フヅクエができるまで(4)6月14〜17日、大宮にいた

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以前も書いたように6月から店オープンの10月まで僕は大宮の実家に居候をしていたのだけど、6月14日から17日まで、都内には出ておらず、大宮というかさいたま市の中にいた。
14日。「ジャンゴ行ってやまさんの話を聞く」
大宮のやたらかっこいいコーヒー屋さんのジャンゴバンケットは初めて入った瞬間から「かっこいい…!」となって、歩いてだったり自転車でだったり、何度も行った。友だちが「やまさん」と言っていたからきっとこの人は「やまさん」なんだろうと思って僕の中でも「やまさん」であるお姉さんと、しかし何を話したのだったか。「色々と意志を持ってやってらっしゃる方の話はとてもいい。」とだけある。ずいぶん素直なこと書いていてぎょっとする。でもとにかくかっこいい人だった。また行きたいし最近さいたま新都心に新しいお店ができたみたいでそちらにもとても行ってみたい。
夜、「映画見に行く」とある。エバーノートによると新都心のMOVIXでウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』を見たとのこと。
15日。「永山家でピザ食う。トマトソースうまい。ローズマリーがいい。帰りゲロ吐く。」とのこと。慣れない人たちのいる場で飲むとわりとそうなりがちなんだけど飲むペースがおかしくなってダメなことになる。
16日。「役所等。食器ちょっと買う。夜、永山はるい家に行く。内装とかの相談。永山に施工管理・全体のディレクション的なことをやってもらうことに決める。それはとても心躍る事態だ。」
これ重要な日で、二人のおうちにお邪魔したのはけっこう遅い時間だった記憶があって、茶かビールか発泡酒か何かをきっといただいた。
「永山」はこれから何度も出てくるので説明をちゃんとしておくと、小学校のときの同級生で、中学は学区が違ったから同じだったのは小学校だけなのだけどずっと付き合いが続いていて、親友と言って差し支えないのだと思うのだけど、そういう存在で、「はるい」ははるいちゃんで、永山の配偶者で二人は去年の春に結婚した。僕はこの夫婦が大好きで。
で、現在彼はリペア職人として日々現場の最後の段階なのかな、工事中にできちゃった凹みとか傷とかなんやかんやをきれいに直して「はい仕上げ」みたいな感じのことをしているというのが僕の認識なのだけど、そんなわけで、いろいろ頼りになるし相談しやすいしなんせ楽しそうだし、というので施工管理をお願いすることにした、ということらしい。
ただ数日後に検討し直すことだけど、施工管理は結局別の方にお願いすることになった。さすがに日々の仕事をしながら施工管理(セコカンと言っていた)は難しいよね、ということで。
ちなみに施工管理というのは僕の認識だとスケジュール作ったりいろいろな業者の方と連絡を取って指示を与えて現場が混乱なく進むようにする指揮者みたいな仕事で、すごくハードなお仕事っぽかった。
で、永山は施工管理はしなかったのだけど、いろいろ、数えきれないほどに、もう全部っていうくらい、あれこれをやってもらうことになる。
この夜、永山の専門学校時代の同級生の方で施工管理をやっている方に電話をしてもらって、そのときの内容がノートにメモされている。
「水道ガス電気設備20万ずつ。4,500万なんて掛からない!店舗デザイン込みでこんくらいでできる。厨房100万、電気3,40万、ガス引き直しで10万20万。スケルトンでフルの施工、30坪350万でできたことも。予算的に勝つのは居抜き」
この時分に僕がずっとわからず混乱していたのが、「え、設備がどうこうって費用っていうのはどこまでを指すの?水道とかの工事とかまでなの?それとも厨房機器とかも入るの?え、なんのことなのいったい?」みたいな感じで、言葉の定義がよくわからないので掛かる金額もまるでわからないみたいな感じで、今読み返してもあまりわからないのだけど、このノート取ったときはいくらかクリアな気分になった記憶がある。
17日。「チャリで行けるところに。ひだまり商店:co+feの家具がやっぱり素敵。スプーン・フォーク買う。楽風:お茶おいしかった。お茶いいな。夜チーズケーキ試作3度目。クリームチーズ:サワークリーム=2:1で作ってみた。(結果不評)」
店名を考えるとき、「おだまり商店」はどうかな、と思った瞬間があった。