読書の日記(7/4-10)

2022.07.15
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一生懸命プレゼンテーション/ときめきがほしい、くまざわ書店、アンディ・ウィアーの新作!/今晩は読書ナイトだ!/プレスリリースの美意識/今野書店、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』下巻、『初めて書籍を作った男』/サイゼリヤでアンディ・ウィアー/期日前投票、パドラーズ、トルティーヤ/調布でヴィーニョ・ヴェルデ、タコスナイト/速すぎるアンディ・ウィアー/ガストでアンディ・ウィアー/配膳ロボット、恐れに屈すること/長い投擲、投票/「私の全人間の転倒」、プルースト、遅さの擁護

抜粋

7月4日(月) 

それで調布に着くと珈琲館に入って仕事。珈琲館も寒い。2時間くらい勢いよく働いて出、プルーストはプルーストでそのまま面白くあってくれたらいいんだけどそれとはまた別に何か読みたい、わあ、これを今晩読みたい、みたいなときめきがほしい、そう思ってくまざわ書店に行ってみる、小説のところに行って並ぶ本を眺めながら、うっすら思っていたのは先週榮山さんと話した岩波書店の沖縄にゆかりのある神学とかを学んだ人のやつであれを読みたいと思いながらも今は小説の棚の前だ、それでぼんやり視線をさまよわせていると、ああ、いつものやつだ、何を読みたいのかわからないあの塞ぎこむ感じの予兆だ、と思っていたらふっと何かが目に止まって、どういう順番で認知したのだろうか、「えっ」と声が出たと思う、僕の目の前にあったのは「アンディ・ウィアー」と書かれた本で、アンディ・ウィアーの新作だ。こんなにときめく出会いって他にありえる? と思うようなレベルのときめきだった、仕事を全部なげうってこれを読む夜をやりたい、と強烈に思うようなそういうときめきで上下巻だった上巻だけを買いながらどうせ下巻も読むんだから買えばいいのに、新手の吝嗇? と思ったが今日は上巻ということらしかった。ウキウキしながら、唱くんは知ってるかな、教えてあげようかな、だけどきっともう知ってるだろうなー、そんなことを思いながら帰る。

7月5日(火) 

結局2時過ぎとかまで話していたのか、出ると腹が減っている、その前に今野書店に行く。初めて行った、セブンの並びですぐそこだった。入るなりなんだかいい雰囲気だ、入り口が新刊の小説の島でその裏側ががっちりした人文書というそういうところが僕にいい雰囲気と思わせるのだろう。外国文学のところに行くとアンディ・ウィアーの下巻があったので取り、その横に『初めて書籍を作った男』という本があって帯には「目次、イタリック体、カンマ、正誤表、ページ番号、序文、献辞、索引、文庫本……これらはすべて、たった一人の人物によって発明された。史上初のベストセラーを世に送り出し、読書の世界に革命をもたらした男の物語」とあってめちゃくちゃ面白そう。アンディ・ウィアーとルシア・ベルリンのあいだにあるけれどこれは小説なんだろうか、小説だろうがノンフィクションだろうが面白そうだ、強く興味を惹かれたので、重くなっちゃうな、と思うのだがこういうのは出会いだ、だから買って今野書店はなんだか活気もあっていいお店だ、また寄りたいし寄るのだろう、ひとまず空腹なので富士そばへGOだ。それで飯食って下北沢に移ったので今日は特に意識せず3店舗制覇の日になったわけだ。

7月6日(水)  

起きると月例会。大会議室に集まる。川又さんの背景が移動している。実家に帰っていて今お母さんの運転する車に乗っているとのことで、今日も和やかに始まる。あれこれ話し、最後のほうで僕が白湯の運用について提起した、真夏は常温で行く? というのがその提起だったのだが、何人かが、気になってお客さんに聞いたりしているけれど意外にも白湯が選ばれがちだし、聞けば聞くほど何を選ぶかの傾向がまったく見えない、という話がされてすごくおもしろかった。僕が言い出すまでもなく自らヒヤリングをしているというのもとても嬉しい感じがあった。話し合いの結果、夏も基本は白湯を用意して、でも常温でも氷入りでも出しますよ〜というのを表に出すことで冷たいのを所望しやすいようにしよう、ということに決まっていい議論だった。月例会が終わると西荻窪のふたりに残ってもらって少し話す、日々のSlackでの連絡事項のボリュームがたっぷり過ぎてこれを休みの人が夜に受け取るのはけっこう重くない? しんどくない? と聞くとふたりともそう感じていたらしくて話が早かった。Slackは最低限必要なことを伝えるだけにして、店に着いてから知ればいいことは全部Notionの新聞でやろう、という話。不快さを取り除くこと、そのためには不快さに自覚的になること、自分の感じ方を諦めないこと。これはどこまでも大事なことだなと思う。

