし、3ヶ月に1回しか書かないんだけどその人にとっていちばんいい書き方だったりするかもしれない、ってことはあると思ってて、そうですね、その人の日記みたいなものが見つかるようなことになればいいなっていう感じ
阿久津
やー、いいですねえ
栗本
なんか言おうとしたんですけどなんだっけな、なんだっけな、ちょっと忘れました、また思い出したら言います
阿久津
はい。なんか僕は、その、本を読むための店をやってるわけですけど、やっぱ、なんだろうな、人が、こう、人が読むことを、楽しむというか、なんかその人のちょうどいい読むスタイルみたいなのが、見つかったらいいなあみたいなことは多分けっこうわりと本当に素直に思うというか、
栗本
うん
阿久津
本もわりと「いやあ最近読めないんですよ」みたいな
栗本
あ〜
阿久津
キャント、キャンノットがすごい使われがちな
栗本
そうですね
阿久津
感じがして、自己批判的キャンノットが使われがちな分野なんで、そういうのがもっと、別にね一週間に30分読んだら、なんか整うんだよねみたいなことだったらそれでいいしみたいな、本にまつわる規範みたいなものが
栗本
たしかに
阿久津
そういう規範を薄める、弱める、みたいな手伝いができたら素直にほんとにうれしいなっていう感じが、あるんですけど、なんか、栗本さんほんとにそれの日記版みたいな
栗本
ほんと今聞いて「そうだな」って思いました
阿久津
へへへへへ
栗本
たしかに本もそうですよね、「全然読めないんだよね」みたいな話にばっかなっちゃうっていうか
阿久津
なるなる
栗本
「本って、私全然読んだことないんだよね」みたいなこととか「読めない」みたいな、「文章読めないんだよね」みたいな、全部できないほうに、行っちゃう感じっていうか。日記もほんとそうですよお店に来るお客さんだいたい、なんか日記屋入ると、「日記書いてる?」みたいな話になって、「えー書いたことない」とか「一回買ったんだけど一行も書けずに終わった」みたいなことばっかやっぱ聞くっていうか
阿久津
一行も書けないのはすごいですねはははは!
栗本
買っただけみたいな人とか、3日とかで終わっちゃうみたいな人がめちゃくちゃ多いんですよね
阿久津
そうですよね、そうですよね、
栗本
なんか別に、それでもいいっていうか、じゃあ今日また一行書けばいいじゃんとか、なんか、わからないけど、なんかその後ろめたさみたいな意識をまずなくしてほしい感じはすごいするんですよね
阿久津
ありますよね、わかる〜
栗本
なんですかねあの後ろめたさみたいなのが出てきちゃう感じっていうのは。なんかもともといいものとして扱われちゃってるからなんですかね
阿久津
うーんなんかすごい、
栗本
本を読むのはすごいいいことだみたいな
阿久津
あそう多分それすごいあると思う、多分、そうですよね、日記とかも、あそっかそっか、僕いっつも問題をあれしすぎなのかもしれないけど、多分なんか本がなんでこういう扱いになりやすいのかって、国語っていうものの存在が多分大きいんじゃないかなっていつも思ってて、なんか、授業、教科、宿題、「せねばならないもの」として接するところから、始まっちゃってるみたいな。で、日記ってそういえば今思い出したのが夏休みの
栗本
いやそうですよ
阿久津
日記ですよね。なんか、その「せねば」系は、運動もわりと、そういう文脈あるっぽくて、なんか、することがとてもよいことだから、「最近走れてないんだよね」みたいな。何かしら教育に関わっちゃうとけっこうそういうものに、なりやすいのかなっていう気が、ありそう〜。たしかに日記、なんで夏休みって日記書かされる
栗本
あれは、あれじゃないですか学校の先生が、夏休みって長期間学校に来ないから、その子の状態がわからなくなるじゃないですか、それって、教育するときに、不便っていうか、それをもっと前で言うとなんか、戦争の話とかになっていくと思うんですけど、徴兵した人がどういうこと考えてるかっていうのを把握しておくために日記をつけたりとか
阿久津
へ〜
栗本
ていうのがあったんですよね。だから、学校はもっとゆるいけど、そういうのはあるんじゃないかなっていうか、先生が、生徒のことを知るため、学校以外の時間をどう過ごしてるかみたいな
阿久津
ふ〜〜〜ん、じゃあ、なんての、監視
栗本
はははすごく悪く言うと監視
阿久津
へへへへへ
栗本
監視ですね
阿久津
なるほどそれはやりたくなかったはずだな
栗本
だし、文章を書く練習としてすごい、題材としていいっていうか、楽ですよね
阿久津
ああそれはたしかに
栗本
創作するわけじゃなくて、今日あったことを書くだけだけど、文章の練習にはやっぱりなる、文字を書く練習とか、構成をどうするかっていう練習にはなるので、そのものとして日記っていうのが合ってるっていうのはあると思うんですよね
阿久津
たしかにそれはたしかに
栗本
それも国語に関わることだと思うんですけど
阿久津
たしかにな、日記って、人は一日はどうやったって始まってしまうから、日付書いたらやっぱ書けちゃう、ですよね、朝起きた、みたいなところからね
栗本
あそうだ、思い出しました
阿久津
はいはい
栗本
