フヅクエができるまで(12)7月12〜16日、最初の見積書

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僕はわりと酩酊している。ウィースキー何杯かと雨音。ブログをなぜか夜、3本も書こうとしている。これが3本目。終えたら寝よう。引用から始めよう。
「0712
キャンプ
0713
キャンプ
0714
伝票入力。食器等の整理。
0715
たぶん役所で書類取ったり記入したりだと思う。」
なんもやってない、というのがよくわかる。何してたんだろうこれほんと。キャンプは大学時代の友人に誘われたのだったか、行った。おっぺ。埼玉の越生町とかだった。僕は車出動隊になり、親の車を借り、大宮から集合場所の高円寺へクソ早い時間に起きて行き、それからまた埼玉県の越生町に車を走らせたのだった。なんだこの無駄足は、と思っていたはずだ。キャンプの2日間はたいへんよかったし、僕は15の歳から10年連続とかでフジロックに行きましたみたいなのが自分の唯一誇れるものみたいな感じでいたのだけど、気の置けない人たちとあるいは多少置ける人たちとでも音楽でも鳴らしながら火でも囲んでキャンプでもする等すれば、苗場での楽しみのほとんどは手に入るのではないか、とその二日で思うに至った。
まいいや。そんなことは。
7月16日。「渋谷にて内装打合せ。ビーガン料理屋で」
この日、確か映画を見た。アレハンドロ・ホドロフスキーの『リアリティのダンス』を見た。それが僕には見たそばから忘れていくような感じだった。そもそも僕はホドロフスキーで感銘を受けた経験がなかったから、その通りになっただけだった。何を期待して見に行ったのか。
そのあと渋谷を歩き、歩道橋を越え、ほとんど踏み入れたことのなかったエリアに入り、集合場所のビーガン料理屋さんに行き、人々と会った。永山と荒井さんと。
そこで大変ヤミーな料理をいただきながら、ビールを飲みながら、荒井さんが持ってきた見積書と対面した。
見積書とか内装図面とかで気になっていたのがファイル名が「初台ブックカフェ」となっている点で、毎回「ちげーんだよ!!」と思っていた。「まあいいか」とも。
それで「初台ブックカフェ」とやはり記入された見積書にはひとまず自分らが大して動かないで、わりとあれこれを業者に頼んで、というパターンが示されていた。それが550万だった。それを叩き台にして、この項目はどうしますか、自分たちでやりますか、このトイレはどうしますか、めっちゃいいやつなんですけど、みたいな話し合いをした。
例えば解体の部分などがわかりやすい。もともと半スケルトンみたいな物件で、まっとうな高さになっている天井(組んだ木材と発泡スチロールみたいな材質のやつでできている)を一番というか梁とかの構造が見えるところまで上げて高くする、よくわからない間仕切りになっているコンクリートブロックを壊す、トイレの区画のブロックを壊す、それで初めて本当のスケルトンになる、という感じで、ひたすらハンマーとか電動ドリルとかでぶっ壊していくのだけど、そこを業者に頼むか、自分たちでやるのか。天井上げ13万、間仕切り撤去3万9000円、トイレ間仕切り解体19500円。合わせて19万弱。19万かけるか、体を動かすか、そういう話で、体を動かしますと。
その他に床を張るだとか壁を塗るだとか終わった後の美装工事をどうするだとか。やれることは全部やりますと。
そういう意思確認めいたことをおこなって、それじゃあそれに則ってまた見積もりを作ります、という感じでこの日は進んだ。他に、ビーガン料理屋さんのトイレの手洗いのやつよかったっすよね、木材の上に手洗いボウルの感じ、というので写真が撮られ、今の手洗いはそれを倣っている。等々。
渋谷から大宮まで永山と電車で帰りながら、きっと何かを話した。