「読書×〜」の「〜」を考える

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昨日はけっきょく掛け算の話に辿り着かなかったのだけど、ひとまずフヅクエはブックバーやブックカフェといった「本×〜」の店ではなく「読書×〜」の店と言いたい、というところだった。もう一項はでは何か。
「読書×酒」、というのがパッと思い浮かぶところなのだけど、それだとインパクトとして全然強くない。
実際に本をゆっくり読みながら酒を飲めるお店がどれだけあるかといえば少なくても僕にはほとんど浮かばないし、そういう店がほしい、とってもほしいんだ、と思ってやっているのだから、内実としての「読書×酒」は十分に強いと少なくとも僕は思っているのだけど、掛け算の項目として、聞いた人の印象に刺さる度合いとしては頼りないとしか言いようがない。
では何か。その、掛け算が定石だよ、と教えてくださった方は、「読書とミートボール、とかじゃないですか、あくまで例えばね」と言われていて、もちろんそれは一つの例示でしかないのだけど、「あくまで例えばね」を聞き逃したかのように「お、そっか、じゃあミートボール作ろうかな」とか思う程度には僕は安直なので一瞬ミートボールの材料を買いに行きかけたのだけど、やっぱりミートボールじゃない。ミートボールを作るのはいいけど、ミートボールを売りたいわけじゃ全然ない、当然だけど。
あ、それじゃあれかな、「読書×(わかんないけど珍しいとか面白いとかのお酒)」とか?
今日の日中、僕は友達と会うので、前から一度行ってみたかったGood Meals Shopに行ってサンドイッチを食べてすごくよかったのだけど、やたらな種類のジンがあった(店員さんはたしか40種以上とかおっしゃっていた)。今日は仕事前だし飲んだら酔いそうなので飲まなかったのだけど、今度は絶対に夜に来よう、と思った。明確に「色々なジンを飲んでみたい」と思ったのだった。
先述の方は掛け算ともう一つ、というかその話の中で、友達に伝えやすいフレーズを持てると強い、とも言われていて、その話でいっても「コンビーフとか色々手作りで、あとジンが何十種類もあるってお店なんだけど」というのは、とても「行く行く」となりやすいね。
なので、ジンはもう使えないので、好きなお酒だしラム酒にしようかな。「読書×ラム酒」
「珍しいとか面白いとかのお酒の銘柄」では全然ないけどちょっと楽しそう。
あと「読書×クラフトビール」でも十分に響くかもな、今だったらまだ、とも。「クラフトビール」単体を売りにするのはもはや相当にハードルが高いだろうけど、第一項に「読書」があれば、わりと消費されちゃった言葉であっても十分に輝くような気がするね。
むしろ、「珍しいとか面白いとかのお酒の銘柄」とは書いたものの、組み合わされ方さえ目新しければ、それぞれの項目は特別なものじゃなくていいのだろうし、特別なものじゃない方がいいのかもしれない。「ペルー文学×ピスコ」とか「フランス文学×アブサン」とか謳ったらあまりにも狭いというか。
「本とコート」なんてまさに組み合わせの妙だし、店とかの命名もそうなんだって教わったなそういえば。
しかし、それにしても、驚いたのだけど、僕の手から今、「目新しければ」という言葉が打ち出された様子なのだけど、「おいおいおいおい」と思う。その感覚は捨てようというかそもそも持つなよ、と。いつからそんな消耗戦の中に入ろうとしているんだ、と。大変危険。
あと「×ラム酒」も「×クラフトビール」も書いたけど、まずやらないだろう。少なくとも今は。それらに対する知識や経験がなさすぎる。信念や敬意がとぼしすぎる。
ではどうすればいいか。