さっき言おうとしたこと。その、これはちょっと今の話とは違ってもうちょっと前の話とつながるところなんですけど、物語をつくる、小説を書くとか、曲をつくるとか、創作するみたいなこと、とかって、なんか知識とか、ある程度、知識がなくてもできると思うんですけど、知識とか道具とか、いろんなことが必要になってくる、けど日記を書くことは、過ごしたその日があればできちゃうことで
阿久津
うんうん
栗本
それ自体が表現になりうるっていうか、その人個人の、だから、なんていうんですかね、誰でもできちゃうみたいなことを、なんて言おうとしたんだろうかな、なんか表現するものとして一番誰にでも勧められるもの、だからやってほしいなって思うっていうか、誰もが表現してほしいとは思わないけど、誰もが自分のことを誰かに伝える手段を持っていられる方がいいと思うんですよね。私は詩を書きます。私は曲をつくります。私は絵を描きますみたいな、ひとりでもできる、道具もなくていいし知識もなくていいものとして、知識があるとしたら文字が読めるとか、書けるみたいなことだと思うんですけど、だから、誰もが表現をしやすいツールとして、日記はすごいいいんじゃないかなっていう感じもするし、その人にとってのわかってほしい気持ちみたいなものが、表せるものとして日記があるとしたらすごくいいなって、誰にとっても、っていうのは大事な感じがある、んですよね
阿久津
へ〜〜〜
栗本
そういうのも伝えたい感じがする
阿久津
面白い、なるほど、それは僕は全然ない感覚だから面白いなって思って聞いてて
栗本
それは多分大学のときの作品づくりとかと関係してて、そうですね、アーティストだけがアーティストじゃないんだみたいな感じっていうか
阿久津
それはほんとそうですよね
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最初は収益っていうよりかは、単純にやりたくてやる

阿久津
店長になったのは、店長の椅子が空いてみたいなタイミングってことですか
栗本
そうですね椅子が空いたっていうか、前の店長が久木さんっていう方で、僕がオープニングで入ったときに久木さんが店長になって、そこから一年くらいですね。久木さんが移住することになって、じゃあ店舗は誰が運営するんだってなったときに、久木さんが僕を、指名っていうか、いいんじゃないですかって内沼さんに言って、僕がなったって感じですね
阿久津
それ、栗本さん的にはその変化って、どういう、なんていうか、どういう感じでオファーは受け取ったんですか?
栗本
久木さんの移住っていうのは少し前から聞いていたので、やっぱりお店のこと考えるじゃないですか。そうなったときに、なんとなくまあ僕がなるんだろうなって感覚は持ってたんですね。だし、自分でも、自分でいいんじゃないかっていう感じがするっていうか、その役職をやれる自信みたいなのがあった
阿久津
お〜〜〜
栗本
自信ていうか、自分でもやれる、まあ自信があったははは、自分でやったら日記屋ってものが、いい方向に進むとも思ってたんですよね。こういうこともっとできるんじゃないかっていうのはずっと思ってたんで
阿久津
ほ〜
栗本
だから嫌々とか、すごく驚いたとかではまったくなく、まあ多分なるだろうなと思ってたし、なったらやりたいこととかもあった、って感じですね
阿久津
そのタイミングで雇用形態とかも変わったりしてるんですか
栗本
あそうです、そのときアルバイトだったのが、店長職になって、そのときはあれか、契約社員になったのか、今は社員なんですけど、初期は契約社員として働いてましたね
阿久津
契約社員、契約社員って僕わかってないんですけど
栗本
なんか任期があるんですよ
阿久津
有期なんですね
栗本
そうなんです、更新をしなきゃいけなくて、半年に一回とか一年に一回とかみたいな期限があって、そのたびに「はいじゃあまた次もよろしくお願いします」みたいなのが契約社員ってことですね
阿久津
なるほど、それで改めて正社員になったわけですね
栗本
そうですね
阿久津
次に聞いてみたいのが、栗本さんの、月日の店長って具体的に何してんだろうみたいな
栗本
はいはい
阿久津
僕けっこう人の一日の流れとか一週間の流れとか
栗本
あーでもそれすごいわかります
阿久津
あほんとですか
栗本
先週美容院に髪を切りに行ったんですよ、なんかすごいゆったりした時間が流れてて、なんかこの人は、何時くらいに出勤して
阿久津
はいはいははは
栗本
何人くらいのお客さんの対応して、お客さんが来て、次のお客さんが来るまでのあいだ何してんだろうみたいなこと、すごい、見ちゃう、ていうか、普通に聞いたんですけど、なんか気になりますよね
阿久津
なんか面白いですよね、そう聞いてみたくて、いろんな人が、仕事って、なんていうか、結局具体的な時間の過ごし方の積み重ねじゃないですか、でもなんか、なんだろう、たとえば、なんの職業でもいいですけど、意外に知らないものですよね、人が一日具体的に何をしてんのかみたいなことって
栗本
うん
阿久津
なので、聞こうと思ってるんですけど、何から聞いたらいいのかな
栗本
なんか、一日を、振り返ってみると
阿久津
基本、働くときはここですか?
