抜粋
3月27日(月)
家に戻ると打ち合わせまでまだ時間があったので昼飯をつくることにして焼きそばをつくってピーマン人参ウィンナー長ネギしいたけもやしを入れて実家の冷蔵庫というのはなんでもあるものだなあと感嘆する。つくっているときは意識していなかったけれど伊智花と中鵜が石巻焼きそばを食べる場面を昨夜読んでそれで頭の中に焼きそばがインプットされた面はあるかもしれない。おいしそうな場面だった。
3月28日(火)
今日はこのあと温泉に行こうと話していたのでそのとおりに遊ちゃんと出てゆったりと散歩。昨日だったかに内沼さんが今週土曜日の1日はボーナストラックの3周年でB&Bはオールナイトで営業するというのをツイートで見てフヅクエもオールナイトやりたい、夜中にB&Bで本買ってフヅクエ行って始発まで読むとか最高過ぎるなと思って考えたのだが僕は土曜が4時からの初台の夜番で、だから8時間働いてから下北沢に移動して朝5時とかまで店を開けておくというのは、きっと大変だろう、日曜も6時からの夜番だし、ぐちゃぐちゃになっちゃいそうだ、だからさすがに諦めかなと思いつつ、どこかでまだ「やれないかな」という気持ちがあるようでうねうね考えている。いずれにしても今年はどこかでオールナイトとかやってみたい気持ちがずっとある。
3月29日(水)
いったん雨も上がったかと思ったが閉店したころにはまた降っていたので傘を持って帰った。帰り道は『すべては1人から始まる』を再開して「クリエイティブ・フィールド」という言葉とかにまだ馴染めないががんばって読み進めた。帰ると遊ちゃんは布団の上で毛布にくるまって丸く座っていた、僕はコンビニで買った明太子スパゲティを温めて食べた、今晩は何を読んで寝ようか、吉田健一だろうか、と思ったら驚いたことに『樵る』を手に取っていてベルンハルト終わって即ベルンハルトとは! 我ながら驚く動きだった。
3月30日(木)
読書感想文コンクールでAIの悪用を防止するために規約が改定されたとかなんとかというニュースを見かけて、作文でもなんでも、当然そんな便利ツールがあればやるだろうなと思うけれど、それが普通になっていったときに必要になってくるのは書く能力ではなく審美を見極める目みたいなものになっていきそうだと思う。何が美しいのか、何が面白くないのか、それを見極める目をどうやって養っていくのかというところで、逆説的に、そのときに書いた経験が要請されるのではないかということを思って時代遅れの発想だろうか。自らの手の稼働によって学んでいくというプロセスがごっそり抜けるというか、今までのプロセスとはがらっと変わったときに、人は良し悪しを判断できる目を持ち続けられるのだろうか。
3月31日(金)
帰ってから働こうとするも無駄に時間だけが過ぎていく。かわいい猫アカウントをフォローした。久しぶりのことだ。2時半になった。3月が終わって、3月は僕個人としても肋間神経痛で何もできなかったし店も停滞した感じがあってしょんぼりな1ヶ月となった。布団に入ると少しだけ樵る。
4月1日(土)
昼食後、家を出る時間までちゃんと働こうと思うのだが体が動かず布団に入ると簡単に眠る。起きると全身が疲労しているのを感じるし強烈に眠い。この感じは気圧かな、と思って「頭痛ーる」を開いたら前にも後にも何も表示されていない、なんの注意も表示されていない、バグったかなと思うようなまっさらな画面が表示されていたので笑った。気圧は無関係にもほどがあるというレベルで無関係だったということだ。
4月2日(日)
昨日夜ふかししすぎた。飯食ってまた眠く、今日は遊ちゃんも眠いらしい、でも仕事をしないといけないからどこかに行こうかなと言っていて僕は出なければいけない時間までまた昼寝しようかなと布団に寝転がり、いやでもダメだぞこれ、と思って遊ちゃんに合わせて一緒に出た。こうやって無理にでも動き出してしまえば動けそうな気になるものだね、と僕も遊ちゃんも思って、だけどふっと気を抜いたらすぐ眠くなるというのもまた僕も遊ちゃんも同じく思っていたことだった。