読書の日記(11/8-14)

2021.11.19
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村田沙耶香を読む休日/乾き物の読書晩餐/漫画のアプリで『善悪の屑』/法人設立準備/三省堂書店で『令和元年改正法対応 知りたいことがすぐわかる 図解会社法のしくみ』『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』『リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』『心理的安全性のつくりかた』買う/ヴェイルとスローンの意思決定の特徴/応募者との面談/朝まで仕事/ビジネスマンについて/「Number Web」、阪神の戦前、戦後/ドラッカー、まさかの2周目/フヅクエはハックできない/『本の読める場所を求めて』韓国語版出来/税理士さんからドストエフスキーとかをもらう/毎晩ベルンハルト/フォントのインストール、A1明朝、A1ゴシック/なか卯の倫理/

抜粋

11月8日(月) 

玄関の廊下に一冊本が置かれていて『地球星人』だった。昨日話を聞いて、読みたいかも〜と言っていたら遊ちゃんが置いていってくれたようだ。今日はこれを読む一日にしようと思う。どこかに行こうか、文喫とか久しぶりに行ってみようかな、あるいは家なら、昼からビールを飲みながらかな、あるいはコーヒーと甘いものなのかな、とひとしきり迷った末に寝室に入って、午後のこの部屋は薄暗い、読書灯をつけて布団にくるまって、お布団読書の始まりだ。怖いと聞いているからいったいどんな怖いことが起きてしまうんだろうと身構えながら読んでいて、そしていちいちゾッとする怖いことがたしかに起こっていく。「私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか」。遊ちゃんが入ってきたのでこれは怖いねえと言うと、今どのあたり、と聞かれて葬儀のところと答える。ああ、いけない、そんないいところで邪魔しちゃいけない、と言って自室に戻っていった。

11月9日(火) 

夜、9時半からまた打ち合わせ。太田さん酒井さん。11時半くらいまで。終え、『善悪の屑』をまた何話か読む。経営者とは、と頭は考えている。猟奇殺人とか見物しながら。ちゃんと働け。

11月10日(水) 

終え、8時から店。日中はどうもずいぶん忙しかったようで、初台も忙しいみたいだ、どうしたどうしたと思う、うれしい。しかし僕が来たときには客人はもうゼロで、それから閉店まで人っ子一人、人間を目撃することはなかった。僕はさっそくスライドを、と思ってテーマの編集ばかりやっていた、難しい、一向に格好がつかない。いい加減にして中身をつくることに着手して、着手が大事だ、というところで閉店。夜のひとけのないボーナストラックは久しぶりだ、ロープを張って回る。カレー食って帰る。
帰り道はドラッカー。

11月11日(木) 

帰シフトは6時からでそれまではラウンジで仕事をしたり、それから殿塚さんとベンチで話し込んだりして過ごした。ボーナストラックは本当にありがたい、いい場所だなとつくづく思う。
で、交代。引き継ぎがてら佐藤くんと看板に取り付ける照明の相談をして、クリップタイプのやつで灯す方針だったが、胃袋にズキュンが外に出しているテーブルに置いているランタンみたいなものを見たらああいうので下からそっと照らすのもいいかもしれないと思ってちょっと試したい、それで胃袋に入ってちょっと数分借りていいですかと言って借りて、灯して、ふむふむ、と考える。ランタンはバルミューダのやつで、調べたらひとつ1万4000円してずいぶんいいものを使っているなあ! と思う。
で、交代。お客さんはてんで来ない。資料づくりを進める。
暗くなった夜の広場で國友さんと久しぶりに話す。

11月12日(金) 

ドラッカー読み終え、死都調布。なか卯は昨日食べたし、他に何かないでしょうかと思ってラーメン通りを試しに入ってみると光が見えて前に行ったタンメンのお店と隣のつけ麺のお店が開いていた。金曜の夜だからだろうか。つけ麺というものを僕は食べたことがなくて、じゃあ食べればよかろうと思うのだが日和ってタンメンに入る。すごく賑わっている。塩味のタンメンとライスを頼むと「Number Web」でクライマックスシリーズ直前の阪神についての記事を読んだ。レギュラーシーズンは惜しくも2位だったが勝機はある、ヤクルトとの対戦ではかくかくしかじかとあって、阪神はヤクルトと相対するまでもなく巨人に簡単に負けてシーズンを終えたことを知っている今読むと、また違う面白さがあるというか、あっけなく破れ、矢野はダメだ、監督の違いが出た、みたいなことを散々言われているけれど、始まる前はこういうトーンだったんだなと思う。読んでいる途中、わりとすぐにタンメンとライスが来て野菜が摂れてうれしい、おいしい、阪神が終わると今度は東尾さんが語る松坂大輔みたいな記事を読んだ。いい話だった。

11月13日(土) 

先週処分されそうな文庫本の山に「いただいてもいいでしょうか?」と張り紙をしていたそこに「いいよ カザマ」と返信があったので、風間先生の本を引き取ってきたそれを紐をほどいて山口くんと盛り上がる。ドストエフスキーが山盛りで、新潮文庫で出ているやつは全部あると思う、いやひとつだけない、ないのは『罪と罰』で、しかし『罪と罰』は岩波と角川でなぜか2パターンであって角川文庫の『罪と罰』は金ピカだった。
新潮文庫のドストエフスキーは大学時代にゼミで毎週一作読むような無茶な一学期があってそれで全部読んでいたつもりだったしそうやって読んでみたドストエフスキーはどれもめちゃくちゃ面白かった、難しい文学みたいな見え方で敬遠されるのがもったいないような面白さ、名前の呼び方さえ慣れたらもう普通に、バキバキに面白いという面白さだったのだけど、あのときはまだ出ていなかったのだろうか、『未成年』は読んだことがなかった。『二重人格』もやっぱり気になるし、それからトルストイは『戦争と平和』と『復活』で、山口くんがやたら気になっているソルジェニーツィンという作家の『ガン病棟』もやはり面白そう。

11月14日(日) 

帰り、もうひと仕事、と思っていたのだが体が動かない。椅子に座って長いあいだぼーっとしている。寝るまでベルンハルト。ここ数日、寝る前の読書の時間が短すぎるというか、布団に入るころにはもう眠りそうな状態で、これでは読めないよなと思う。だけど毎日、ほんの少しずつでもロイトハマーという存在に触れていると、なにか親しみのようなものが生じてくる、育ってくる感覚もあるみたいで、開くたび、おっすロイトハマー、元気にしてるか? という気になる。おっすロイトハマー、元気そうで何よりだよ、俺は先に寝るね。
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