栗本
いや、そうでもないんですよね、家で働いてるときもけっこうあって。集中するときの仕事とかは、わりと家が好きだなって。ここでしかできない仕事は、もうここでやるしかないんですけど。発送作業とか、お店の在庫とか仕入れとかみたいなことはここでやるんですけど。それ以外の、打ち合わせとか、なんか制作とかは家でやったりすることが多いですね
阿久津
ボーナストラックのラウンジとかは使わないんですか
栗本
ラウンジもあまり行かないですね、人がいっぱいいるところが、好きじゃなくて
阿久津
へへへなるほど。じゃあ、どういうのが、いいかな
栗本
ひとまず自分で説明する感じにしますかね
阿久津
じゃあひとまずそうしてもらって
栗本
そうですね、朝起きて、とりあえずメールを見て、何か来てないかなみたいな、仕事のメールを見て、で、あとお店がDiscordっていうサービスでやり取りをしていて、お店の中の情報、「これあの人に言っておかないと」とかあとなんか、来てないかなみたいなの確認して、で、そこでちょっと1,2時間くらい仕事をして、それはメール返したりとか、オンラインで売れた書籍の発送とか、あと発注ですかね、発注とかも、お店で一回見てやる発注と、家でもやれる発注があったりして、家でやれる発注を家でやってて。で、ちょっと早く11時くらいにご飯食べてからここに来るのが多い気がします
阿久津
月日において発生する発注って、飲食
栗本
そうですねけっこう飲食の発注も多いです
阿久津
あ〜へ〜、はいはい、それはもう栗本さんが全部やってるって感じで
栗本
いや、手分けしてて、なるべくスタッフに卸せるものは卸してやってもらってて、そうじゃないもの、あんまり卸せないものの発注は、僕がやってるっていう感じです
阿久津
卸せないものって例えばどういうのがあるんですか
栗本
たとえば、これはすごい細かいんですけど、クレジットカードの、登録するのって、申請をわざわざ会社側にしなきゃいけなくて、なので引き落としとかで払うとかをしようとしたらクレジットの登録を会社の人にお願いしなきゃいけなくて。僕はその権限はないんですクレジット番号とかを知らないから
阿久津
知らないからはいはい
栗本
だから登録してないものは僕がやらなきゃいけない、なんていうんだろ、そういう権限系で僕しかできないものとか
阿久津
あれ? 栗本さんも新たに登録することはできないんですよね、
栗本
そうですそうです
阿久津
登録一回しちゃったらみんなできるってわけでもないんですか
栗本
あ、みんなできます
阿久津
あーあー、
栗本
そう、なんていうんだろうな、クレジットはすごい細かい話だからなんか違うな
阿久津
いや細かい話面白いですけどね
栗本
違いますけどね
阿久津
あそうですか
栗本
なんていうんだろな、あとその、スタッフに卸す作業を、してないものは、僕がやらなきゃいけない。したいんだけどまだできてない。本当はやってもらいたいなと思いつつ、こう、教えるのにも時間がかかる
阿久津
いやほんとそうですよね
栗本
準備が要るじゃないですか
阿久津
うん
栗本
だから、そういうのができてないものを、やってるな〜って感じですね
阿久津
業務マニュアルみたいなのって、どういうふうに整備してますか
栗本
Discord内で、投稿してるのが多くて
阿久津
なるほどなるほど
栗本
こういうふうにしてくださいみたいな文面作ったり画像作ったりで投稿しておいて、見てくださいっていう形が多いですね
阿久津
なるほどなるほど。Discordって、あれは、無料で使えるんですか
栗本
そうです無料で
阿久津
ええと、消えない
栗本
そう消えないんですよSlackは消えるんですけど
阿久津
Slackもう、すぐ消えますよね
栗本
ははははそうなんですよね、だから消えるからDiscordに移行したんですよね元々はSlackだったんですよね、消えるからって話になって
阿久津
そうかそうかDiscord太っ腹ですね
栗本
太っ腹ですね、たしか人数制限とかもないんですよ、何人以上はいくらとかは多分ない、Slackって多分ありますよね何人以上だとプロに入らないといけない
阿久津
あ、そうなんですね
栗本
多分あった気がする
阿久津
でもあれですよねSlackの有料のやつって1アカウントごとにお金かかりますよね
栗本
ていう話ですね
阿久津
すげー掛かるってことですよね
栗本
えへへそうなんですよ
阿久津
ちょっとしんどいですよね
栗本
それはその、月日がそのオンラインコミュニティみたいなのを運営してるっていうのもあって、その人たちも今一緒にDiscordの中で、いるって感じなんで
阿久津
あそかそか
栗本
それがSlackだとほんとに、お金がすごい掛かっちゃうからDiscordに移行しようって感じになって
阿久津
あ元々それもSlackでやってた
栗本
そうです
阿久津
あなるほど、へ〜、ああそうかそうか、Discordもチャンネルごとに入れられるようになってるから
栗本
そうですね、鍵付きのチャンネルとか、公開されてるチャンネルとか分けれるんで
阿久津
あ〜、こういう、ディテール
栗本
はははこの話面白いのかなってすごい思っちゃいますけどね
阿久津
僕は、聞きたいははは!
