読書の日記(5/22-28)

2023.06.02
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『モダンサッカーの教科書』、指圧、シフト作成/できたことをまたやる、『傷を愛せるか』、『精神』/千葉坂口対談、ウォーキング、多摩川/はっきりとナーバス、箱そば、「エレクトリック」/166時間、書きたくなること、「『私小説』論、あるいは、私の小説論」/『勉強の哲学』、銭湯の集団/『ライティングの哲学』、地震、濱口竜介特集の『ユリイカ』/緊張とえずき、フリスク、トークイベント/暇日曜、ファミマのハンバーグ、ブライトン対アストン・ヴィラ

抜粋

5月22日(月) 

初台に移動して時間がまだあったので屋上でシフト作成し、時間になったので店に行って水澤さんと交代。3時過ぎくらいから一挙にバタバタしたそうでうれしいことだ。しかし交代するとお客さんはぐんぐん減っていって7時くらいにゼロになった。「うーん」と思いながらシフト作成を続ける。

5月23日(火) 

今日は橋で折り返さずに橋の下をくぐってみた、道幅が広がり、暗さが強まり、右手には木立があり、車道は向こうに逸れていったからひっそりと静かだ。少し気味が悪いようにも思ったので橋桁の影が途切れるところを足で踏むと引き返し、左側で水の音が轟轟としている、右側に河川敷に下りる階段があって途中まで下りて階段に腰掛けた。今ふたりは演奏をしているところでこれがとてもかっこいい。アスファルトは湿っていて尻に冷たさがじんわりと広がる。煙草に火をつけて景色をぼーっと見る。高速道路の照明のオレンジ色がカーブを描きながら向こうに消えていく。対岸のマンションの正面の川面には10本くらいの光の線ができていてちらちらとまたたきながら揺れている。

5月24日(水) 

遊ちゃんから借りた『新潮』は遊ちゃんが読んだときの反応がいろいろ残されていて青と赤の色鉛筆で線が引かれたり丸がつけられたりにぎやかだ。「エレクトリック社」に青線が引かれ、「オーディオの伝説だ」の「伝説」が青く丸で囲まれ、「「生々しく」、「手の動きまで見えるように」、」に青線が引かれ、「ライブそのものの音」が青丸で囲まれ、「ウェスタンの音で、ハリウッドの栄光は鳴り響いたのだった」に青線が引かれ、僕もここすごくかっこいい。遊ちゃんと喋りながら読んでいるみたいな気分だ。そこからもめちゃくちゃかっこいい。

5月25日(木) 

今日はノンシフト。来月のシフトをカレンダーに登録して、そういえば今月は、と思って今月のシフトを見たら僕は今月は166時間シフトに入っているようで166時間がサブの業務というか、店は立てば立つだけ楽しいから満足感はあるけれど、そこに甘んじることは今の僕にとってはサボりであり、経営者である今の僕、依然としてまだまだ赤字という今の状況、そこで僕がするべきことは店に立って自己満足的に楽しむことではないわけで、だけど今月はしょうがなかった。だから166時間サブの業務をこなして、もちろん店番をしながら進めたことだっていろいろとあるけれど、集中はできないわけで、だから166時間サブ業務+メイン業務という一ヶ月だったわけだ、それは疲れるわと思う。来月のシフトは120時間弱だからだいぶ軽くなるけれど、どんなふうになるだろうか。

5月26日(金) 

『ライティングの哲学』を読みながら出勤。元気になる。楽しそうに話す4人のすぐ横で聞いているみたいな感覚になる本。「僕はもっぱらUlyssesです!」とか口を挟みたい。 10時から敷野くんと振り返りでいい時間だった。途中急激に緊張の波がやってきて画面の外に出てえずいた。早いよ、と思ってウケる。

5月27日(土) 

3時でだから交代し、いったんエクセルシオール。ノートの見返し。このあと緊張が極大化する時間が訪れるだろう、そしてそれはB&Bに入ったくらいで消えるだろう、あるいはZoomの画面に入ったくらいで消えるだろう。これまでのそういう登壇とかもすべてそうだったから、きっとそうなるだろう。ひとつだけ不安が消えないのは今回は初めてのフルリモートということで、フルリモートのとき、緊張オフスイッチの場所がなかったりして、始まっても緊張してえずきそうになって口の中に唾が溜まって言葉が出なくなったりして。その場合は顔を画面から逃してえずくのだろうか。まあそうはならないような気がしたが、もしそうなったらけっこう悲惨だなと思った。

5月28日(日) 

朝ごはんのために必要だったのでセブンに納豆を買いに行くとフヅクエの横の建物、路地を挟んで隣の建物、中華料理屋と同じマンション、かつてドラッグストアだったところ、長らくシャッターが下りたままだったところ、ほんの一時、経営状況とか後先とか考えず、借りられないかなと思っていたところ、借りて倉庫兼セントラルキッチン兼コーヒースタンド兼書店みたいなことやれたりしないかなと思って物件の情報を嗅ぎ回ったりもしていたところ、噂では薬局が入ることがすでに決まっていると聞いていたところ、だけどうんともすんとも言わずにシャッターが下りたまま歳月が流れたところ、数ヶ月前にテナント募集の貼り紙があったところ、そのけっこう直後にスーツの人たちが何人も来て中を見ていたところ、そこの工事が今日もされていて大工たちが煙草を吸いながら休憩していた。何語かわからない言葉が話されていた。中を覗くと小部屋がいくつかつくられるようで、その様子と初台という街への先入観から、
「またクリニックができるのだろうか?」
という考えがやってきて小部屋は診察室とお手洗い。でも狭いだろうか。全体で広さは12坪。クリニックというのはどの程度の大きさがあればつくれるのだろうか。
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