読書の日記(5/29-6/4)

2023.06.10
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マクアリスタ、アミノバイタル、野川と仙川/超相対性理論、フヅクエのバリュー、連日コンビニ飯/『三人の日記 集合、解散!』、信金、食事の心配/ウォーキング、滝口悠生の文章を読むこと、1万5000歩/荒天、珈琲館、朗読の練習/虎ノ門、SPBS、トークイベント/

抜粋

5月29日(月) 

雨が強くなった。帰り、本を開く気にならなかったのでイヤホンをして「超相対性理論」を聞いて帰った。アナーキズムの回。タクラムの新しいITツールを導入する動きの話で「自分の居場所を快適にするために自分たちのルールを自分たちで作り替えていく」という言葉が明大前駅のホームで出て、店のマニュアルとかも本当にこれなんだよなと思ってとても腑に落ちて、暗い外を見ながら窓外の光を見たりしていると川を越えた瞬間があり、やっぱり野川は、思った通り、柴崎と仙川のあいだの好きなビューのところだった、道がくねってそれに沿ってマンションが立って景色が抜けるところ、そのわきに川が流れていた、ケニアの話が耳に聞こえ始めた。

5月30日(火) 

あの歩道橋の向こうが、と思ってのぼった歩道橋は間違えで、僕をどこにも連れていかなかった。すごすごと下りてトンネルを歩き、すると東側というのか、並木橋とかに続くところに出た。最初の『読書の日記』の刊行記念イベントの第2弾が青山ブックセンターで滝口さんとで、滝口さんはアイオワに行く直前とかだった。いま見えている路地に入って遊ちゃんと一緒に坂を上がっていったのは2017年の1月のことで、神社とかを過ぎて大きな道路を渡っていくと青山大学とかがある。トークイベントのあと10人くらいで三々五々に歩いて青学の近くの料理屋に向かった。そのときの歩行の調子を覚えている。道路の明かりの調子を覚えている。何がそういう印象なのかギネススタウトみたいな明るさだった。その中に金川さんもいて金川さんが僕の日記を現代美術的だみたいなことを言い、滝口さんがそうかなみたいなことを言った。それは2018年の夏のこと。今は2023年の5月末で渋谷のラジオのほうに少し進むと富士そばがあった。飯食い、信金に。

5月31日(水) 

鶏肉となすのトマト煮
人参のクミンのサラダ
塩麹で何かした鶏肉
納豆

6月1日(木) 

ぐるっと回り込んで橋に上がっていく坂道を歩いていくとその河川敷の広さ、川までの遠さがよくわかり、滝口さんの日記に出てきた窓目くん、八朔さん、けり子とジョナサンという存在のいかがわしさについて思いを馳せた。初出がここなのかわからないが元々エッセイとして始まった『長い一日』にこの名前で登場して、小説の登場人物になって活躍していったこの人たちが、日記の中に帰ってくる、というのはどういう状況なのか。ということと、マンションの光はではいつどういうふうに川面に登場するんだろう。ということを考えながら主に右を見ながら歩き、だから戯画化されたというか、ひとつの確固たるキャラクターになった感じの名が、日記で描かれること。それはただ「Aさん」とか名前が伏せられるのとはまったく違う状況で、実写の中にアニメーションの人物が混ざっているような不思議で面白い感覚になる。面白いし、滝口さんの文章の、登場人物たちに向けられる敬意と愛情の込められた眼差しが、本当に愛おしい、ありがたい。滝口悠生の文章を読むこと、それを思い出すことは、僕にとって褒美の時間だ。同時代を生きる作家に滝口悠生という人がいることの幸福は、何度噛み締めても噛み締めすぎるということはないほど大きい。

6月2日(金) 

ボーナストラックは言うまでもなく閑散としていて店に着くと山田さんがいた。そうしているうちに雨が強まっていった。しばらく話していると店の外に人影が見え、まさかお客さん、と思ったら川又さんだった。複数人いるうちに、と思って3人で協力して看板を広場から下げた。協力というのは傘をさす役、傘に守られながら看板を下げる役とかそういうことだ。しっかり濡れた。

6月3日(土) 

辞し、滝口さんと野球のこととかを話しながら途中まで一緒に帰り、僕はどこかで丸ノ内線に乗り換えた。それで新宿三丁目、そして初台。着いたのは5時半くらいで6時までは屋上にいて、途中で朝から何も食べていないことを思い出した。すっかり忘れていた。
夜番、佐藤さんと。途中途中で外で話し、誤解の怖さや面白さ、そして言葉を尽くすことについて。僕はけっこう感動していた。それにしてもヘトヘト。途中でひきちゃん本間くんからもらったお土産に手を出してそれはラングドシャで焼いたメレンゲを挟んだような感じのお菓子で初めて食べる感じのものだった。エアリーなお菓子で腹の足しにはならなかったがとてもおいしかった。「HONMIDO」と書かれていたが、本間に掛けたチョイスだろうか。

6月4日(日) 

一日シフト。前半は榮山さんと。不運にもぴったりとすべてがこの日に集まってしまった、という感じで今日仕込まないといけないものがたくさんあり、それは間が悪いと同時に榮山さんに伝授するいい機会でもあり、開店前からフルスロットルでわーっとおかずを仕込む。そのまま営業になだれ込み、忙しい感じの日になってうれしい。忙しい日の初台のこなし方をいろいろ伝えながら働き、体感としてはだいぶ忙しかった。ここのところ本当にダメな感じが続いていたので心底うれしい。
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