読書の日記(3/28-4/3)

2022.04.08
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朝からセルバンテス/鮭の炊き込みご飯、身動きが取れない、『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』を読む/実効性のある法/豚肉セロリ長ネギしめじこんにゃく麻婆炒め/宝味八萬、a day.、おそうざいと煎餅もんじゃさとう、代々木八幡観光/とにかく4月から、とにかく4月から/ミカン、盛況、ツタヤブックストア/Notion講習会/『OODA LOOP』、死者の重さ/僕たちには意味が必要だ

抜粋

##3月28日(月)  こういうときは気が抜けるようなものを読んでみたらどうかと思って昨日買った『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』を取ってきて読み始めた。「読めないガイドブック」と題されたこの2巻では著者はパリにまつわる本をひたすら集めている。『こぐれひでこの もっと!パリへ行こう』を買って「もっととは」と苦笑したすぐあとのことだ。
パリのことがもっと知りたい。神楽坂のかもめブックスに行った時には、あえてガイドブックではないものと考えて、本多さおり監修『もっと知りたいパリの収納』(KADOKAWA)などを買った。パリの収納は普通と何が違うのか? またしても「もっと」が出てきたが、私は何も知らなかった。 友田とん『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する 2 読めないガイドブック』(代わりに読む人)p.21
なんだかこれがじわじわと染み入るように面白くて口を曲げて笑ってやっと笑ったような気がしたのでいい選択をしたというわけだ。
##3月29日(火)  9時過ぎに切り上げて日記の赤入れをしながら帰る。着き、あと4ページくらいだったので駅のベンチで赤入れを終わらせてから改札を出る。ビールを2本買って帰りビールを飲みながら仕事を続ける。ザ・じゃない、ジ・アクティブ・ノンアクション。アクティブ・ノンアクションの鏡みたいな働きっぷりだった。
12時過ぎて肉を解凍して豚肉とセロリと長ネギとしめじとこんにゃくを麻婆っぽい感じの炒めっぽい感じというか生姜とにんにくとごま油と酒と豆板醤と甜麺醤と鶏ガラと味噌で炒め煮た感じのものをつくって煮ているあいだプランクをしたり昨日の漫画を読んだりした。ロシアの記事を読みながらその炒めものと炊き込みご飯とカブのスープを食べて満腹。
##3月30日(水)  それであれこれ教えたり見守ったり屋上で仕事をしたりしながら営業して今日もコンスタントにお客さんがあっていい練習になってとてもよかった。今週は昨日も一昨日も平日のわりにはお客さんがとんとんとあって春休みだろうか。5時過ぎに出、駅前のベンチに遊ちゃんがいる。それで代々木八幡の方向に歩いていってパン屋さんまでは今も行くがそこが終点で、そこから先の坂になって下っていく道を行くことは今ではもうない。元代々木に住んでいた時は家に向かう道だ、毎日のように通っていた道だ、懐かしさもあるけれどそれよりも安心感というか安定感みたいなもののほうが強くやってくる感じがして依然としてホームということらしい。山手通りの見え方も道路に沿って建つ建物の様子も落ち着くものだった。ただし代々木八幡宮は少し変わっていてこれまで見えたことのなかった左側の階段とか白い壁とかが見えて葉っぱが落とされたとかだろうか、木が切られたとかでなければいいのだがと思ってそれで通り過ぎて、ご飯をどうしようか歩きながら検討した結果ピクニック形式にしたのは今日の主役は花見だったからだ。
##3月31日(木)  『OODA LOOP』は軍事戦略の何かがビジネスでもなんとかみたいなそういうやつでダンケルクの戦いのことが書かれていてなぜドイツが進撃できたのか。その話の途中で駅に着いて家に帰って椅子に座ると続きを読んで、それから仕事、仕事、と思いながらダメで4時間くらいスマホを見ていた。帰り道でぽつぽつと落ちていた雨はそれから本降りになっていった。まったく動けない。でも今週はしょうがない気がしていて今週は毎日シフトだし22日に休んだのを最後に働き続けているしこうなるのもしょうがないよな、こうなるよな、と思いたいがうまく思えない。とにかく4月から、とにかく4月から、と言い聞かせて今日は諦めて、まあ明日にしわ寄せが行くだけなんだけどね。飯食って布団に入ってリョサ。