栗本
阿久津さんはそうかもしれないけど読んでる人これ面白いのかなって
阿久津
いやいや面白いんじゃないですか、あの店が内部で何のツールでやり取りしてるのかとかって、あの、まあわかんない僕は聞きたいうはははは! でもまあ過ごし方に戻しましょうか
栗本
お昼食べて
阿久津
お昼食べて
栗本
で、あとはそのお店でやらなきゃいけない仕事とかを来てからやって、それは、売れた本の発注とか、飲食の発注、それは家では見れない、在庫数とか。なるべくスタッフの日報とか報告したものを見れるような状態にはなってるんですけど、一応来て見て確認して発注するやつを発注して。あとは最近は常にイベントの予定が先に入っていて、今もワークショップが2つ同時に並行してやってるっていうのと、日記祭っていうのが控えてて、そういうのの準備とか、打ち合わせとかを、そのあとの時間でやってますね
阿久津
日記祭の準備とかってどういうことがあるんですか?
栗本
出店者の人を募集して、誰にするか決めて、その人たちとメールのやり取りが発生して、20組くらいの方がいて、その人たちとのメールのやり取りと、トークショーがあるのでトークショーの人を誰にするかというのを話し合って決めて、依頼のメールを送って、決まったらその人との打ち合わせみたいな感じ。今回はライブもあるんでミュージシャンの方との打ち合わせとか。あと会場が今回は向こうの保幼園さん
阿久津
あ、あっち使うんですね
栗本
だから保幼園さんとのやり取りとか、「会場こう使いたいんです」みたいな。とかタイムテーブル調整とか、あと告知用のビジュアルとか、作ったりとか
阿久津
あ、栗本さん自分で
栗本
そうです
阿久津
あ、さすがというか、美大の
栗本
あはは、でもそんなグラフィックデザインを学んだわけじゃないんですけど、一応ソフトは使えるんで、という感じでやって、それを入稿したりとか、ポスターを作ったりとかですかね
阿久津
半年に一回日記祭やって、でワークショップ何本かそうやって並走してってやってるとけっこう常に仕事の一部がイベント系があるっていう感覚ですか
栗本
それはそう、最近はほんとそうで、常に何かしらイベントの準備がある感じになってますね。このあいだも京都で散歩をして日記を書くワークショップをやったんですけど
阿久津
京都で
栗本
そうなんですよ。そういうのとか、あと子ども向けの、子どもと一緒に昨日のことを思い出して日記を書いて、それをその場で製本するとか
阿久津
ふーん面白そうですね
栗本
そういうのどんどん、継続して続けていきたいなと思って、そうするとどんどんやること増えていくよなって
阿久津
たしかに。イベントとかは売上への貢献もけっこう比重が大きくなってきてる感じですか
栗本
そうですね、「日記をつける三ヶ月」はけっこう比重が大きくなってきてて。最初はほんとトントンで、やっても自分の人件費が出るくらいの感じだったんですけど、今はいろいろ調整して何回か重ねるうちに、わりと収入にもなってきている感じ。他のイベントもだいたいは立ち上げのときはトントンかちょっと赤字くらいの感じでやってって、で調整していって収益につなげるみたいなやり方を今していて
阿久津
へ〜〜〜
栗本
だから京都の「散歩の日」は前回のほんと、僕の新幹線代とかで消えちゃってて、収益が、ちょっと黒字くらいだったんですけど。今後は東京とかでやってって、ちゃんと収益になるように。まあどのワークショップも、続けながらよくしていくっていう感じですね
阿久津
最初そういう新しい企画を走らせるときって、とりあえずやってみるっていう感じですか、なんか、その、採算の目処みたいなものってどのくらいの当たりの付け方を
栗本
あ〜、最初は収益っていうよりかは、単純にやりたくてやるっていう形になって、こういうワークショップやりたいよねっていうので出てきて、どうしたらそれを実現できるか。完全に赤字だったらできないし、みたいな話で、まずは実現できるまでにどうするか。参加者がちゃんと集まるかとか、場所をどうするかとか、てところでまずやるっていう感じですね。で1回目ができたら、次からどんどん収益はじゃあどうしていくかっていう感じに。立ち上げはもう、やりたいことをとりあえず形にするにはどうするかみたいなところで話し合ってる
阿久津
話し合うっていうのは、内沼さんとか久木さんとか
栗本
基本は久木さんと僕で話し合ってて、でそれを内沼さんにちょっと相談があったら相談するって形ですね
阿久津
もうじゃあ内沼さんは、ちょっと相談役であり、承認みたいなのは、内沼さんが挟まるんですか
栗本
一応確認はしてて、でもわりと、まあ言ったら「いいんじゃない」っていう。「こうしたほうがいいんじゃない」っていうのは言ってくれるんですけど、「これはやめたほうがいいんじゃない」とはならないですね
阿久津
じゃあけっこう好きに
栗本
そうですね、わりと好きにいろいろやってる感は
月日-005.jpg

どのフェーズでも「これなら続けられる」って思ってる感じ

阿久津
売上を追うみたいなのも栗本さんがみたいな感じですか
栗本
会社が用意してくれているスプレッドシートがあって、それに毎日スタッフが、日報から入力していって、それを見て僕が目標を立てたりとか、「これは新しいメニューをつくってどうにかしなきゃ」みたいなことを考えてやってくみたいな感じですかね
阿久津
なるほどなるほど。「売上未達だぞ」みたいな会社からのがあったりするんですか
栗本
週一で定例があって、毎回収益を確認するんで、「今週はあんまよくなかったね」とか「今週はよかったね」とかあるんで、圧はないんですけど確認の時間はあるんで、売上あんまりなかったら自分としては気まずい、気まずいっていうか、まあ、がんばらなきゃなってなりますね
阿久津
ピリッとするんですね
栗本
まだ赤字だねみたいな感じで言われて、がんばりますみたいな、ピリッとではないんですけど、そういう確認の時間が常にあるっていうのはある
阿久津
じゃあ、売上目標を自分が負っているというか、自分が砦だ、砦? 砦ってなんでしたっけ、自分が負ってる感覚ですか
栗本
いや、それはけっこうやらされてる感はある
阿久津
なははは!
