『若い藝術家の肖像』を読む(23) 『アイルランドを知れば日本がわかる』を読む(2) イギリスを知る

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前・駐アイルランド大使であるところの林景一『アイルランドを知れば日本がわかる』を読み終えた。知らないことばかりだったので大変に興味深く、アイルランドについての知識が深まるというか増えるとともに、その国への興味や好感なども湧くに至った。
それにしても、アイルランドってイギリスの一部じゃないって、それすら知らなかったんですけどこれやばいっすかね。やばい気がする。
12世紀末、アングロ・ノルマンによるアイルランド侵攻からイギリスの植民地化が始まり、1801年には正式に併合される。これで「グレート・ブリテンおよびアイルランド連合王国」ができて、読んでいる限りだとたびたび反英反乱が起こって、例えば1867年フィニアン団によるそれとか、で、1916年のイースター蜂起というやつあたりから独立戦争か何かが始まって1921年まで続いて、1922年、700年に渡るイギリスの支配から卒業、という運び、という。
で、そのときに、アイルランドは濃密なカトリックの国なんだけど、アイルランド32県のうち6県、プロテスタントが多いのが北部にあって、そこの人たちが「俺たちイギリスに残ります」つって北アイルランドとしてイギリスに残留したと。
なので今は「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」とのこと。へ〜、でした。
(ちなみにそのときの北アイルランドの中にいた少数派カトリックの不満分子が反英反プロテスタント軍事闘争組織であるところのIRAの始まりか何かとのこと)
そういえば先日映画館に行ったときに見た映画の予告編で、イギリスが舞台のやつで、大英博物館がどうのとかで「ブリティッシュ」とか「イングランド」とかそういう言葉が聞こえて、「そういえば俺、そこらへんよくわかってないな」と思ったんだった。今から調べてみる。
あ、なるほど。ブリテンってなんなんだろうなあと思ったらブリテン諸島なんですね、それでスコットランドイングランドウェールズがおさまっているのがグレートブリテン島というのか。
イギリスはイングリッシュなんですね、いやそれは知ってたか。ブリテンがなんかよくわからなかったんだ。どこから出てきたんだ、ブリテン、というか。
じゃあブリテンてのは地名だからわりと透明な感じするから北アイルランドの人以外はブリティッシュっていう呼ばれ方でOKなのかな、と思いきや。
「スコットランド人やウェールズ人には、民族的アイデンティティーを無視した単語として「British」と呼ばれることを嫌う人もいる(もちろん彼らを「English」と呼ぶのはタブーである)」
イギリス - Wikipedia
大英博物館はイングランド系の何かなのかな、と思ったら違った。「British Museum」なんだね。イングランドもUKも日本語だと「英」な感じだからなんか区別がつきにくいというか、へ〜というか。
(ちなみにスコットランドは「蘇」で、ウェールズは「威」っぽい。蘇格蘭と威爾斯。北アイルランド、どうなるんだろう。アイルランドが愛蘭土で愛なので、北愛とかなのかな。二文字ってありなのかな。)
いやあれか、「イギリス」っていうのがやっぱりいけないのか、というか。UK=イギリスってなっている日本語が僕の認識を色々こじらせるというか。容易に先に引いた「彼らを「English」と呼ぶのはタブーである」のタブーを踏ませる日本語になっているというか。「イギリスの方?」「違うに決まってんだろ、こちとらスコットランドですよ!」みたいな。「あ、ごめん、そういうつもりじゃ、UKの方かなっていうくらいのつもりだったんです、すいませんなんか」というか。
なんか勉強になった気がする。