記念すべき日(というわけではないにせよ)

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これまで再三書いてきた通り「目指せ繁盛店」というのを掲げてここまで営業してきたわけなんですが、昨日、短い間だったしたった全10席とは言え、席が全部埋まるということが起きた。
昨日は夜に友達と飲みに行く約束があったため当初は休みにするつもりだったのだけど、夜以外に予定もないし、日銭を稼ぐのも悪くなかろう、飲み代だけでも作れたらいいよね、メイクマネー… と思って12時から19時という変則的な時間で営業した。(飲みに行ったら誕生日とたぶん開店祝いもあって「払わなくていいよ」となって、「やったぜ!」と全力で思った。全力で思った)
それで白日のもとにフヅクエがさらされる、みたいな感じで明るい昼間から開けたわけなんだけど、まあいつも通りで、いつも通りだなあ、ま、でもいっか、休みみたいなもんだ、みたいな感じでいたら、夕方になってトントンとお客さんが来られ、気がついたら席が埋まった。
僕は想定していなかった状況にわりとあたふたしながらドリンクを作ったりご飯をお出ししたりし、洗い物がたまり、ああ、こういう感じになるのか等、初めての感覚に感心しながら閉店までを忙しく過ごした。
営業を続けていくためにはもちろんお金が必要で、お金のためには基本的にはお客さんの数が必要で、だからこういう状況に対して僕が「やったぜ!」と感じるのは当然だ。
一方、お客さんにとってはどうなのか、という話があるわけで。
特に気に入ってくださったらしい方がよく口にされるのは「あまり人に知られてほしくない」ということで、聞くたびに「それほんと超わかりますよ、ほんとそうですよね」と僕も返すのだけど、「でもこの店は席があるていど埋まっても快適さは損なわれないんじゃないかっていう気はしてるんですよね、どのみち喋れないし」とも付け加える。
だから僕の仮説は「人がたくさんいてもこの空間は大丈夫」ということだった。イナバ物置みたいな感じということだ。
で、じゃあ、実際どうだったんだろう、ということが気になって、終わり頃に帰られた方にお会計のときにちょろっとうかがってみた。
一人目は厨房エリアから一番近いソファに座られていた方で、何かにつけて僕はそのわきを動くことになるからすごく鬱陶しいことになってるんじゃないかと思って、「すいません何度もウロウロして落ち着かなかったのでは」みたいに言ったら「全然気にならなかった、ものすごくリラックスできました」とのお答え。
二人目はカウンターに座られていて、まだすいている状態から徐々に満席という時間を過ごされた方。「お客さん多くなって居心地って変わったりしましたか?」「人が多くなったなってのはわかったんですけど影響はなんらありませんでした」とのこと。
そういうわけだったので、ひとまずは「それならよかった」と思った次第。
3連休。
土曜も日曜の夕方までも本日も閑古鳥が耳もとで鳴き続けるため騒音性難聴になるんじゃないかっていうような時間を過ごしておりますが、「これもしかして繁盛店?」みたいな瞬間を2時間くらい経験できただけでもよかったです。御の字です。と言い聞かせる。徐々に、徐々に、と言い聞かせる。
photo by ayumax
(店内で撮られていて、なんか上手そうだなーと思ったため「ください」と言っていただきました)