栗本
やらされてる感というか、あんまり自分が興味ない、興味ないっていうか、やりたいことやるには売上がないとやれないから、必要だと思うんですけど、こう、いろいろ用意してくれてるからできてる感じ
阿久津
なるほど
栗本
毎週確認の時間があるっていうのもあるし、スプレッドシートで管理してくれてるっていうのもあるし、まあ一人だけだったらあんまりやれてないんだろうなっていう感じはしますね
阿久津
僕もなんか売上とかなんとかっていうのを、店長とかがどうしたら当事者意識みたいなのが、出てくるんだろうなみたいなのはここ半年くらいの。ていうか僕も今までそんなに、関心がなかったというか、「ああダメだったな」「ちょっといいな」で終わるタイプだったんですけど、ちゃんとやんなきゃな〜って
栗本
なんかまだ、オープンしてから、下がるってことがなくて今のところ
阿久津
へ〜!
栗本
どんどんどんどんよくなっている状態なんですね
阿久津
すごーい!
栗本
それも多分あって、危機感があんまりないのかもしれない。対策、たとえば冬はお客さんが少ないから、こうしようみたいなことはできるけど、全体的にどんどんどんどん下がってるわけじゃないから、焦ってる感じがないというのは多分あるなあって思いますね
阿久津
すごいですねずっと伸びてるって
栗本
そうですねボーナストラック自体の集客が、よくなってるなっていうのも思いますね。月日も月日でがんばってるとは思うんですけど。その、売上にあまり興味はないと思いつつ、店はなくなってほしくないんですよ
阿久津
うんうん
栗本
それはなんか、自分がこの店からいなくなったとしても続いててほしいなって思ってて。なので、続くためのことはやりたいっていう感じですかね。それは安定して黒字になるとか、そういうのはしたいと思うんですけど。お金を儲けたいっていうよりかは続けられることを努力したいっていう感じですね
阿久津
なるほど〜。今お店に立つっていうのはどのくらい
栗本
あ、でもそれは、わりとあって、人件費を抑えるっていうことも言われてるんで。月に何日かは入らなきゃいけないし、その、スタッフが入れない日、誰もこの日は入れないってなったら僕が入るので、朝番ですね僕がだいたい入ってるのは
阿久津
えっと、朝と晩ってことですか?
栗本
えっと
阿久津
朝番?
栗本
朝番です
阿久津
あ朝番はいはいはい
栗本
7時半から来て昼13時、過ぎくらいまで
阿久津
7時半!?
栗本
そうなんです8時オープンで7時半には来るんですよね
阿久津
そかそか早いっすね、近いんですか?
栗本
近いです僕は三軒茶屋に住んでて
阿久津
あ、じゃあチャリ?
栗本
いやバス
阿久津
あーはいはい、三茶かいいな
栗本
そうなんですだからお店番をしてるときもけっこうある感じですね
阿久津
それは週にどれくらいある感覚ですか
栗本
週1、2くらいですね
阿久津
あーでもそれ以外はもうだいたい後ろの仕事なんですね
栗本
そうですね
阿久津
すごいな、それだけ後ろにちゃんと当てられる状況っていうのは、いいですね
栗本
そうですね、これがもっと入らなきゃいけなくなったらちょっと厳しいですね
阿久津
むふふ
栗本
僕の理想としては、テイクアウトとしての売上がまったくなくなったとしてもお店としてやっていける状態が理想だと思ってて
阿久津
はいはい
栗本
それはなんか、ここは日記屋だからっていうところで。日記屋って言ってるけど結局は飲食店じゃんみたいな感じの、後ろめたさっていうか、自分がそこから脱したい気持ちがアルバイトしてるときからずっとあって。だから多分、直近の、先に見てるところはその感じだなっていう
阿久津
アルバイトのときから。すごいですね
栗本
ええそうですかね
阿久津
うんなんか、あほんとにそんな考えてたんだって思って
栗本
考えてるっていうか違和感をなくしていく感じですかね。飲食のテイクアウトのところをなくそうとは思わないけど、それで経営が成り立ってる状態って日記屋じゃないなって。まあ今はだいぶ飲食の部分で成り立ってるのが大きいんで。でもそれは否定してるわけじゃなくて、最初から完全に日記屋だけでやっていたらお店として成り立たないと思うし、日記屋の活動自体もできなかったと思うから、それは正しいやり方だと思うんですけど、バランスをどんどんどんどん、日記屋部分を大きくしていきたいなってところですね
阿久津
やー、すごい
栗本
えへへへ!
