大学時代にブログを通して知り合った一回りくらい年上の方の家になんで遊びに行くということになったのか今となっては思い出せないのだけれども、そこでなんでだったか、本を紙袋いっぱいにいただいた。読んだものと読んでいないものがあるけれども、多分、そこでいただいて読んだのが保坂和志と僕の出会いというか出会いって言うのかな、出会いなんじゃないかと思う。もしかしたらその前に『プレーンソング』あたりは読んでいたかもしれない。思い出せない。
そこでいただいて読んだのが小説論三部作の最初のやつ『小説の自由』で、それがまあべらぼうに面白く、それ以降の僕の小説観を完全に決定づけたと言っても過言ではないか過言かはちょっとわからないが要はおおいに影響を受けた。『プレーンソング』も『草の上の朝食』も『季節の記憶』も『もうひとつの季節』も『この人の閾』も『カンバセイション・ピース』も『カフカ式練習帳』も『未明の闘争』も、どれを読んでも本当に、あ、はい、すごいものすごいです、という気になる。
そういうわけで僕にとって保坂和志は数少ない、新しいのが出たら読みますよもちろん、というたいへん重要な作家で居続けている。
読売新聞の朝刊か夕刊かで連載されていた『朝露通信』の単行本が発売された、というのを何かで知り、それは読まなければ、というか猛烈に読みたいです、というので書店に行った。
下北沢のB&Bに行き、なかったので青木淳悟の『男一代之改革』を買った(青木淳悟も保坂和志ほど熱心にではないにせよ「数少ない~作家」の一人で、既刊のものはたぶん全部読んでいる。そういえば先述の紙袋の中には青木淳悟のデビュー作もあったのだった。そしてそれはやはりべらぼうに面白かった。ということは僕は結構なところその方によってその後の読書の方向付けをさせられたといってもいいのかもしれない。言い過ぎかもしれない)。
お店の方にうかがったところ、出版社に問い合わせてはいるのだが入荷は未定、とのことだった。
やはり、新聞連載小説みたいなわりと売れそうな(知らないけど)雰囲気のやつだと配本の優先順位みたいなところであれこれあるのだろうか、みたいなところで、それじゃあむしろ、と思って同じ日、オペラシティのくまざわ書店に行った。なかったのでペイパル創業者のピーター・ティールの『ゼロ・トゥ・ワン』を買った。
その足で、まあきっとないよな、と思いながらも近所の本屋さんに行ったがやはりなかったので『Pen』のウィスキー特集を買った。
(店内で撮られていて、なんか上手そうだなーと思ったため「ください」と言っていただきました)