『若い藝術家の肖像』を読む(8) アイルランドの歴史を学ぶ

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アイリッシュウイスキーも仕入れたことだし、そろそろ本を開いてもいい時が来たのかもしれない、そのように思わないでもない。ただ僕はいまだアイルランドの歴史をまるで知らず、その町をまるで知らず、こんな状態で突然「あの日?あのとき俺ダブリンで働いてて普通に、そんであれでしょ、これはやばいわーとか思って帰ろうとしたんだけど電車止まっちゃうしタクシーつかまらないしじゃあ漫喫でいいかとか思って行ったら一杯だし普通に、」とか言われた場合、なんだろうそのアイルランド全土を揺るがした大事件は!そしてダブリンっていうのはどのあたりの場所にあるのだろうか!というので止まってしまって、大変なことなので、ある程度アイルランドの歴史および地理を学習したのちに小説は開きたい。
これでさ、そもそもジョイスってアイルランドじゃなくてスコットランドだよ?みたいなことになったら本当に笑えるというか、アイリッシュウイスキーの仕入を正当化するものが何もなくなっちゃうというか。そのあたりのリスクについてはよくよく考えたとはとうてい言い兼ねるわけで、でも十中八九アイルランドだと思っている、彼の出身は、そして小説の舞台は。
そのためアイルランドに関する本を至急買うためにリサーチしないといけない。
amazonにて、「アイルランド 歴史」で検索。するとオフェイロンという方の『アイルランド―歴史と風土』が出てきた。岩波文庫。岩波。1500年とかに書かれているやつだったらどうしよう…と思ってオフェイロンを検索するとショーン・オフェイロン、Sean O’Faolain、1900年生まれで没年1991年、ずいぶん長生きだったことがわかった。これは僕の勘でしかないのだけど、ジョイスはきっと19世紀末なんじゃないのかと。1880年とかに書かれたくらいの。だからこの『アイルランド―歴史と風土』はきっと早くても1940年代半ば以降なんじゃないのかと勝手に思っているからセーフだろうと。
ところでこの「O’」の感じ、アイルランド人か何かの歌手でいなかったっけ、しかもショーンぐらいの感じで。と思ってiPodをくるくると。
なんていうかさ、seのあたりをまず見て「あれ、いない、ショーンじゃなかったか」ってなるわけじゃないですか。でも、何を見たときかな、たぶん「Sigur Ros」の文字を見たときに、「あ、俺の直観間違ってないわ」ってなったというか、「このあたりに、間違いなく、そいつはいる…!」っていうのがわかるというか、記憶のあり方ってすごいよなって思ったというか、iPodの配列による記憶、指くるくるによる記憶みたいな記憶のあり方が間違いなくあるんだよなと思って。
まあそれはどうでもいいんだけど、「Sinead O'Connor」でした。検索したらやっぱりアイルランド人だった。なんなんだろうこの「O’」って。また余計な謎が生まれてしまった。
それから、だから、オフェイロン読んでみようかなと今思っているのだけど、この出来事でamazonに対して怒りみたいなものは湧かないのだけど、「アイルランド―歴史と風土をご覧になった人は、こんな商品もご覧になっています:」で「アイルランド紀行―ジョイスからU2まで(中公新書)新品:¥907」というのが出てきて、あ、ジョイス、アイルランド、というのが確定された。