阿久津
じゃあやりたいこと、いろいろ、まだまだっていう感じですね
栗本
そうですね、まだまだ、やれてないことはいっぱいあるなって感じだし、なんでここに入ったのかとかいろいろ考えてたんですけど、入る前に、この仕事だったらずっとできるなって思ったんですね
阿久津
ほうほう、へ〜〜〜入る前にそれ思ってたんですね
栗本
入る前は仕事の内容としてそう思ってました。日記屋の仕事が、たとえばカフェの仕事みたいな感じと本を売る仕事だったとしても、続けられるなってまず、入る前に思って、それは日記に関心がある人が集まってくる場所で働くんであれば、その人たちと話せるわけだから、続けられそうだなって思ったのが入る前。で入った後は、なんかこのお店でやれることもっとあるなって思ったっていうか。自分がまずアルバイトで入ったんで、テイクアウトドリンクの仕事をかなりしてて、日記屋の仕事って、日記の本を売ってるけど、もっとやれることあるなって思ってたんですね。でそのあとに自分が店長になって、こういうことをやりたいみたいなのをどんどんやれるようになっていく、企画を立ててこうしたら実現できるかもと、で実際やったらできた、で売上にもつながっていってるみたいな。だからどのフェーズでもこう、違う場面で「続けられる」って思ってる感じというか、仕事の内容もそうだし、ここに一人でずっといて、毎日そうやって働いてる感じが僕は合ってるかもなって思ったんですよね
阿久津
うんうん
栗本
会社に行っていろんな人が机並べて働くみたいなのが僕はすごく苦手みたいで、だからボーナストラックのラウンジとかもあんまり好きじゃないんですけど
阿久津
なるほどなるほど
栗本
だからそういう働き方も続けられるなって感じもあるし、内容もやりたいことがあるから、飽きるみたいなことがないというか、ていうので続けられるなっていうのもあるし、あとは関わっている人たちがすごくいいなっていうのもありますね、集まってくる人が
阿久津
というと
栗本
内沼さんもそうだし、久木さんもそうだし、スタッフのアルバイトの方々もそうだし、話せる人たちというのか、そういういろいろで、続けられるなっていう感がある感じですね
阿久津
いいですねえ、いいですねえ、内沼さんそれ嬉しいだろうなあ
栗本
それは伝えましたよ。ずっと続けたいなあって思ってますみたいな
阿久津
うんうん
栗本
でもこれは例えばの話ですけれど誰かと一緒に生活したいとか、子供ができましたってなったときに今の給料で子どもを育てるとか、大きい、もうちょっと広い家に住むとかできないなと思って、なので給料は上がっていってほしいという話はしたんですけど。ずっとここで働きたいから、自分の状態とかお店の状態とかのバランスで、待遇っていうかがどんどんよくなっていってほしいなと思っていますみたいな話を一緒にしたって感じです
阿久津
いい話ですね
栗本
いい話ですかね
阿久津
最近ですか
栗本
それはいつですかね、半年くらい前かな
阿久津
いい会話ですね
栗本
あははなんか、前向きな会話ですね。ただ単に給料安いから上げろとかじゃなくて、持続するためにお互い考えましょうよっていう感じっていうか
阿久津
そうですよね。いやほんとそうですよねほんとそうだよなあ
栗本
いやなんか、続けたいものがあるってすごいいいことだと思うんですよね。だから僕はすごい幸せだと思ってます。ここでずっと働きたいって思えているような場所にいるわけですから。だからすごいいいなって思ってますよ
阿久津
なんかちょっと泣きそうになっちゃった泣きそうになってる
栗本
ははは
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阿久津
なんかじゃあそうか、聞くのも蛇足になっちゃうけど今後、月日っていう場所で働く中で、なんか経験してみたいこと、難しい質問かもしれないですけど、経験してみたいことって難しいですね、でもちょっと聞いてみよ
栗本
ははは経験したいこと
阿久津
なんかなんていうのかなこういうイベントやりたいとかそういうことではなく、なんだろう、どういう質問なんだろうこれって
栗本
いやでも、その、経験を目指してはいけない感じがするっていうか、何かやったから経験がある感じっていうか。やりたいこととか、それは目先のイベントかもしれないし、テイクアウトのことあまりしなくても日記屋っていうのが成り立つっていうことかもしれないし、みんながさっき人がいいって言ったような、どの人も、ここで働くことで、うれしくなるというか幸せになるみたいなことが、という状態になるにはどうしたらいいか、それを目指すみたいなことの、そういうやりたいことがいっぱいあったときの、向かってる途中に経験がある感じというか
阿久津
そうですね
栗本
経験だけを目指すとそこに行けない感じがしますね
阿久津
たしかに
栗本
だから難しい
阿久津
ほんとですね。ええとね、経験、僕だとたとえば、僕が何年か前に思っていたへへへめっちゃ卑近なあれですけど、何年か前に僕が憧れていた言葉は「打ち合わせ」っていうふふふ
栗本
どういうことですか?
阿久津
いや僕打ち合わせとかすることない仕事だったから
栗本
あ〜
阿久津
「なんか打ち合わせってかっこいいなあ!」みたいな、「なんかおしゃれだなあ」みたいな
栗本
はっはっは! あ〜〜〜、そういう経験ですか、じゃあけっこう具体的な
阿久津
いやわかんないちょっと卑近過ぎてダメかもしれないけど、僕は「打ち合わせしてみたいなあ!」みたいな気持ちがちょっとありましたね
栗本
なるほど
阿久津
いやこれミスリードする気がするあっはっはこの例は。なんなんだろ、でもそれもちょっと聞いてみたいかな。いや全然聞いても面白くないかあ。なんかそういうので浮かぶことってあります?