7月7日(木) 

せっかく幡ヶ谷に来たので、ということでパドラーズに行く。けっこう久しぶりの感覚で、アイスのカフェラテを待ちながら隣のスペースの展示を見ていた。木のあれこれでベッドの脚とかトイレットペーパーのホルダーとかいろいろある。ふんふんと言いながら見ていると店の人が寄ってきてカタログみたいなやつをくれた。3Dプリンターでどうこうで、なのでこのくらいの値段で、みたいなことが言われてたしかに木工のわりにはお高くないなと思っていたところだった。ふと地面を見ると丸いものがあり、よく見るとそこには「トルティーヤ・ウォーマー」とある。またトルティーヤだ。あらゆることがトルティーヤにつながっているわけだ。昨日だったか、立て続けに起こる偶然の一致みたいなものに対し、まさにそうなるべくしてそうなっている、みたいな感じで受容していたらそれは統合失調症の初期症状だった、みたいなものをツイッターで見た。

7月8日(金) 

午後、榮山さんと交代。榮山さんのTシャツには「LOVE」と書かれていた、ボーナストラックの壁には「VOTE」のポスターがたくさん貼られている。LOVEとVOTEは構成されている文字がほとんど一緒だ。LOVEはラブだがそういえば「OVE」でなんでこの発音になるのだろう、他にあるだろうかと思うと「DOVE」とかがそうか、あれはどういう意味なんだろうと調べると鳩だった。 月日からアイスコーヒーを持った内沼さんが出てきた、広場のテーブルでしばし話す。今日のこと、月曜のこと、来月のこと、コーヒーフロートのこと。
それからはラウンジで仕事。やるべきことをやりつつも、気づいたらすぐにツイッターを見ている。
あー
いやあ
はー
なんなんでしょう、これ
うあーまじか
すべてが最悪になっていく
これは違う
最悪
8時過ぎ、今日はもうダメだわと諦めて解散。

7月9日(土) 

帰りはもちろんヘイル・メアリー号の区間急行で。本を読んでいるあいだは頭の中が静かになっていいなあ、とつくづく思う。その時間の中にぐっと体と意識が入りこんで、落ち着く。駅に着いて本を閉じた瞬間に頭の中のザワザワが始まる。本から離れると途端に重力が発生するみたいな感じだ。本の中にずうっといたい。というかあと1時間もすれば読み終わりそうな分量だったので今日、このまま読んじゃおう、と思って一度家に帰ってチャリを取るとガストに。ガストが気に入ったようだ。唐揚げの定食を頼んで飲み物は水。ビールを飲もうかとも思ったがそれは夜の外食=アルコール摂取という惰性によるものらしく、飲みたいか? とちゃんと問うたら酔いは要らないという答えが帰ってきたから頼まなかった。この判断ができたのはうれしい。本を読んでいるとロボットが唐揚げ定食を運んできて、料理を持ってきましたニャン、みたいなことを告げてくる。

7月10日(日) 

7時くらいまで働くとエクセルシオールに退避。疲れているから無理かなと思ったが意外に仕事がはかどった。偉い。9時で切り上げ帰る。往復書簡をひとつ読む。死んでいない者を思うこと。どんどん読みたいのだが一日一通にしないと終わっちゃうので閉じ、プルーストに移行。ホテルの支配人が言葉を間違えながら話し続ける滑稽なパートが続くと思っていたら、改行された途端に「私の全人間の転倒。」という一文が現れて驚く。本当は驚かない。なぜならその一文は赤ペンと緑ペンでぐるっと囲まれていて、そこから続く文章もぐるーっと赤で囲まれていたからそのページに入った瞬間に何か重要なことが起こることは感知していたからだ。読んでいた大学時代、赤は「超大事」、緑は「好き」みたいな意味として使っていた、「私の全人間の転倒。」は超大事であり好きだったのだろう。しかし好きはまだしも、重要というのはどういう意味なのかとは思う。
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