オープンから一ヶ月、現状

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気がついたら店をオープンさせた10月17日から一ヶ月が経った。毎夜、いい時間が流れているように思えてとてもいいなと思っている。
事前の宣伝なし、2階で看板なし、というなんというか「お客さん少なくてもしょうがないよね」という自分への言い訳が最初から用意されているところに思い切り寄りかからせてもらうと、「ま、お客さん少なくてもしょうがないよね」という日々が続いている。
少しずつ増えているというような感じでもないから、どうなるんだろうなという気にもなる。
というのはわりと半分くらいは本当で、残り半分は、「ま、大丈夫でしょ」と構えている。そのことに自分でもびっくりしている。なんなんだこの平然とした態度は、なぜお前はそうも安らかに眠りにつけているんだ、と思う。
本を1,2冊買えば消えるような売上の日なんてザラにあって、でも不思議とそれで凹むという感じが今のところない。ずっと凹まないわけではないけれど、気分の上がり下がりの根拠に日々の売上という項目が今のところ入ってこない。
同じ売上でも、「なんだかみなさんいい時間過ごしていただけたんじゃないかこの感じ」みたいなときは元気いっぱいで、「さっきの方、全然ダメだったのかな…」みたいに感じたときに落ちる、という感じになっている。だけどこれとてわからないもので、「あ、ダメだったのかなと思ってたらまた来てくださった」みたいなこともあり、そういうときは「わーい」という感じで喜ぶ。
今のところお客さんの数は増えないし、店の認知自体どれだけ広がっているのかもわからない。明るい兆しはそう見えないようにも感じるけれども、飲食店のスタートって普通どういうものなんだろうな。
僕は開店からひと月という今の段階でネットなり人づてなりで知って興味を持ってくださった方が初台でわざわざ降りて階段を上がって来てくださるということそれ自体が「すごいことだ」という感じでいるのだけど、そんなウブなことも言っていられないのかな、知らないけど。まあお客さんが増えていかないと早々と消えるということは客観的な事実というか口座残高と月々かかる最低限の費用を考えさえすれば明らかなのだけど。
明るい兆しはそう見えないと書いたけれども一つだけ「これは」ということはあって、今のところ約3人中1人の方がもう一度以上来てくださっている。この事実は僕をおおいに励ましてくれている。
そういう方々の足がこれからどれだけの回数フヅクエの階段を上がってくださるのか、それは僕にはもちろんのこと多分彼らにもわからないことだけど、何人かでも、「掛け替える場所がとうてい見当たりませんわこりゃ」みたいになったら存在意義的には万事オッケーというか超うれしいよね、と思っている。
なお、10年くらいは余裕で続く予定です。
photo by ayumax
(店内で撮られていて、なんか上手そうだなーと思ったため「ください」と言っていただきました)