本の読める店

フヅクエの料金の仕組みの説明

Entry osekiryo

●フヅクエとは
フヅクエは、「今日はがっつり本を読んじゃうぞ〜」と思って来てくださった方にとっての最高の環境の実現を目指して設計・運営されている「本の読める店」です。
この店が考える「たしかに快適に本の読める状態」は、大きく分けて2つの要素から成り立っています。ひとつは穏やかな静けさが約束されていること、もうひとつは心置きなくゆっくり過ごせること。
このページでは、ふたつめの「心置きなくゆっくり過ごせること」を実現させている、フヅクエの料金の仕組みの説明をしています。
(店頭各席に置いている案内書きからの抜粋です。web上ではざっくりした説明でいいかなとこれまでは思っていたのですが、不正確な情報をちらちら見かけることもあり、オフィシャルの情報としてそろそろ載せておこうかなと思った次第です)

●仕組み化の目的
食事、喫茶、飲酒。「本を読み読みゆっくり過ごす」に付随する飲食パターンはそれぞれに異なりますが、すべての方が気兼ねも不安も感じることなく、気が済むまで心置きなくゆっくり過ごせる状態を実現する。

●仕組みをひと言でまとめると
「オーダーごとに小さくなっていくお席料」制です。

●雑に説明すると
お飲み物1杯でもある程度飲み食いしてもなんとなく2,000円前後に収斂するようになっているので、2,000円でいい時間を過ごすぞ、というおつもりで来ていただけたらだいたい間違いはないはずです。

●お席料表
左の項がオーダー内容で、右の項がお席料です。

ドリンク ・・・・・・・・・ 900
ドリンク + デザート/つまみ(以下「一品」) ・・・・・・・・・ 600
ドリンク + 一品×2 ・・・・・・・・・ 300
ドリンク×2 ・・・・・・・・・ 300
ドリンク×2 + 一品 ・・・・・・・・・0
ドリンク×3 ・・・・・・・・・ 0

フード ・・・・・・・・・ 900
フード + 一品 ・・・・・・・・・ 600
フード + ドリンク ・・・・・・・・・ 300
フード + ドリンク + 一品 ・・・・・・・・・ 0
フード + ドリンク×2 ・・・・・・・・・ 0

なお、ご滞在時間4時間超以降は、1時間あたりお席料600円ずつを新たに発生します。もちろんオーダーいただくことによってお席料は減っていきます。
(例えばご滞在が4時間超だった場合、「ドリンク/フード×3 + 一品」でお席料が0になるあんばいです)
といってもカウントするのもご面倒でしょうし、「映画2,3本分くらいゆっくりするぞ、みたいなときは相応の金額になる」くらいのご認識で十分かと思います。一応目安をお伝えしておくと、4時間超で2,500~3,000円、5時間超で3,000~3,500円、6時間超で3,500~4,000円あたりに着地するケースが多いです。オーダーの内容によって変わってくるので完全にざっくりですが。(途中で気になったときはご遠慮なくお尋ねください)

●具体例

「コーヒー1杯」 ・・・ お席料900円 + コーヒー700円 = 1,600円
「コーヒー2杯」 ・・・ お席料300円 + コーヒー700円×2 = 1,700円
「コーヒー2杯とチーズケーキ」 ・・・ お席料0円 + コーヒー700円×2 + ケーキ500円 = 1,900円
「定食」 ・・・ お席料900円 + 定食1,000円 = 1,900円
「定食とビール」 ・・・ お席料300円 + 定食1,000円 + ハートランド800円 = 2,100円
「定食とビールとつまみ」 ・・・ お席料0円 + 定食1,000円 + ハートランド800円 + ミックスナッツ400円 = 2,200円

●これは一体なんなのかというところですが、
ここで過ごされる方の時間の質と量を守っていくための、すべての方に心置きなくゆっくり過ごしていただけるようにするための仕組みです。

「ゆっくり過ごす」は必ずしも「あれこれ飲み食いしたい」と連動するわけではありません。
お腹に入れるのはコーヒー1杯だけでいいかな、という方もいれば、ビール飲み飲み何か軽くつまもう、という方も、今日はご飯を食べて食後に紅茶とデザートだ、という方もいます。
どの方にも心地よくゆっくり過ごしていただくためには、すべての方の「ゆっくり」が等しい価値を持っている必要があり、そして、自分の「ゆっくり」が他の方の「ゆっくり」に決して劣るものではない、変わらず同等に完全に歓迎された存在だ、と認識できている必要がある、と考えます。 で、上の表の範囲内は、店がいただく利益は1,500円になるようになっているんです。(「ドリンク×3」と「フード + ドリンク×2」はもう少し高くなっています。)
コーヒー1杯の方も、ビールとおつまみの方も、ご飯と紅茶とデザートの方も、同じ1,500円。 だから、店としては、なんの無理も矛盾もなく「飲み物1杯で何時間でもどうぞ!」と宣言できるし、ここで過ごされる方にとっても、それが無理も矛盾もないということを認識していただくことでこそ、「とは言え飲み物1杯で何時間もいるのも……」というたぐいの裏読みや忖度なく過ごしていただける、「2時間超えたしさすがにもう1杯は頼んだほうがいいのかな……」というたぐいの気兼ねをせずに過ごしていただける、と思っています。そういうところで、僕の現在の考えでは、この仕組みが最適解だ、というところです。

この仕組みは開店から1年後の2015年秋に導入したものですが、それ以前も、それ以降もずっと変わらず、驚くほどきれいに、判を押したように、平均のご滞在時間は2時間30分です。とてもうれしいナイスな数字です。
みなさんにそのぐらいゆっくりしていただけるとなると、「一日中ほとんど隙間なくびっちりだったなあ」という日で、この店が迎えることのできる人数は30人ほどというところです。
この仕組みがなければ、たとえ年に一度の大入りみたいな日が連日続いたとしても、飲み物1杯という方ばかりだったら決して続けていくことはできませんし、「ちょっとこの人そろそろ帰ってくれんかな〜」のような邪念が生じることも容易に想像できます。「せめてもう1杯頼んでくれんかな〜」とか。それが重なれば、「時間制限作ろうかな〜」とか、「もういっそ喋れる店にしようかな〜」とか、台無しの方向に店は進むかも知れません。
しかしこの仕組みがあることで、ここで過ごされるすべての方が、店の存続にとって必要な利益を還元してくださる方になる。上記のような邪念が生じる余地はなくなる。
そして、「心置きなくゆっくり過ごせること」という「本の読める店」として守るべき価値をたしかに守ることができ、十分な集客さえできれば、この場所を心地いいと感じてくださる方に、あるいはこの場所にあり続けてほしいと思ってくださる方に、この場所に共感してくださる方に、この場所が必要だと思ってくださる方に、この場所での時間を提供し続けていくことができる、はずだ、というところです。

という、これはそういったたいへんすぐれた仕組みであります。

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