フヅクエ下北沢、店内でのご協力いただいている事項の変更のお知らせ

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フヅクエ下北沢における、お過ごしのみなさんにご協力いただいている事項を11月1日に変更します。( 12月1日からさらに変更しました→○
要約すると、「ペン、短時間しか使えず。勉強・仕事・執筆・作業はしていただけない」という、「ハードコア・フヅクエになりました」という変更です。
下北沢は初台と比べてよりコンパクトな空間のため、同じ空間で過ごす他の人の過ごし方がより体験の質に影響を及ぼしやすく、快適な読書と共存できるものが初台とはまた異なってくる、ということが4月から運営していくなかで見えてきたため、変更することにしました。
なお、初台は、仕事や勉強自体には制限を設けていません。ただし、パソコンは閲覧のみ可でタイピングは一切できなかったり、ペンの扱い方について注意いただくことがあったり(転がさないでね!とか、カチカチ気をつけてね!とか)とか、そういったことは設けています。
そんなわけで、下記、「下北沢はこんなふうになります」です。案内書きから変更箇所を抜粋。
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ペンの使用時間
読書の合間合間に「あ、そういえば」みたいな感じで手帳を開いて5分10分なにかを書く、みたいな過ごし方はもちろん大丈夫ですが、常になにかを書いている、という過ごし方についてはご遠慮いただいています。がっつり書き続ける必要がある場合は、お外でどうぞ。
勉強・仕事・執筆・作業
このコンパクトな空間で、がっつり読書を楽しむぞ〜と思ってやってきたら、隣の人はガチ勉強だった、というような状況は、たとえそれが静かであれど、なにか白けた気分をもたらしかねないと考えます。そのため、勉強・仕事・執筆・作業はご遠慮いただきます。もちろん、「読書を通じての勉強」であるとか、「仕事の一環としての読書」というのは大丈夫です。
また、「作業を伴う読書」というものもあると思います。こちらは、前項の通り、「ペンを使い続けるものについてはご遠慮いただく」というところです。具体的には、「常にノートが開かれていて常にペンを握っている」であるとか「ゲラなり資料なりに常に書き込みをしながら読む」であるとかが該当します。「ときおりメモ帳を開いて気になる一節を抜書きする」みたいなものは大丈夫です。このことは、「ノートをがっつり作り込みながらするのが自分の読書スタイルだ」という方にとって不満のあるものだと思います。「本の読める店」だと聞いて来たのに、自分の読書スタイル、やらせてもらえないわけ? 超不自由じゃん、こんなの、本の読めない店じゃん、という感じの。少し話は逸れますが、映画館で隣に座った人が、めちゃくちゃにメモを取りながら映画鑑賞をするガチシネフィルの人だったことがあったのですが、これがかなり耳障りなもので、ずっと気になってしまいました。それがその人にとっては真剣に映画と向き合う方法であることは理解できるしそのスタイル自体は否定されることではまったくないのですが、公共空間において、ある人の行為が、他の楽しみに来た周囲の人の時間を損ねるものであるならば、積極的に肯定されていいものではない、その自由は制限されてもやむを得ない自由じゃないかな、と思います。この空間における「ノートをがっつり作り込みながらする読書」もそこに該当する、という判断です。
(なお、この項目は初台にはないもので、ペンの扱いに気をつけていただくことはあれど、勉強等自体を制限してはいません。空間によって必要なご協力事項は異なるようです)
パソコン
でかくて存在感が大きいので、閲覧もご遠慮いただいています。ちょっとパソコン仕事、というときはご遠慮なくお外にどうぞ。椅子もたくさんありますし、広場は気持ちよくていいですよ。
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という感じで、下北、めっちゃ暇、惨状、というこのタイミングで、よりお客さんを削りそうな内容の変更で、頭おかしいのかな、という感じはあるんですけれど、まあ、早め早めに変更しよう、というところです。
春に下北沢を開いて半年間ほどやってみて、なかなかおもしろいなと思うのは、「快適な読書を守るための決まりごとみたいなもの、快適な読書と共存できるものは、周囲の環境とか空間の構造とかによって異なってくるんだな」という発見があったことで、だから、今回のようにご協力いただく事項に限らず、たとえばフヅクエの根幹のひとつをなしているように見える料金の仕組みの設計とかすらも、店の条件によって変わってくる可能性があるんだよな、という。
これは初台だけやっていたときには考えたことがなかったことで、他の環境に身を、というか店を、置いてみるのはおもしろいですね。なんというか、大きな可能性を感じたりもしているところです。
そんなわけで、下北沢・ハードコア・フヅクエを、どうぞよろしくお願いいたします。