今日の一冊

2019.08.31
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####中井久夫『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)
2018年8月31日
それが昨日で、起きると、冷蔵庫にプルーンがあるよ、という書き置きがあり、開くとプルーンがあったので、食べて、出た、ゆっくり準備して、開店前、外に腰掛けて中井久夫の昨日のやつをまた頭から読み、5分だけ読み、それから仕事を始めた。
夕方ごろから、ぽろぽろと中井久夫を読んで過ごした、次の「「世界における索引と徴候」について」を読んだ。
「予感」と「徴候」とは、すぐれて差異性によって認知される。したがって些細な新奇さ、もっとも微かな変化が鋭敏な「徴候」であり、もっとも名状しがたい雰囲気的な変化が「予感」である。予感と徴候とに生きる時、ひとは、現在よりも少し前に生きているということである。
これに反して、「索引」は過去の集成への入口である。「余韻」は、過ぎ去ったものの総体が残す雰囲気的なものである。余韻と索引とに生きる時、ひとは、現在よりも少し遅れて生きている。
中井久夫『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)p.34
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