フヅクエができるまで(6)6月20〜23日、町を学ぶ、見上げて歩く、再内見

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光陰は矢にそっくりという感じでちょっと放っておくとすぐに追いつかなくなって、今日は6月20日から23日までを飛ばしていかねばならぬ。
そういうわけで6月20日は友人のお知り合いを紹介していただきお会いした日だった。
物件探しの一助というか参考に、いろんな町に詳しい方がいるよ、みたいなのを聞き、それはぜひうかがってみたいと思って紹介いただいたというか。その時分のその友人とのやり取りのメールに「なんだか紹介してくださいみたいなのってすごい自分の性に合わないというか申し訳ないなーと思うのですが、今回は勇気を振り絞ってお願いしちゃいます」とあり、最後の「しちゃいます」が今見てぞっとしたのだけど、ともあれそういう性分であり、初めてそういう形で人を紹介していただくというあれとなった。暑い日、オフィスにお邪魔した。
で、これがまあ、すごい面白くて。お会いした夜とかに友人に送ったメールから。「やはり見知らぬ方とお会いするのは苦手らしく、行く前にひどく緊張して気持ち悪くなったほどだったんですが」、いざお会いしてみたら「本当に気さくな方で」、ひたすらこのエリアはこういう性格ですね、みたいなのを教えていただいたのだけど、おのぼりさん的には「ほえ〜」の連続だったし、「話の進め方、言葉の選び方がすごく僕好みで、わーこの人のことすごく信頼しちゃうなーとあっという間に。そして、それにしたって東京の生き字引ですか、と思いたくなるほどに色々な町のことをよくご存じで、どこまで活かせるかはわからないながらも、すごく参考になるお話をうかがえました」
ただ一方で、やはりご紹介いただくみたいなものが苦手なことがこれと通じ合っているのだと思うのだけど、「一方的に喜んでおいとましたのですが、人の時間をいただくのってやっぱり本当に恐縮だなと、あれこれ考えだしたら臆病な気分になって帰ってきました。僕もいつか人に何か与えられるようになりたいな、などと。」
僕もいつか人に与えられるようになりたい。そうだね。そう思います。
飛ばしていくつもりが1日で1000字近く使ってしまったのだけど、文字制限なんてないからそりゃいいのだけど、でも本当は1エントリー1500字くらいで収めたいという気持ちはあるのだけど、まいいや。6月21日。これは危険な日。
「下北から笹塚・幡ヶ谷・初台、参宮橋・代々木、新宿へとぐるり歩き続ける。足で空中階の物件を見つけることなんて可能なんだろうか、という徒労感を味わう。」
ひたすら歩いていた、そして上述通り徒労感を味わった。18日あたりに続き2回目の物件散策だったわけだけど、たった2回の徒労でこんなことを言い始める。「初台の物件について、妙に「これなんじゃないか」感というか高揚が強まる。」
実に早い。
初めての内見から10日。たった10日。見た物件は10個くらいはあるかなと思っていたのだけどちゃんと内見したのは5つしかない。もちろん情報としては送っていただい物件情報で何十は見ているとは思うのだけど、しかしそれにしても早い。
「これは危険な兆候かもしれない。冷静に考えなければ。」
本当にそのとおりだ。
しかし翌22日、「初台物件についての妄想や、家賃等について改めて考える。捗らず。」と。一日いったいお前は何をやっていたんだよ!というところで。
そして翌23日、「永山と初台再内見。」
いつの間にか不動産屋さんに連絡して再度の内見を申し出ていたとは…!
LINEをさかのぼってみたところ、19日に「昨日行った三茶のカフェが「わ、まさにこれじゃん…」という内装でした。今度一緒に行きましょう」とあり、21日「やっぱ月曜でいいですかね?」「と言いますのも、月曜に内見する物件があって、それ一度見ているやつなんだけど、もしかしたらやっぱりこれどうだろうっていう説がにわかに浮上してきたので再内見なんだけど、それに付き合ってもらおうかなというところで」とある。 再内見の感想は「やっぱりここなんじゃないかという説。」と。
おいおいおいおいという感じなんですが、この日は「その後幡ヶ谷、笹塚、それから下北、三軒茶屋へとよく歩く。」とのことで、笹塚の自転車屋さんに行ったり下北ぷらぷらしたりした愉快な記憶がある。「ムーンファクトリーコーヒー再来店。永山と打ち合わせる。」
9割9分、物件、決まりだね、という気分になっている。