栗本
そうですねえ、経験、あー、なんかでもこれお店のことじゃなくて、個人的にこうなったらいいなっていうのはあるかもしれないですけど
阿久津
ほうほう。差し支えなければ
栗本
これだけいろいろお店のこと言ってきたんですけど、僕働きたくはないんですね
阿久津
あははは!
栗本
なるべく働きたくはないんですよ、だから、日記書く、僕毎日日記書いてて、日記書くだけで毎日暮らせたらめっちゃいいなと思いますね
阿久津
えへへへ!
栗本
書いてること自体がお金につながって生活費くらいは賄えて、それだけで暮らせたらめちゃくちゃいいなって思いますね
阿久津
でっへっへ!
栗本
日記書くだけで生きていくみたいな
阿久津
やーそれはいいですよね、それはいいなあと思いながら、この時間が台無しになる感じが
栗本
あはははは! いやなんていうの、それはなんかけっこうつながってて
阿久津
ほうほう
栗本
この仕事自体が、あんまり仕事だと思ってない感じというか、があるんですよね
阿久津
あ〜!
栗本
いや仕事なんですけど、自分の私生活との境界があんまりなくて、だから続けられてる感もあるかもしれないですね。仕事してる感があんまりないんですよね
阿久津
労働っていう感じではないと
栗本
そうなんですよ、全部自分がやりたくてやってることっていうか、嫌々やってる感じがしないですね、行かなきゃいけないとか。いやお店に行くのがめんどくさいときもあるんですけど、働かなきゃいけないみたいな、働かされてるみたいなことはあんまり感じない
阿久津
なるほどそれは、幸せな状態ですね
栗本
そうなんですよ、幸せな状態です、だからそれで言うと、失うのが怖いっていうのはあるかもですね。この状態がなくなってしまう、お店がなくなるとか、僕が何かしら交通事故に遭ってお店に来れなくなってしまう、そういうのはあるかもしれないですね
阿久津
いや〜それはねえ。なんか先週僕肋骨が痛いって、もうあれからめちゃくちゃ悪化しちゃって、一週間ほんとに働けなかったんですよ、もう、
栗本
痛みでもう
阿久津
痛みでもうなんにも考えられないっていう
栗本
それもう入院とか
阿久津
いやー、ね、注射とかは何回か打ったりとか、病院行きまくったりしてたんですけど、最終的に昨日打った鍼、いつも行ってる鍼灸院で鍼打ってもらって痛み逃げて、これはもしかしたら兆しかもっていう感じなんですけど、今日もうごうごうごうごしてるのはちょっとあのふふふ
栗本
痛い
阿久津
痛いからなんですけど、そうそういやほんと、動けなくなるの怖いですね
栗本
怖いし、なんか、いずれは来ることだなあとは思ってるんですけど、なんかその、阿久津さんはどう思ってるんだろう、自分がじゃあ働けなくなったってなったときに、そのときはフヅクエは続いててほしいって思いますか?
阿久津
うん
栗本
それは、なんていうんですかね、なんか、ちょっと、わからなくなりました、えーっと、そうですね、うーん、やっぱやめましょう
阿久津
あそうですか?
栗本
何言おうとしたかわからなくなっちゃった
阿久津
あはは
栗本
いやでもその自分が働けなくなってもお店が続いていてほしいなってのは僕も思ってて、だから、今の状態だとけっこう厳しくて、急に明日から来れなくなったらけっこういろいろ、パニックになる状態ではあって、そういう準備とかもだからしないといけないなって思ってるんですよね。突然明日から来れなくなったってときに、お店が続くような状態になってるっていう
阿久津
そうですよねえ、だからこの一週間は、もともと、けっこうちょうど、最近あまりそこまでの週ってなかったんですけど5日シフト入ってた週で。なんか全部結局代わってもらったんですけど
栗本
けっこう入ってるんですね
阿久津
いや、5日連続はね、ちょっと入りすぎ。でも僕全然店
栗本
平均どのくらいですか週
阿久津
平均2,3
栗本
あ〜
阿久津
なんか2くらいが理想かなって思ってる感じですけど、ちょっと、そう、先週はちょうど、うわこれどうしようって思ったんですけど、そうしたら代わってもらえてどうにか回って、なんか、あすごいな、そんなことできるようになったんだなフヅクエは、ってちょっと思いましたね。3年前とかだったら多分、
栗本
店を閉じるしかない
阿久津
うんストップするしかない。そうなんですよね、結局、それで回せるようになっていくっていうことをするためには、ほんとに、仕組み、組織、ちゃんと組織、を作ってくっていう、地道な、ことがほんとに必要なんでしょうね、ね〜そうなんですよね、属人的じゃない、ものにするっていうのは、大変なことですよね
栗本
そうですね、その、会社会社してなくても、そういうことはしなくてはいけない
阿久津
そうですよね。いや、結局その会社会社、いや会社っていう言葉が何を指すのかわからないですけど、会社になってくんですよ
栗本
結局そこに行くんでしょうね、なんか、続けたいとか、よくしようって思っていくと、整えていかなきゃいけなくなってく感じはあって
阿久津
そうですよねえ。だから、あらゆる会社が、あらゆるっていうのは多分言い過ぎだけど、多くの会社が、よかれと思ってるうちに、だんだんそうなっていくんでしょうね
栗本
だしなんか、その人の、態度、その会社の態度っていうか、いや、うちはうちで社員を幸せにするために、こういう形をやってるんですっていうことなのかなって
阿久津
そんな感じしますよねほんと
栗本
だから僕も、関わってる人が全員、幸せになってほしいなって思うんですよね。アルバイトの人もそうですし、自分自身もそうだけど、日記屋月日っていうのに関わってることで、その人がいい状態、になってたらすごいいいなって思うんですよね。だからそれを、実現するためにどこまでそういうのを整備するとか、あると思うんですけど、なんか、どんどん、ほんとなんの取材かわかんなくなってきましたね、何も考えずにしゃべってましたね
阿久津
いやそれで全然。いやーでも1年後2年後、栗本さんがどういうことやってるんだろうな
栗本
どうなってますかね。いやなんか、続いてほしいですほんとに。フヅクエも続いてほしいですし
阿久津
続けましょうねえ
栗本
なくなるとき一瞬だなって思うんですよね
阿久津
いやもう!
