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ジョン・ファンテ『犬と負け犬』(栗原俊秀訳、未知谷)

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ジョン・ファンテ『犬と負け犬』(栗原俊秀訳、未知谷)

1月23日(木) 

ダルビッシュのインタビューを読みながらうどんを食べると、ファンテの続きを読んでいた、子どもたちが一人また一人と減っていき、家はさみしさに満たされた。消えた犬の居場所がわかった、そこに行った、豚と一緒にいた、「私の考えを聞かせましょうか? 思うに、こいつはエンマを母親だと思いこんでいるんですよ」。

豚が囲いを横切って、たらいにぽたぽたと水を垂らしている蛇口へ向かうと、スチューピドもあとをついていった。豚が水を飲み、犬も水を飲んだ。それから豚は私たちのところへ戻ってきて、慕うように私を見上げ、そのあいだにスチューピドが、豚のなめらかな背中を舐めて藁くずを取ってやっていた。犬は豚にぞっこんだった。 ジョン・ファンテ『犬と負け犬』(栗原俊秀訳、未知谷)p.203

小説は終わって、いっしゅんなにか、光に満ちたような心地になったけれど、寂寞みたいなものが残った。訳者あとがきを読んでいるとこれはファンテの死後に刊行されたようでそれが85年とかで、執筆時期は60年代後半とかということだった、あとがきに出てくる『満ちみてる生』の文字を見ていたら、思い出した、『満ちみてる生』を読んでいたのは11月とかで、2016年とかの11月だった、神保町で買って、少し読んで、それから初台に戻ってハブとかに入って読んでいた、そのあと店に戻って、ひきちゃんが働いていた、お客さんは一人だけだった、どの方だったかも覚えている、そのときはメニューになかったウィンナーコーヒーをつくってもらって、カウンターの端のほうの席で僕はこれを読んでいた、読み終えたのだったか、そういう夜があった、今晩は一年ぶりとかになるんだろうか、ひきちゃんと会う、飲みに行く。

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