#フヅクエ時間、始まりました(旧 #自宅フヅクエ)

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\#フヅクエ時間、始めました。
\#フヅクエ時間 は、「今もどこかで、誰かが本を読んでいる」という、単純だけど、なんだかうれしいその事実を、地図の上に点在する読書のともしびによって可視化させる企てです。
「今からこれを読みます」
「今日はこんなものを読んでいます」
みなさんの読書の時間を教えてください。
読んでいる場所、その本を持って訪れたい街、物語の舞台になっている国、お好きなところに明かりを灯し、ツイートしてみてください。
明かりは5時間経つと消えます。(位置情報等の取得はありません)
というものです。
自宅で、通勤の電車で、職場の昼休みに、あるいはカフェで、はたまたフヅクエで、「嬉しい読書の時間」=「#フヅクエ時間」を楽しんでいただけたら、とてもうれしいです。
(もちろん、「#自宅フヅクエ」のときのように、このサイトを経由せずにハッシュタグ付きでツイートしていただくだけでも、うれしいです)

「#自宅フヅクエ」を始めたのは僕にとって念願の2店舗目、フヅクエ下北沢オープンの直前だった。
【3月中は閉めます&自宅フヅクエを開催します】
苦渋&苦汁の決断ですが。
明日から「俺たちの読書の時間は奪えやしない」というところで #自宅フヅクエ なるものをやってみます。このタグでみなさんの読書の時間を教えてください。12時開店22時閉店で。開始の時間にまたツイートします。 本読もう。 pic.twitter.com/BKiKqLckPl
— fuzkue | 本の読める店 (@fuzkue) March 27, 2020
3月末、「外出、しないでくださいよね」という週末を迎える日、この状況の中で、フヅクエにできることはないのだろうか、と考えた。
自由に外出ができない。多くの人が、家での時間を半ば強いられる。そのときに、自宅でのなんでもないいつもの読書の時間をほんの少しだけイベント化することで、より豊かで愉快なものにできたら、と思った。それは、フヅクエが掲げている「ただでさえ楽しい読書を、もっと楽しく」という言葉に、完璧にかなったものだった。
始めてみると、たくさんの方がこのハッシュタグを使って読書の時間を共有してくれた。連なるそのツイートたちを見ていると、「一人だけど独りではない」という、これまで本の読める店フヅクエがその店舗空間で実現してきた空気に似たものが立ち上がるのを感じた。それは、「ツイッター上に生まれる読書の公共圏」とでも呼べそうなものだった。とてもよかった。いたずらに人と繋がりたいなんて一切思わないけれども、うっすらと感じる他者の気配、他者の温度というのは、どこまでも尊いものに見えた。そこには穏やかで静かであたたかで控えめな、でも何か確かな連帯が、生まれているように感じた。
最初はその週末くらいのものかなと思って始めたこの取り組みは、その後も外出控え要請の日々が続いていく中で、ずっと続けるべきものとして位置づけし直された。それからまた続けていく中で、これまでのツイート群という線上だったものを、一挙に、同じ場所に存在させることができたら、より、なんだか同じ時間、というものが感じられるようになるのではないかと思った。また、必ずしも自宅からではない参加の方々を見るにつけ、僕たち自身が店から投稿するにつけ、「自宅」という言葉が余計なものに感じられるようになった。これは自宅の時間に限らず、フヅクエの時間なんだ、ということをもっと正しく伝えるワーディングがあると思った。
という中で作られたのが、「#フヅクエ時間」です。ごくごくシンプルなサービスだけれども、自賛だけれども、「え、こんな平和で美しいウェブサービス、めったになくない? すばらしすぎじゃない!?」というふうに感じています。すごくいい。
そんなわけで、繰り返しですが、自宅で、通勤の電車で、職場の昼休みに、あるいはカフェで、はたまたフヅクエの実店舗で、「嬉しい読書の時間」=「フヅクエ時間」を楽しんでいただけたら、とってもうれしいです。
最後に厚かましいお願い。俺はこんな景色が見たい! と思って勢い込んで作ったこのサービスは、言うまでもなくお金を払って作ってもらったものです。テクノロジー&デザインカンパニーであるところのN sketchに実装していただきました。
今後、参加の方からいただくのではない形で何かしらお金を得る方法を考えたいなと思っているのですが、いまのところ無策で、いや、いまのところ無策とかマネタイズがどうとかではなくて、もしこのサービスを利用することで、「むはー、なんかちょっと対価払ったりしたい〜」と思われたりしたら、#フヅクエ時間のページ内投げ銭ボタンを設置していますので、そちらから投げ銭いただけたら、とてもうれしいです。もちろんというか、お金だけが応援の方法ではなくて、このサービスに参加してくださることそれ自体が僕にとって報いなので、「お金を払っていなくて恐縮」みたいには思わないでいただきたいです。とにもかくにも、それぞれの読書の時間がよりいっそう豊かで愉快なものになることに寄与できたら、幸せです。
今もどこかで、誰かが本を読んでいる。