栗本
ほんと一瞬ですよね。なんかどんだけ規模が大きいとか関係なしに、一瞬
阿久津
ほんとそうですよ〜。去年の秋くらいからだいぶ、売上が、伸びていって、わりと改善はされたんですけど、去年の夏くらいの時点だとこのペースだとあと8か月とかでお金が尽きるなあみたいな、それはマジで、どれか閉じるとか、しないとほんとにダメになるかもみたいな状況があって、なんか、たぶん外からは、全然そうは見えないじゃないですか。まあ外からお店の状況なんてわからないですよね、その、なんかあたかもフヅクエお店増えててうまくいってるのかなみたいな
栗本
こんなところに店構えてとかね
阿久津
そもそもね
栗本
そういう印象とかはけっこう大きいと思うんですけど
阿久津
そうね余裕でやってる店なんてマジで
栗本
ないですよね。余裕ってないですよね。みんな何かしらこう、抱えてる感じは
阿久津
そうなんですよねえ。続くっていうのはほんと、すごいことですよね
栗本
すごいことです
阿久津
続けていきましょう!
栗本
ははは。やりたいことって続けたいことだと思いますね。
阿久津
あーあーあー
栗本
友だちとかもこの人とずっと一緒にいたい、って思う人が友だちだし
阿久津
「やりたいことって続けたいこと」かあ
栗本
あはは、そんな名言みたいにしなくていいですよ!
阿久津
あっはっはっは!
栗本
普通に思うなって
阿久津
でもほんとそうですよね、ほんとそうかも、やりたいことって続けたいこと、いやほんとそうかも
栗本
なんか、家族になるとか、この人とずっと一緒にいたいとか
阿久津
あーそれが、いやでもそれすごい名言が今生まれたような気がするんですけど
栗本
続けたいからいろいろ、取り組める感じがするというか。なくなってほしくない
阿久津
いやそれは、すごい名言なんじゃないですか今の
栗本
えへへ、いやすごい普遍的なことしか言ってないですよ
阿久津
ほんとですか、僕でも、なんかほら、それって要は、「あなたのやりたいことはなんですか」っていう問いを「あなたが続けたいことはなんですか」っていう問いに置き換えられるってことじゃないですかイコールってことは
栗本
そうですね
阿久津
この、問われた側の、答える頭の使い方が、言葉が
栗本
出てくる言葉が全然変わりそうですよね
阿久津
全然変わりますよねこれすごい言葉かもしれないですね、誰も、多くの人が「いややりたいことなんてないですよ」って、言うじゃないですか、それを、「続けたいことってなんですか」
栗本
いやそれはそう、ほんとそうですね、なんか僕は、音楽をつくってるんですけど、やりたいことっていうよりかは、続けたいことなんですよ。やりたいことって言うと「えじゃあそれでデビューしたいんですか」とか「CD出したいんですか」とかそっちの印象に持っていかれちゃうっていうか、でも続けたいことっていうと、ただ単に自分がやりたいことってだけ、やりたいっていうか、それをやって生きていきたい、って印象になるから、なんかもうちょっと個人的なことっていうか、やりたいことっていうと達成したいことって聞こえる感じがしますね
阿久津
うんうんうん、すごいわかる
栗本
なんかおんなじように、何十年後も、曲とかをつくってなにかしてるわけじゃなくても、友だちと、そういう行為をやってる状態だけが続いてくれたらいい感じっていうか
阿久津
それはもう日記を書くみたいなことと、めちゃくちゃ親和する話ですよね
栗本
そうですね。日記のことを考えると日記のことが逃げていってもっと生きていくみたいなこととかになるし、日記以外のこと、生きていくこととかを考えると日記が近づいてくるんですよね

店舗情報

月日-008.jpg
日記屋 月日
155-0033 東京都世田谷区代田2-36-12
※BONUS TRACKという施設の中にあります。
営業時間:
8:00-19:00(18:45ドリンクラストオーダー)
定休日:
なし
※ 最新の店舗情報はお店のウェブサイト等でご確認ください

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