会話のない読書会のお知らせ 8月21日(木) ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』@フヅクエ初台

2025.07.30
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その本を読むためだけに用意された、贅沢で最高の読書時間——
「会話のない読書会」は、楽しみにしていたその本を、同じくその本を楽しみにしていた人たちだけが寄り集まった空間でただただ読む、という読書会です。
この読書会では、参加者同士が本について語り合ったりすることはしません。映画館で映画を観るように、おのおのの席で、黙々と、ただ読む。コーヒーやお酒や食事を楽しみながら、決められた時間のあいだ、ただただ読む。時間になったら帰る。
参加者たちは見知らぬ者同士のまま、「ここにいる全員が今、同じ本を読んでいる」という認識だけが渦を巻く。ただそれだけが、どうしてだか忘れがたい、濃厚かつグルーヴィーな体験に、なれ、という企てです。
今回は久しぶりの初台での開催です。
店主阿久津、ベン・ラーナーの『10:04』が大好きで、今年は数年ぶりの3回目を読んだりしていました。
その少しあとの時期にこちらの本の刊行を知り、それは僕にとっては「2025年で一番うれしいお知らせ」というものでした。
とっても楽しみなので、会話のない読書会を開催しようという次第です。
こんな作品だそうです。

「さて、これから一枚の写真を見せるので、ひとつお話を作ってもらいたい(…)この写真に写る人たちはなにを考えて、感じていると思う? まずは、なぜこのような場面に至ったのかを話してみてくれないか」
1997年、中西部カンザス州トピーカ。高校生のアダム・ゴードンは、恋人のあとを追って入り込んだ湖畔の邸宅がじつは見知らぬ他人の家だったことに気づいた。つかのま世界が組み替わり、アダムはその湖畔に立ち並ぶすべての家に同時にいる感覚に襲われる。同一性と、確からしさの崩壊。彼はすべての家にいたが、その家々の上空を漂うこともできた。
競技ディベートの名手であるアダムが、自分のスピーチのなかにみた暴力性。ともに臨床心理士のアダムの両親が紐解きはじめた、自らの記憶。母ジェーンの葛藤と彼女が闘ったトピーカの「男性たち」。父ジョナサンが心の奥底に隠した弱さ。言葉の限界にそれぞれの形で向き合う家族の語りに、アダムの同級生ダレンの声が織りこまれる。クラスにとってよそものだった彼を待つ事件。それは避けられなかったのか? そして、アダムが最後に選び取ったスピーチとは。
複数の声が時代を行き来しながら、米国の現在を照射する。『10:04』の作者が、知性と繊細さをもって共同体を描きだす、小説の新しい可能性。

本書は、ひとり出版社「明庭社」の1冊目の刊行作品です。今回は明庭社の家田真也さんもお招きして、刊行に至る経緯などをお話しいただく時間も設ける予定です。

開催概要

日時
8月21日(木) 予約ページはこちら
19:30~22:00(19:00開場)
※この日の通常営業は18:30までとします。
場所
フヅクエ初台
読む本
ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』
※ 本はご用意ください
料金
1870円(税込み)
※ 2ドリンク付き
※ 別途お食事のオーダーもしていただけます。カレー、サンドイッチやチーズケーキ等、いろいろあります
定員
11名
キャンセルについて
お申し出が前日までかつ「そこまでに売切れになっていなかった場合」は返金させていただきます。当日のキャンセルによる返金対応はおこないませんのでご了承ください。
当日の流れ
「読む本」を読みます。
飲み食いしつつ、ただただ読みます。
途中で疲れたらしばらく他の本に退避したり、外出しての休憩も。
22時で終了のお知らせをします。それまでたっぷりどっぷり読書の時間をお楽しみください。
という感じで、なかなか味わうことのない読書体験になるのではないかと思いますので、ぜひいらしてください〜!