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今日の一冊

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坂口恭平『しみ』(毎日新聞出版)

2017年7月2日
土曜日、強い雨、目の高さにある猛々しい植物を見ながら煙草を吸っていた。
シャンパーニュ麦芽使用のプレミアムモルツというのがコンビニにあったので月初なので奮発をして購入をしたところ財布が「痛い!」と声を出したような気がしたがもしかしたら気のせいかもしれなかった。坂口恭平をいくらか読んで、それから眠りに入った。

「踊りがすべて。歌もいいが、何といっても踊りだ。歌や音楽がなくなっても、おれたちは踊ることができる。踊りってのは、おれたちが生きているこの地面との連絡だ。地面はいつだって違うことを考えていて、人間ってのはいつも誤解して、へらへらしていやがる。踊り手ってのはその裂け目を汗かきながら渡ってるんだ。そうじゃなきゃ踊りじゃない。ここの踊りは、あっちの言葉だ。あっちからいろんな声が聞こえてくる。おれたちにゃ聞こえない。だから、踊る人間ってのは半分人間じゃない。草だって踊ってる、石ころだって踊ってる。鳥だって踊ってる。雲だって踊ってる。人間が踊るのは、自然に学べってことじゃない。おれたちが感じてる、鳥やシマウマやこの茎って区別がいかにどうでもよくて、そういうことじゃないんだってことを知る作業で、そんなの哲学者だってできないだろう。だから、うちらは踊るやつを最も尊敬する。あいつを見ろ。七人の嫁がいるあいつを。あいつは金なんか一円も持ってない。ここではそんなのいらない。あいつは踊る。踊るところには何でも集まってくる。躍動するからだは湧き水みたいなもんだ。いまから出てくるあいつの踊りを見ろ。それが次の言葉だ。」 坂口恭平『しみ』(p.35,36)

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