渋谷のラジオ 内沼晋太郎「渋谷のことば。」

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にお招きいただいて今朝、ヘッドフォンをして自分のくぐもった声を聞きながらマイクロフォンの前で一時間、話をしてきた。
この番組はタイトル通りブックコーディネーターの内沼晋太郎さんがホストとなって呼んだ人と最近気になった言葉についてあれこれと話をするという趣旨のもので月1回水曜日の朝9時から10時にやっているものとのことで、webいじりが月曜あたりでひと段落して本当によかったと思った、もし終わっていなかった場合は僕の頭の中は起きているあいだはずっとコードのことがうごめいていたので、とても人間と人間らしい会話を持続させられる自信がなかったし、話しながらも「これが済んだらあの箇所とあの箇所をこうしてみよう」とかずっと気もそぞろだったんじゃないかと思う。取り憑かれるという状態は本当におそろしい。
そういうわけで僕の今週というか先週くらいからの一週間はぐちゃぐちゃのリズムでというか一切のリズムをもたない一週間で寝ても覚めてもwebいじりをし続け、4時とか5時とか6時とかまで延々といじり続け、頭の中をギラギラさせたままシャットダウンするような感じで眠りに落ち、起き、仕事の合間にコードを打つというよりはコードを打つ合間に仕事をするような調子になり、また朝まで作業を続け、ということが月曜くらいまで続いて、けっきょく月曜の夜も4時まで起きていたし、この話をいただいて何よりも心配したことは「水曜朝、果たして起きられるだろうか?」ということで、8時45分集合だったので、そもそも僕は8時45分にはまだ寝ている時間なので、というか9時から10時が放送ということで、10時が起きる時間なので、7時半とかに起きるとか、そんなことは到底不可能なのではないか?それが最も心配されたことだった。だが昨夜は一生懸命努力をしたところ1時半くらいに就寝し、3時ごろに目が覚め、それから寝たり起きたりを繰り返しながら7時半のアラームできれいに目を覚ますことができた。快挙といって差し支えのないことだった。要はラジオで生で話すなんて当然したことのないことなのでわりと緊張していたということだった。
朝、渋谷に向かった。空は曇りでたいへん寒かった。人々は仕事に向かっていて、朝のこの時点では、この日も世界は無事に運行しているように見えた……
それで渋谷のラジオの場所に着いたのでお邪魔した。
渋谷のラジオは今年の4月からやっているコミュニティFMという何からしくて、僕はラジオはどうやったら聞くことができるのかも知らない程度に聞くことのない人間なのでよくわからないのだけど、アプリを使うと全国で聞くことができると教わった。
それで時間になったので「ON AIR」と扉の上にある部屋に入って、それで音楽が流れるか何かして時間になると、内沼さんが選ばれたなにかの一節を朗読するところから番組を始めるらしく、この日は保坂和志の『プレーンソング』の冒頭が読まれた。内沼さんの声を通して触れる保坂和志の文章は思いのほかにとてもよくて、朝から保坂和志の文章が朗読されるラジオとか最高最高だなとアガるものがあった。
それでそこからあれこれ、事前に考えておいてねという課題だったので絞り出した3つの気になる的な言葉についてとか、話した。緊張しながらも楽しい時間だった。目の前の何かの何かに表示されて0:00に近づいていく数字を見ながら過ごした一時間はあっという間だった。全然うまくしゃべれなかったし僕は文章を書くときと変わらない調子でゴニョゴニョ言うだけでどこにも着地しない感じの話し方だったけれど、まあそういう人間なので別にいいかと思った。言葉に関連する曲というか選んだ言葉の一つがその曲のリリックだった(なお他2つは横浜DeNAの筒香選手のことと「ボブ・ディランさん」のことだった)ためcosaとkid fresinoの「Swing at Somewhere」を掛けさせていただいた。勤勉で、できるかぎり善良で、気遣いのある人たちは踊ってくれ。いい朝だった&貴重な経験をさせていただいた&午後から世界がおかしな様子を見せ始めた&一日猛烈に眠かった。