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エリック・マコーマック『雲』(柴田元幸訳、東京創元社)

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エリック・マコーマック『雲』(柴田元幸訳、東京創元社)

2月7日(金)
夜は今日は僕と森奈ちゃんで、日中もそこそこに忙しそうな伝票だったが佐藤くんは平気な顔をしていて、たくましくなった、と思って、夜もそこそこに忙しく途切れずにずっと動き続けるふうだった、手と足を動かしながら頭はずっとフィグマでたぶん問題はツイッターであるとかで記事に着地した人になにを見せるかだった、「これは店のウェブサイトである」という知らせがやはり必要というか、知らせるのが一番だろう、そうなったとき、どうあるのが一番そうなのか。
最後までまっとうに二人で働いて、おしまい。森奈ちゃんのトークイベントがなくなった話を聞いた。
帰宅後、イアン・マキューアン、じゃなくてコーマック・マッカーシー、じゃなくてエリック・マコーマック。スコットランド、アフリカ、ラテンアメリカ、そしてカナダへ。柴田さんが最初に朗読された箇所に当たった。

キング・ストリートをこうして初めて歩いているあいだ、歩行者の姿はあまり見かけなかった。すれ違った人間の大半はごく普通の、何の変哲もない見かけで、みな目が合うのを避けた。
ただし一組の夫婦は例外だった。陽を浴びて顔を赤く輝かせた男は杖を握っていて、その杖で歩道を憎々しげに突いていた。女は小柄で黒いスカーフを頭に巻き分厚い眼鏡をかけていて、男の一、二メートルうしろをよたよた歩いている。彼らが近づいてくると、二人とも腰に、びょうをちりばめた革紐を巻いていて、その紐でたがいにつながれていることがはっきり見えた。これによって夫が妻を引っぱっているのか、妻が夫を止めようとしているのかはわからなかった。
当然ながら、私は二人にぶつからぬよう大きく横にそれた。
歩いているあいだに見かけた唯一の子供たちは歩行者ではなかった。十歳くらいの男の子二人が、建物と建物のあいだの通路で、黒い布切れを緩く束ねて作ったまりで遊んでいた。私が通りかかると、一方の子が親しげなしぐさで毬を私の方に蹴った。私は蹴り返そうとしたが、そのとき、実はそれが紐で縛ったカラスの死骸であることを見てとった。私はあわててあとずさり、男の子二人はひどく感じの悪い笑い方で笑った。 エリック・マコーマック『雲』(柴田元幸訳、東京創元社)p.214,215

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