##4月1日(金)  ぼんやりした頭で家を出て電車が混んでいる。ここのところ前よりも混んでいる気がするがそんなに時期で変わるものなのだろうか。ギュウギュウで本も開けない。途中でアナウンスが流れて後ろ寄りの車両が比較的空いていると告げられる。「後ろ寄り」という言葉も面白い。「後方」で十分そうだがそれだと何か問題があるのだろうか。それから今日から新年度ですねとアナウンスは続いてなんの時候の挨拶が始まるのだろうと思ったら大学とかの新学期はこれからだから、ということは今後はもっと混むってことです、と実に説得力のある放送がされて親切な車掌さんだ。話は続いて、なので、この時間だとそうなので、時間をずらすのも検討してみてください。そう言われてもと乗客は思った。
##4月2日(土)  ビールビールレモンサワーレモンサワーと4杯だけだったのだが妙に酔っ払ったみたいで本を開いてアメリカ軍の軍事ドクトリンに見るアジリティと言われてもまったく頭に入る感じもなく諦め、眠い、野球の記事を読んでも頭に入らない、眠い、スマホが落ちた音と衝撃ではっと目を開けて前の座席に座っている人の足に落としてしまった、すいませんと言いながら拾ってそれで起きたのだがそのあとも頭をというか背中からレベルでがっくんと体が折れるようなそういう眠気でさすがにちょっとみっともないんじゃないですかね? とにかく早く着いてほしい、この状態で俺は駅に着いたらビールを買うのだろうか、という問いが浮かんでは消え、浮かんでは消え、俺は今酔っ払っているだろうか、これが酔いであればこれ以上飲むのはやめるべきだろう、だけどもしただの眠気であるのなら飲んでも構わないかもしれない、だけど本当にまだ飲みたいかね、飲みたいとか飲みたくないとかじゃあないんだよな、飲むか飲まないかなんだよ、それはどういうことなんだろうね、どうもこうもそういうものなんだよ、そういうもんかね、そういうもんなんだよ、楽しくて飲んでるんじゃあないんだ、そうだったのだね、それなら好きにやったらいい、もうとやかくは言わないから……無事乗り過ごすことなく済んで自販機で水を買ってコンビニは一度は素通りしたが「あ」と思って引き返して戻って入るとチャーハンのおにぎりを買って食べた。
##4月3日(日)  山口くんが戻ってきてしばらくすると帰ることにし、リュックには鶏ハムと冷凍ご飯。『OODA LOOP』を開いて偉大な将軍みたいな人の発言を読んだりしながら戦場という死ぬ確率の高い場所で学習を重ね経験を積み考えを練り上げていくというのが僕にはどうも想像がつかないものに思えるらしい。だって死んだら終わるんだぜ? というそういう感覚。だからこそ死なないように死なせないように学習するんだと言われたらそうだが、だけど死んだら終わるんだぜ? と思ってしまってわからない。研ぎ澄まされた戦略の語りの中に生きた人間が、そしてその人間が死ぬ可能性が含まれているとどうしても感じられない。それでスーパーに寄ってネギとレタスと春菊を買って昨日チャーハンおにぎりを食べた流れで今日はチャーハンを作りたくなったらしくてわかりやすい。春菊は野菜もちょっとはと思って和え物にでもしようという算段だった。ビールは2缶。雨はずっと降っていて向こうからライトを灯して走ってきた自転車が金切り声のブレーキを掛けて止まる。予報を見ると明日いっぱいは降り続けるようで長い雨だ。明日の午前中に家の近くで立派な桜がまとめてありそうなところを見つけたと遊ちゃんが言ったそこに一緒に行こうと言っていたのだが雨より晴れているほうがいいから明後日にリスケし、それで野球のハイライトを見ながらプランク。それから春菊のごま和えとレタスチャーハンの作成。
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